ネパリ・バザーロがゆく
教育の現場にフェアトレードを伝える・・・の巻

ネパリ・バザーロは、ネパールの生産者を連れて地域の学校でお話会をしたり、高校生たちと一緒にネパールの紅茶農園の子どもたちの学費支援をするなど、学生との関わりを大切にしています。代表の土屋春代が中学生の時に、当時ネパールで医療ボランティアをしていた岩村昇医師のお話を聞き、日本とネパールとのあまりに大きな違いを知り、ショックを受けたことがきっかけで現在の活動に至っているからでもあります。若い時に受ける影響は大きく、様々な分野の、できるだけ多くの人に出会ってほしいとの想いがあります。そんな中、かながわ女性センター企画の中高生へのセミナーと、先生方への講座依頼があり、土屋春代がお話をさせていただきました。

講座で話をする土屋。

2006年7月27日、神奈川県立清水高校で、地域の中高生を対象に、中高生チャレンジ支援セミナーが行われました。
 セミナーでは、学校を建てることを目標に始めた活動から、現地の厳しい状況を知り、収入を得るための仕事づくりを始めたことや、ネパールで活動した日本人の話などを通して、「人を守り育む仕事、緑を育て環境を守る仕事を、将来選んでほしい。破壊の仕事はしないでほしい」と話をし、「自分たちが愛され、守られ育てられていることを知ってほしい」と伝えました。学生の感想には、「自分も人の役に立てる仕事に就きたい」「豊かな国は貧しい国に目を向けていない」など貧困問題の解決へ目を向けたものが多くありました。

夏休みの大清水高校に話を聞きに集まった中高生。

8月4日には、神奈川県総合教育センターで、神奈川県内の先生方を対象に、多様なキャリア形式支援教育研修講座が行われました。

 講座の参加者は9割が女性で、フェアトレードを知っている人も7割を超えました。ネパールではただでさえ仕事が少ない中、女性が仕事に就けることがまれで、収入を得るようになった女性が、自信を持ち、内側から輝いて、家族の中での立場も改善されていくことを具体的なエピソードを交えお話しました。「フェアトレードは個人が関わり活動できる国際協力」「職を得ることで自信を持ち変わっていくところは日本でも同じ」など、多様な感想がありました。


教育センターで講座を受ける神奈川県内の教諭。

 主催した、かながわ女性センターでは、昨年まで女子学生を対象に起業家養成のためのセミナーなどを実施していました。今年は、男性も関わり共に変わっていくことが重要との認識から、男子学生も対象にし、NGOや国際協力分野への注目度が高まる現状に対応するため、フェアトレード団体であるネパリ・バザーロに講師を依頼し、実施しました。企画をされた、かながわ女性センターの芳賀真理さんは、「男女共同参画社会の実現のためにも、ネパールの女性の置かれている状況や、女性起業家の土屋さんの話から、いろいろな分野でがんばっている女性の姿を見て、女性の働き方を考え直してみる機会にしてほしい」とおっしゃっていました。
 7割以上の先生方がフェアトレードを知っている現状や、セミナー後に自分の学校にも話しに来てほしいと言う学生など、教育の現場でのフェアトレードへの関心の高まりを感じたセミナー、講座でした。 


企画された、かながわ女性センターの芳賀さん(中央)と、
  芳賀さんにネパリを紹介して頂いた、同センターの高野さん(左)。


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