日本で研修を受けたアヌーさんからパッチワークのバッグが届きました。

2004年5月、ネパリ・バザーロは、草木染めの製品を作っている生産者団体マヌシの現場マネージャー、アヌー・サキャさんを1ヶ月間日本での研修に招きました。数ヶ月経った11月、現地を訪れアヌーさんに研修の成果を伺いました。
「日本では本当にたくさんの経験をしました。中でもマーケットを直接見たことや、お客様が何を求めているのかを知ったことは大きな収穫です。それまでは、商品のクレームを受けても何が悪いのか、なかなか理解できずにいました。ネパリのスタッフと一緒に仕事をして、どういう点が良いのか悪いのかを実感することができました。また、古布を使ったパッチワークのワークショップは、デザインの幅を広げるのにとても役立ちました。そこからヒントを得て、草木染めのはぎれを利用して作った『はなかご』は研修の大きな成果のひとつです。日本で喜んでくださる方がいると知ったことは、大きな励みになっています。マヌシのスタッフにも日本でのことをたくさん話しました。みんなやる気を出しがんばっています!」と大きな目を輝かせながら笑顔で話してくれたアヌーさん。「日本の研修後、新しいデザインが増えました。特に、パッチワークを使ったバッグのデザインには驚きました。とてもすてき!」と、工房で働くスタッフ達もうれしそうに答えてくれました。研修後、ネパールから届くマヌシの商品を見るたびに製品の質が一段と高くなっていることを感じ、とてもうれしくなります。研修期間は、私達スタッフにとっても、貴重な時間でした。検品の際にはじいていた、ほんの少しのシミや染めむら、出来上がりの色合いが微妙に違うのは、本当にわずかな天候の変化、植物の花粉、干す時間帯などによるものだということは、アヌーさんに聞くまでは分からなかったことです。草木染めを実際に体験してみて、思ったような色に染めるのがいかに難しく大変なのかを実感しました。アヌーさんと共有した時間はお互いの理解や信頼を深めることにも大きな効果をもたらしました。今後、草木染めの優しさやぬくもりを、たくさんの方に伝えていきたいと思います。

(文・長部 愛)

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