ネパールのこぼれ話
生活の一場面、ドコとナムロ
文・写真 土屋裕美



 ネパールでは、物を担ぐ時に、「ドコ」というかごと「ナムロ」という輪になった紐を使います。
大きいものでなければドコに入れて、そのドコにナムロをかけて頭と背中でバランスを取りながら背負います。
ネパールの人たちは、その日飲むための水や、重いレンガなど、なんでも頭から下げて運びます。
ドコを使って、40キロくらいの荷物を女の人でも運んでいきます。
ヤギ用の草や、建築用の木、砂袋などの大きいものを運ぶ時は、ナムロを荷物と自分の頭に引っかけて使います。
とても重いので、ゆっくりゆっくり運んでいきます。
頭を動かせず、前方や足元が見にくい状態でも、バランスよく山道を歩くネパールの人たち。
小さい頃から覚えている道とはいっても険しい山道を上り下りするのはとても重労働です。
 村だけでなくカトマンズのような大都市でも、タンスなどの大きな家具を背負って人ごみや車の間を縫って歩く姿をよく見かけます。
生活に必要なものを運ぶため、ネパールでは欠かせない道具です。



小さな男の子がドコを担ぐところでした。
重そうだったので持ち上げるのを手伝おうとしたら泣き出してしまいました。ごめんなさい。



ネパリ・バザーロの紅茶の生産者。紅茶の茶葉を手で摘んだ後、ドコに入れて集めます。



これはヤギ用の草を運んでいるところ。
一度にたくさんの草を運ぶため、後ろから見ると、草の壁が歩いているようにも見えます。


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