SEWA Artがお届けする 伝統の技



陶器には、人類の文明と同じくらい長い歴史があります。太古より、私達の暮らしと共にあり、近代化が進んだ今なお、私達の生活に欠かせないものです。陶器の技術を代々受け継いできたネパールの職人達にとっても、それは重要な生活の手段となっています。
私達に斬新なデザインのプレートやスープカップを届けてくれる、ゴビンダさんもその一人です。彼は、伝統的な窯業の家に生まれ、幼い頃から父に就いて、その方法を学びました。今は、妻のテーズさんと共に、「SEWA Art」という小さな工房を構え、14人のスタッフと一緒に働いています。
ゴビンダさんの工房で働くスタッフは、みな近くから通ってきています。男性スタッフがろくろを回すと、みるみるうちに、粘土の塊から、するすると新しい形が生まれてきます。まるで、魔法の手のようです。その側で、女性達が乾いたプレートに絵付けをしています。少しのずれもないように、真剣な表情で、一筆一筆丁寧に描いていきます。緊張感が漂う瞬間です。
14人のスタッフのうち、二組は夫婦です。一組は、妻が最初に働いていて、結婚後、夫も一緒に働くようになったそうです。「ここは、結婚したらみんな夫を連れてくるんだよ」と、ゴビンダさんが明るく冗談を言います。若い女性スタッフは、恥ずかしそうに顔を見合わせて笑っていましたが、アットホームな雰囲気の中、楽しそうに仕事をしている姿が印象的な工房でした。

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