ネパール・デイ2006

地球市民かながわプラザ(あ〜すぷらざ)で、恒例となったネパール・デイを10月15日、全館あげて開催しました。写真展やネパールダンス教室、サリー着付教室、パンチャ・ラマさんのコンサートなど盛りだくさん。館内のレストランではネパリ・バザーロ(以下ネパリ)のスパイスを使った特別メニューのキーマカレーが、昼過ぎには完売となりました!
 ネパリは、多くの方が楽しみながら国際状況を知り、フェアトレードの必要性を理解していただけるよう、「新・貿易ゲームと生産者のお話」「ミニハンガーバンケット」「フェルトワークショップ」などいくつものワークショップを開催しました。遠方からも多くの方が参加されました。
 新・貿易ゲームは小学生を含む43名が参加し、盛り上がりました。道具や材料に恵まれないグループに当たった人は特に、「働きたくても働けない、技術があっても活かせないもどかしさ」「頑張ってもお金にならない辛さ」などの感想を述べ、世界の不平等が当人の努力だけでは解決できないことを皆実感できたようでした。
 ゲームの後は、ネパリが研修のため日本に招いた生産者ベティさんとクリシュナさん(50頁参照)からお話を聞きました。ベティさんからは、女性が仕事を持ち経済的に自立する大切さを、クリシュナさんからは、ネパールの未来のために、若い自分たちの世代が頑張りたいという想いが語られました。
 ミニハンガーバンケットでは、参加者を世界の貧富の割合に合わせて、2名の富裕層、10名の中間層、3名の貧困層に分け、それぞれ異なる食事を配りました。それぞれの立場で、優越感や惨めさなど、本や映像からは得られない「感情」を体験する機会となりました。「粗末な食事を食べる時よりも、富裕層から食べ残しのような皿を恵まれた時の方が『貧しさ』を感じた」「切なく悔しく、怒りすら沸いた」という貧困層の感想が印象的でした。
 フェルトワークショップでは、ネパリのフェルト製品の生産者団体「ミランガーメント」のクリシュナさんと共にフェルトのコースターを作りました。温かみ溢れるカラフルなフェルト作りが、予想外に力と根気がいる作業だということに驚きながら、皆で作品を見せ合って楽しい時間を過ごしました。
 この1日のイベントでお伝えできたことは、ネパールの現状や私たちの活動のほんのひとかけらに過ぎませんが、参加された一人ひとりが、様々な想いを胸に帰路につかれました。友人や家族と話題にすることで、「想い」の輪を広げていただけることを願っています。

ハンガーバンケット
世界の飢餓や貧富の差を疑似体験して、自分にできることを考えるきっかけにしてもらう「飢餓の宴」。実際の世界の比率に合わせた富裕層・中間層・貧困層に分かれ、それに応じた食事と対応を体験する。
貧困層が爆発的に増えていっている現実の世界で、何が起ころうとしているのか。私たちは何をすべきなのでしょうか。
    

新・貿易ゲーム
左から、ネパリ・バザーロ代表土屋、ベティさん、クリシュナさん。
「貿易」を中心に、世界経済の動きを擬似体験することによって、そこに存在するさまざまな問題について学び、その解決の道について考えるシミュレーションゲーム。各グループに配られた紙と道具を使って指定された形に切り、マーケットで換金する。配られるものはグループごとに異なり、公平ではない。今回は、フェアトレードオプションを加えた。
ネパールの生産者からの生の声に、会場からたくさんの質問が寄せられました。

フェルトワークショップ
ふわふわの原毛からコースター作りを体験。
フェルトのワークショップでは、ネパリのフェルトパースを2年も愛用してくださっている方も参加されていました。



戻り