World Today

ロンドン市長が
フェアトレード市宣言に向けて活動中。
真のワールドシティを目指す。

イギリスのロンドン市の発表によると、昨年3月11日、ケン・リビングストン市長は、市庁舎の喫茶店で市民に向けてフェアトレード商品の試飲を無料で提供する機会をつくりました。
これは、2003年の定例行事であるフェアトレード週間の中で行われたもので、フェアトレード財団(Fairtrade Foundation)と協力してフェアトレード市宣言に向けての意気込みをみせ たものです。
 現在、フェアトレード財団が定める基準をクリアしているのは17の町(フェアトレード町)と、昨年3月に、イギリスで初めてフェアトレード市の認定を受けたニューキャッソル市。ちなみに、同財団がフェアトレード商品であることを消費者に分かり易くするフェアトレード表示を認可した食品の2002年度売上総額は、イギリス全土で約120億円と報じられています。

各国で売上げを伸ばすフェアトレード商品

 一昨年1年間の欧州のフェアトレード商品総売上高は400億円規模に達したといわれています。アメリカ、カナダ、日本、オーストラリア、ニュージランドを含む北米、アジア太平洋地域では280億円規模となり、伸び率も、米国で44%、アジア太平洋地域で23%となり、今後もフェアトレードへの認識の高まりとともに伸びるだろうと報じられています。この数値は、フェアトレードを担うフェアトレード団体と、フェアトレードの表示運動に加わった一般企業のフェアトレード商品の総売上げを合計したもので、その中心は食品です。
 米国フェアトレード連盟(Fair Trade Federation)が把握しているフェアトレード商品の1992年売上げ数値で、飛躍的伸びを示したのはコーヒーの18億円、前年度比29%でした。フェアトレードの表示を推し進めるトランスフェアーUSAでは、一番の伸び率はコーヒーの54%、続いて紅茶の44%でした。

 国際フェアトレード連盟IFATが、ワールドソーシャルフォーラムでフェアトレード・マーク宣言

 昨年、イギリスのニューキャッソル市で開かれたIFATの国際会議で、ここ数年続けて来た自己評価制度の基準を満たしたフェアトレード団体に認定マークの使用を許可する決議がなされました。この発端となったのは、1999年にイタリアのミラノで開かれた国際会議です。フェアトレードが社会に広まるにつれ、その社会的信頼をどのように得るかが議論されてきました。
 小規模生産者の商品を扱った一般企業には、フェアトレード表示を許可する、フェアトレード表示運動があります。FLO(Fair Trade Label Organization)がその仕事をしています。一般企業にフェアトレード商品を広めるためのものですが、問題もあります。扱う商品が1%にも満たない場合でも、その表示使用を認めるか否かということです。商品上の表示ではありますが、それが、その企業全体のイメージとして誤解を与えかねないからです。欠点もありますが、市場が広がるのも事実です。
 では、私たちフェアトレード団体も、その表示をすれば良いのでは、という見解もありますが、残念ながら、ハンディクラフト商品は、その認定対象外です。その種類の豊富さ、販売可能期間の短さなどから、認定のための費用も膨大にかかり、現実的ではありません。フェトレード団体自身が扱うのに、その管理料などのニ重払いも課題です。
 このような問題をクリアするため、国際フェアトレード連盟IFATでは、ここ数年の年月をかけて協議を続けてきました。ミラノ国際会議に提案準備するまでに1年、そして各認定団体を認定するマーク表示に辿り着くまでに4年がかかりました。
 今年の1月16日から21日にインドのムンバイで開かれた第4回ワールドソーシャルフォーラムで、このフェアトレード団体認定マークを公にお披露目しました。次の挑戦、それは、商品に表示するフェアトレード・マークです。今後も、FLOと話し合いが続きます。世界は新しい流れを生み出そうとしています。

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