美味しくヘルシーなスパイスがいっぱい

スパイスのお話

スパイスやハーブの多くは熱帯地域原産です。15世紀頃、ポルトガル、スペイン、オランダなどのヨーロッパの国々はスパイスを求めて南の国々を植民地化していきました。アジアのスパイスをヨーロッパまで運ぶには2年ほどかかったので、胡椒は金と同等の価格で売買されましたし、当時のカルダモンは10gで奴隷一人と交換するほど大変高価なものでした。日本は、新鮮な魚を食べることができたので、防腐作用のあるスパイスは広がりませんでした。それでも、ナツメグやチリの種が正倉院に残されており、それが日本最古のものと考えられています。
キムチが有名な韓国も16世紀以前に唐辛子はありませんでした。ポルトガルが日本に伝え、日本から韓国に伝わったと云われています。
(田代智子さん談)

田代智子

短期大学家政科食物課程卒。調理師専門学校卒業後、家電メーカー電子レンジ事業部調理開発室で商品開発と料理本作製に携わる。退社後、料理学校でフランス、イタリアなどのヨーロッパの料理を学ぶ。3年間シンガポール、香港で生活した際には、各国のシェフから東南アジア料理を習う。帰国後、カルチャー教室『アトリエレモングラス』主宰し、料理などを教えている。


ネパリ・バザーロ料理教室

旅するスパイス〜ヨーロッパ編〜

ネパリ・バザーロ(以下ネパリ)でお馴染みのイベントに「料理教室」があります。ネパリで扱っているスパイスやコーヒー、紅茶などの食品をご紹介するために1998年から年2、3回の頻度で行ってきました。メニューは、ネパリのスパイスの生産者団体SHS(16頁参照)のシターラさんを始め、ネパールの方々から教えていただいたネパール料理を中心に、スパイスの美味しさを活かしたアレンジ料理もご紹介しています。参加者は、近隣の方だけでなく、他県からわざわざ来てくださる方やネパリのスパイスを扱ってくださっているお店の方も増えてきました。ネパリの活動やフェアトレードを知らず「ただ料理が好きで」という方も多いのですが、美味しいスパイス料理を自分の手で作り、食後の活動紹介でネパールの生産者の様子を聞くことで、料理だけでなくネパールの現状や国際協力にも興味を持ってくださるのは嬉しいことです。また、参加者同士で仲良くなったり、地域に暮らす者同士が集まって活動をする楽しさを見出したりと、主催するネパリのスタッフやボランティアも元気をもらえる、楽しみな催しです。

通常はネパリのスタッフがレシピをご紹介していますが、2006年7月2日(日)の料理教室では、料理研究家の田代智子さんにオリジナル料理を紹介していただきました。田代さんはネパリのスパイスを使った料理をすでにいくつも提案してくださっています。いつもはアジア色の濃い私たちの料理教室ですが、雰囲気を変えて、ヨーロッパ風のスパイス料理を教えていただきました。
メニューは、生クリームでマイルドに仕上げた「フレンチカレー」と「バターライス」、野菜の旨味が引き立つ「カレー風味のラタトゥイユ」、スパイスをまぶしてグリルした「鶏のディアボラ(悪魔風)」、フルーツとアイスクリームに黒胡椒という意外な組み合わせの「胡椒風味のマチュドニア」、ガラムマサラとシナモンを加えた「マサラティー」。どの料理も、洗練された感動の味わいでした。



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