商品開発物語 vol.4  ネパリ・バザーロの商品ができるまで
こだわりの素材、しあわせの味、コーヒーのケーキ
コーヒークッキーに続いて、「コーヒーのケーキ」が登場しました。ネパールの村でコツコツとコーヒーを育ててきた農民たちの生活が向上するように。また、地域で暮らす障がいのある方たちに仕事が増えるように・・・。美味しい紅茶クッキー、コーヒークッキーを作ってくれている地域作業所「かたくりの里」の紹介で、「コーヒーのケーキ」は社会就労センター「きらら」にお願いすることになりました。


2006年8月10日、ネパリ・バザーロのスタッフは取材とレシピの最終確認のために、お菓子研究家の名越恵子さんと共に「きらら」を訪問しました。昼過ぎに到着すると、メンバーの皆さんが玄関まで迎えに来てくれました。スケジュール表に「ネパリ・バザーロの取材」と書いて、楽しみに待ってくれていたようです。最上階の見晴らしの良い明るい作業室で、「コーヒーのケーキ」の試作が始まりました。名越さんと職員が、レシピの詳細を確かめたり、メモを取ったりしながら、ケーキを作っていきます。クッキーの型抜きやラベル貼りの作業をしているメンバーも興味深く見守っています。コーヒーの挽き加減、粉の加え方、仕上げのコーヒーリキュール・・・細かな工程を一つひとつ確認しながら進めていくと、格段にレベルアップしたケーキが焼きあがりました。ネパリ・バザーロのスタッフも、「きらら」の皆も、これなら自信を持って売っていける、と笑顔がこぼれました。
お菓子作りの部門では、14名のメンバーが作業をしています。これまでのメインは、クッキーとプリン、チーズバー。材料の選定、作る手順、役割分担など、メンバーと職員でじっくりと話し合いを重ねて決めてきました。時間がかかりますが、そのおかげでしっかりと身について、美味しいお菓子が作れるようになるのです。そうしてせっかく覚えた製菓技術も、販売先がなければ作り続けることができません。今日は作っても配達先がない、という日も、意欲に燃えたメンバーの気持ちを考え、少しだけ作ってもらうこともあるそうです。美味しいお菓子を作ることも大切ですが、楽しみに買ってくれるお客様がいてこその「仕事」なのです。「きらら」のメンバーが丹念に焼き上げた「コーヒーのケーキ」を、ぜひ味わってみてください。

製菓担当職員の佐藤亜津子さん

「お菓子の出来栄えは、作り手の気持ちや作業場の雰囲気が反映されます。メンバーの皆と協力して美味しいケーキをお届けします」


社会就労センター きらら
施設長:安田知明
〒228-0828 神奈川県相模原市麻溝台2-3-28
Tel:042-701-8050  Fax:042-701-8051
http://tomoni.or.jp/index.php

「きらら」は43名が働く知的障がい者のための施設です。2004年4月に始まったばかりの、ピカピカの3階建ての建物で、ポーチやマスコットなどの布製品作り、製菓、販売活動など、障がいが重くても働く喜びや充実感が持てるよう、幅広い活動を行っています。

平飼いの有精卵や国産のこだわりの材料を使用して作ったケーキです。

この「コーヒーのケーキ」は、無農薬のネパールコーヒーと、国産で平飼いの有精卵や南部地粉、洗双糖、よつ葉バターなど、一つひとつ厳選された安全で安心な材料を使って作られています。添加物は一切使用していません。コーヒーの風味を出すのは想像以上の難しさで、試行錯誤をしながらようやく満足のいくレシピが出来あがりました。また、卵黄と卵白を分けてしっかりと泡立てるなど、じっくりと手をかけ、丹念に焼き上げています。
温め直して、生クリームを添えると、さらにおいしく召し上がっていただけます。生クリームにコーヒーリキュールを加えると、よりコーヒーの風味が引き立ち、お客様へのおもてなしにもおすすめです。


名越恵子

お菓子研究家。自宅でケーキ教室を開き、2005年度から神奈川県横浜市の市民講師として、子どもたちに「母の日」「父の日」のお菓子作りを教えている。「街中には何でも揃っている便利な世の中。そんな中で、卵、砂糖、小麦粉など安全な食材を使い、お菓子を作る楽しさ、出来あがった時のうれしさ。そして、家族、友人たちと食べる時の幸せ・・・。また、お菓子の由来、歴史などを伝えていけたらと思っています。ネパリ・バザーロの商品は、安全で美味しい!そして、フェアトレードというコンセプトに共感しています。ネパールのコーヒー、シナモンなどを使うことにより、お互いに豊かになれたらと思っています」


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