フェアトレードの流れ


 フェアトレードは1940年代にアメリカでオルタナティブ・トレード(もう一つの形の貿易)組織として、NGO活動の中から始まりました。現実の収入につながらない技術指導や依存心を強める恒常的な援助よりも、雇用につながり、仕事の場をより多く創出する貿易の必要性が認識されたのです。しかし、当初はこうした貿易は木材、農産物等の一次産品に限られたため、環境を破壊したり自給自足のシステムを崩し、現地の生活は苦しくなり、その国内の貧富の差も開く一方でした。そこでオランダ、イギリス、アメリカなどでは、このような貿易の弊害を取り除き南の国々の人自身の力により生活向上をはかる収入促進プロジェクトが行われるようになり、今日にいたっています。
 
 現在は日本でも多くのフェアトレードに関係するグループが誕生しています。それぞれに特徴がありますが、ネパリ・バザーロは自分たちのサイズを意識してバランスのとれる団体と付き合うようにしています。時には個人の場合もあります。お互いにその主旨や効果を考えながら十分に話し合って進めるにはこのことが重要だと考えているからです。小さな団体は電話などの通信手段もないところが多く、注文―製作―納品といったシステムが確立していない分、手間もかかります。
 
 新しい製品の企画、開発はもちろん、時には注文することすらも直接現地へ行かなければならない状況ですが、だからこそお互いの信頼感は確実に向上し、それに伴って製品の質も向上しています。生産者の人たちは自分たちの仕事で得た収入で生活し、子どもたちを学校へ行かせられることを誇りに思っています。これからも多くの生産者、協力者と力を合わせ共に成長して行ければと考えています。

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