大人気の手彫りのスタンプ
今年で16年目の長いお付き合い
スタンプ職人シディマンさん


タイムスリップをしたような古い町並みが、首都カトマンズの中心、ダルバール広場にあります。その町並みの裏手に、スタンプ職人シディマンさんのお宅があります。
 ネパリ・バザーロがシディマンさんと出会ったのは15年前。それ以来、数ヶ月に一度のネパール出張では必ずシディマンさんのお宅を訪ねます。ネワール族特有の伝統的な家が立ち並ぶ、まがりくねった細い路地を行くと、シディマンさんのお宅に到着します。暗くて、頭も肩もぶつかってしまいそうなほど狭い、はしごのような階段を上がると、わずか2畳ほどのシディマンさんの仕事部屋があります。
 お付き合いを始めた頃は仕事部屋に照明が無く、日が暮れた後や、天気の悪い日はあまり長い時間スタンプを彫ることはできませんでした。狭い窓から差し込む光だけが頼りだったのですが、蛍光灯が一つ、そして手元にも一つ、さらに背中側にも一つ、と年々少しずつ改善されているのが分かります。また、電話も引けるようになりました。
 スタンプを彫る道具は、シディマンさんが自分で作ります。細かい図柄、細い線や太く力強い線、様々な図案にあわせて、数十種類のノミや刀があります。由緒ある道具に見えましたが、よく見ると、どこかで見たことがあります。それは、何と傘の骨や自転車の車輪のスポークを自分で加工して作り上げた道具でした。木切れを木槌の代わりにして、器用に彫っていきます。簡単な図柄で一日7個〜10個、難しいものになると一日5個が限度の細かい仕事です。
 最近は、新しいスタンプの柄がお客様に大変好評で、有り難いことにご注文も多く、シディマンさんの収入も上がってきています。一つひとつ手作りなので、一度にたくさんの数は作れませんが、継続的にオーダーがあるので、安心して生活ができると、シディマンさんは言います。私たちネパリ・バザーロのオーダーしかないシディマンさんにとって、このスタンプの仕事はとても貴重なものなのです。


暗いところで細かい作業をしているので、
最近目が悪くなってきたシディマンさん。
仕事中は、めがねをかけています。


年に数回のネパール出張の時は
必ずシディマンさんのお宅を訪ねます。
出会った頃はまだ赤ちゃんだった
子どもたちもずいぶん大きくなりました。。


昨年撮った写真と比べると、
一年一年成長していることが分かります。



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