nepali bazaro story 商品開発ストーリー ネパリ・バザーロの商品ができるまで


「もったいない」から生まれた「ナチュラルアロマ 金魚さん」。コーヒーもはぎれも、ちょっとしたアイディアによって、新しい命が吹き込まれ、素敵な商品に生まれ変わりました。
 消臭効果の他にも、リラックス効果、脳の活性効果など、優れた性質を持っているコーヒーの香りを、ちょっととぼけた表情の金魚と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
 ネパリ・バザーロの商品には、それぞれ物語があります。商品のアイディアが生まれたところから、ネパールに足を運んで試作を重ね、商品になってカタログに登場するまでには、私達独自のフェアトレード的な視点がたくさんあります。そのほんの一部を、ここでご紹介したいと思います。


「もったいない」から生まれた金魚さん
 私達は、1994年からネパールのグルミ、アルガカンチからコーヒーを輸入し続けています。しかし、それから10年以上たった現在も、彼らのコーヒーを買っているのは私達だけです。しかも、日本で数々の工夫と努力をしてみても、なかなか販路は広がりません。コーヒーの在庫は溜まる一方で、このままでは生産者から毎年約束した量のコーヒーを買い続けることが難しい状況になっていました。生産者のことを考えても、私達は経営を圧迫しているコーヒーの在庫を捨てなければならないという苦渋の決断を迫られていました。
 ネパールの生産者のことを一番に考えて出した決断なのですが、だからといって彼らが手塩に掛けて育て、険しい山道を越えてはるばる日本までやってきたコーヒーを簡単に捨てるなんて、とてもできません。「もったいないなぁ・・・。捨てずに、何かに使える方法はないかなぁ・・・」
 それからは、コーヒーを飲みながら悩む日々が続きました。焙煎したてのコーヒーの、香ばしく、甘く少し酸味のあるいい香りをかぎながら・・・。
「あっ」
その時目をつけたのが、コーヒーの「香り」です。コーヒーの香りには、リラックス効果と、特にアンモニアなどのアルカリ性の臭いに対して素早い消臭効果があります。焙煎したコーヒーの粉を、ネパールのはぎれで作ったマスコット風の袋に入れたアロマ商品を作ろうと、思いつきました。

金魚を囲んで開発ミーティング
 そうと決まれば、早速サンプル製作にとりかかります。いつもはネパール出張に合わせてこちらで仕様書を作り、サイズなどを細かく記入して持って行くのですが、今回はあえて仕様書は作らず、イメージ用のサンプルを持って行くだけにしました。
 マハグティの事務所でサンプルとして持って来た金魚のマスコットを見せると、みんな不思議そうな顔をしています。しかし、用途を説明すると、そのアイディアに驚き、一気に身を乗り出してきました。そして金魚を囲んで、「もっとひれは小さい方がいいんじゃない?」「ここにダーツを入れたほうがすっきりするよ」「家に参考になりそうなイルカのマスコットがあるから持って来ようか?」いつもは開発ミーティングにあまり顔を出さないマハグティの代表、スニールさんも興味津々といった様子で参加してきました。
 生産者の興味をひきつければ、商品は一気に良くなります。最初から全てを指定するとやらされている気がしてしまうこともありますが、もの創りが好きな人ばかりなので、このように自由に話し合うと、アイディアが次から次に出てきます。こうしてみんなの知恵を活かして生まれた商品は、きっと作り手にとっても思い入れのある特別なものになることでしょう。
 その後、短いネパール滞在中にサンプル製作を何度か繰り返しました。生産者がそれぞれのアイディアで、いろいろなタイプの金魚を作ってくれました。それらを一度日本に持ち帰り、製品化に向けてネパールと日本で細かいサイズなどのやりとりを行い、「ナチュラルアロマ 金魚さん」はついに誕生しました。

日本にはばたけ金魚さん
 コーヒーを袋に詰めてもらうのは、近隣の福祉作業所にお願いをすることにしました。ネパールだけでなく、日本にも仕事を必要としている人々はたくさんいるからです。少しでも、彼らの力になることができればと考えています。

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