プラザ・ネパール・デイ 「映画からみる国際協力“フェアトレード”」



あ〜すぷらざと共催で、館内全体をネパール・デイとして、去る9月27日と28日の両日、さまざまな催しを実施しました。展示室で留学生トークタイムも行われ、情報フォーラム(図書兼打合せ室)では、お茶の郷博物館(静岡県金谷町)のご協力も頂き、ネパールの子どもたちの絵、生活風景の写真、お茶の展示も行いました。レストラン「メルヘン」では特別メニューのネパールカレー料理が出され、館内全箇所を対象にスタンプラリーも実施されました。
 28日の11時には、シディマンさんのウッドスタンプによるスタンプワークショップも行われ、その彫る様子が会場に設置した大きなテレビから放映され、子どもから大人まで楽しむことができました。

 午後からはホールで、「フェアトレード」劇が神奈川総合高校ワンコインコンサートスタッフの生徒と卒業生により演じられ、若い力と情熱が場内を埋め尽くしました。 その後、フェアトレードのシンポジウムが始まり、コーディネータにネパリ・バザーロ代表の土屋春代、パネリストは(社)日本ネパール協会理事、野津治仁さんと神奈川総合高校の勝俣さん、荏原さん。野津さんによるネパール映画の解説とネパール人の映画監督、ナビンスッバ氏制作の映画「ヌマフン」を約10分間流しながらの紹介もあり、非常に興味深いお話となりました。
 「ヌマフン」は、英題ビューティフル・フラワーとして日本では福岡映画祭で紹介されたことがあります。このシンポジウムの開催のきっかけになったのが、スッバ監督から紹介されたネパール映画界の動きです。「現在の反政府勢力、マオイスト問題も貧困から起きています。1990年の民主化が成熟しないこと、民族問題、特に、25%を占めるアウトカーストの問題と女性問題です。ネパール200年の歴史の中で、そのアウトカーストの人々は常に虐げられてきました。マオイスト問題が解決したとしても、同様の問題がでてくるでしょう。映画にかかわる人たちも、このようなことを良く考え、文化的側面から改善に向けて取組みたいと考えています。ネパール映画を真剣に考えている人々は、全ての民族が等しく扱われ、彼らが持っている問題が、映画を通じて理解されるようになって初めてそれらの問題も解決されていくと考えています。」この想いは、フェアトレードの貧困問題を考える視点と同じで、この解決なくして社会の平和もない、未来もないからです。

 その後、今でも人気の映画、キャラバンを上映しました。この映画制作の中心人物、ハニーハンターの迫力ある写真を撮り続けたエリック・バン監督による大画面で繰り広げられるスケールの大きい映像とドラマの展開は、見る人を圧巻しました。
 

更に、ネパール音楽の集いとして、パンチャラマ兄弟、伊藤和美さんによるネパール音楽と踊りが披露され、会場は、手拍子の渦に飲み込まれていました。
締めくくりは懇親会。多くの方が感想、意見交換に華を咲かせました。
 
 この夜、スッバ監督から電子メールで「ヌマフン」が、バングラデシュ国際映画祭で最優秀映画賞を受賞したという報告が入りました。受賞、おめでとうございます!


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