北海道研修ツアー

昨年は沖縄へ行ったネパリ・バザーロの研修ツアー。5年目の今年は北海道へ行きました。研修ツアーでは毎回、行った先々のフェアトレード店の方と情報交換をしたりイベントに参加して、お互いに元気をもらっています。今回もスタッフ、ボランティア、フェアトレード店の方が参加して総勢21名に、1日目は青森からフェアトレードショップ「さくらんぼ」の皆さん8名も加わり、中身の濃い2泊3日を過ごしました。

 1日目は函館の「はこだて工芸舎」でフェアトレード月間のイベントの1つとして、ネパリ・バザーロ副代表の丑久保完二がコーヒーの話をしました。事前に地元の新聞2紙にイベントのお知らせとネパールコーヒーが取り上げられたことと、店奥のスペースにフェアトレードカフェを併設し、そこでコーヒーや紅茶を出していたことが重なって、イベント前からネパールコーヒー、紅茶の売り上げはとてもよかったそうです。コーヒー村の様子を映し出しながらの現地の話に、集まった皆さんは身を乗り出して聞き入っていました。再生産植物としても注目を集めているコーヒーやスパイスがネパールと日本という間だけでなく、世界的な環境問題にもつながっていくことなど、はこだて工芸舎のスタッフの方にも「初めて聞くお話が、今後のお客様への説明の参考になりました」と、感想をいただきました。
 2日目は札幌へ移動して、「さっぽろフェアトレードフェスタ2005」に参加しました。閉校になった小学校で行われ、札幌のフェアトレードショップや地域の作業所が多数出店した校内は、私達が到着した時にはすでに大盛況でした。各教室で様々なワークショップが行われる中、ネパリスタッフによるワークショップ「フェアトレードの服と暮らそう」が開かれました。まずは世界の富の分布と識字の大切さについて、体験ゲームを通して考えていただきました。識字ゲームの内容はおなかが痛い子どものために母親が薬を買いに行くと、ネパール語で「水」「毒」「薬」と書いた3つの紙コップがあり、母親は読めないネパール語の中から、1つを選ばなくてはなりません。子ども役、母親役をしていただいた参加者の方の演技がうまく、楽しい雰囲気になりました。そしてその後、ネパリの服の生産者の様子をビデオで見ていただき、実際に現地に行っているスタッフがネパリの服を着たボランティアを一人一人紹介し、その服にまつわるエピソードを交えながら話をしました。スタッフの話はネパールや、フェアトレードに対する想いがいっぱいで、国際協力で買うのではなくて、本当にその服の良さ、背景を知って買いたい!と思っていただけたことでしょう。主催者の一人である「これからや」の東さんも「去年まではフェアトレードの説明からしていたけれど、今年は聞かれませんでした。フェアトレードという言葉が浸透しているのを実感しました」と、札幌でのフェアトレードの広がりを改めて感じられたようです。
 イベントの最後は、アコースティックバンド「たう」のコンサートで締めくくりました。生まれも職業も異なる3人のメンバーが、日々の暮らしで感じたことや想いを込め、聞いている人もほんわか心が温かくなるような歌の数々で、音楽室は一体となりました。特に印象的だったのは「青虫の歌」。農薬を使わないで畑の青虫を手でつまんで取り除く農作業を、明るく楽しく歌っていました。
 ツアーに参加された名古屋のフェアトレードショップ風"sの土井さんからも「いろんな楽しみがある旅行です。ネパリのみんなとの交流、各地のお店さんとの交流、土地土地でがんばっている、普段はなかなか知り得ない人を通じてのつながり、それは結果、日本、世界へとつながっていくような気がします。このツアーはつないで、つないで、つないでいく旅行ですね」と、うれしい感想をいただきました。この旅行でしか得られない楽しみに、みんなが年々虜になっていくのを感じました。

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