大阪・京都のお店紹介

どこで暮らしても幸せに、どこで働いても楽しく、
それがフェアトレード!
あいね(INE)谷町九丁目店


写真左から、店主の原いね子さん、
スタッフの西峰千里さん。
「稲は日本人にとって主食です。食べるということは生きることと同じです。
それで『あいね』という店名にしました」と原さん。


店主:原いね子
〒543-0071 大阪府大阪市天王寺区生玉町1-32
Tel:06-6770-2312 Fax:06-6770-2308
Open:10:00〜19:00 定休:木曜
http://www.i-ne.net/

 地下鉄谷町9丁目駅の出口を出ると、目の前に「あいね」はあります。木の香りが漂う店内は、かわいい、美味しい、気持ちいい、楽しいものでいっぱいです。手作りの良さ、天然素材の気持ち良さが活かされたフェアトレード商品や、環境に優しい雑貨などが所狭しと並べられています。床はひの木の間伐材で、外壁には柿渋が塗られていて、店主の原いね子さんのこだわりが随所に見られます。
 原さんは、2000年に「あいね」をオープンしました。「フェアトレードの考え方が、自分の好きなことや暮らし方と重なり合い、お店を始めました。それから7年経ちますが、私自身も楽しくお店を続けています。そして、訪れてくださったお客様にも、心から楽しんで頂きたいと思っています。フェアトレードとは、どこで誰の子どもとして生まれても絶望や悲惨ではなく、希望と未来があるように、広く支えあって暮らしていく方法の一つだと思います。人と人は直接会うことで心が通い合い、真のフェアトレードが自分の体にしみてくると思うので、毎年現地にでかけて多くの生産者を訪問しています」
 原さんとお話をしていると、自分の暮らしの中で、身近にできるところからやってみよう、という気持ちになります。
 「あいね」では、お客様が楽しみながら参加して頂けるように、ワークショップやイベントを開催したり、生産者訪問のお話をしたり、いつも様々な企画をたてています。エコロジーコーナーは、布ナプキンについても気軽に話ができる雰囲気になっています。奥のカフェスペースでは、フェアトレードでオーガニックのコーヒーや紅茶が楽しめます。原さんやスタッフの方々は親しみやすく、軽快なおしゃべりも魅力です。ぜひ一度、訪れてみてください。


自分の世界を紡ぐ店
クラフトカフェ イーハ


店主の新田千恵子さん。
お買い物からお食事まで、
たっぷり楽しめる店内です。

 
店主:新田千恵子
〒567-0827 大阪府茨木市稲葉町1-12
Tel&Fax:072-637-0720
Open:11:00〜19:00 定休:月曜

 若い人からお年寄り、様々な職業や生き方の人々が集まり、エネルギーを発している「イーハ」は、今から11年前にオープンしました。初代店主が、フィリピン・ネグロス島の無農薬バナナを共同購入し農民の自立を支援する「ハロハロの会」を立ち上げ、人が集まり、情報を発信する場所として「カフェ ハロハロ」をオープンしました。その2年後、店主が府会議員となり、お店を任されたのが現店主の新田千恵子さんです。新田さんはギャラリー、カフェ、フェアトレードショップとしてお店を運営してきました。「イーハ」はイーハトーヴのイーハ、良い葉、良い波動、スペイン語では「私の娘」という意味もあります。
 制約の多い自然食の店は自分の性に合わないという新田さんが薦めるのは「捨てない料理」。大人を中心に「食育」をしていきたいと、ランチには主に野菜を使った家庭料理が並びます。週末のイベントで宮澤賢治の朗読会を開いたり、日常的にもさき織り体験ができたり、似顔絵の先生が奥のスペースで黙々と似顔絵を描いていたり、常連のお客様はみんな自分の場所でいろいろなことをしています。それぞれが勝手をできて、それがとっても心地よく、人と人がいつの間にかつながっていきます。一人ひとりがほっておかれているようで、実はすごく大事にされているような不思議な、濃い空間です。


出会い・癒し・ぬくもりを大切に・・・
フェアトレードショップ accha(アチャ)


写真左から3人目が店主の阿字地千佳子さん。
「accha」とは、ヒンディー語で「良い」
「ありがとう」という意味だそうです。


店主:阿字地千佳子
〒530-0041
大阪府大阪市北区天神橋3-2-20
Tel&Fax:06-6357-7739 
Open:10:00〜19:00 定休:日曜
ft-accha@fork.ocn.ne.jp
http://ftaccha.blog38.fc2.com/

 「アチャ」は日本で一番長い商店街、大阪の天神橋筋商店街を少し脇に入った小道にあります。店主の阿字地千佳子さんは、中小業者の組合事務所で、不利な立場に立たされ、経営上様々な問題を抱える小規模事業者の事業と暮らしを守る仕事を36年間してきました。活動を通して、効率優先、弱肉強食の社会で、弱い者が粗末に扱われる様々な現状に出くわし、言葉で言い尽くせない憤りを感じたそうです。その中で、小さな生産者の生き方をはじめ、華やかな有名ブランドの生産現場で苦しむ人々や貧困の背景を学び、フェアトレードに出会いました。退職後「小さい生産者を大切に」「女性の自立・地位向上」「平和・環境を守る」「貧困をなくす」という4つのキーワードを探求する仕事、やりがいのある最後の仕事として、フェアトレードのお店をオープンしました。店内にはびっしりとフェアトレード商品が並び、阿字地さんが一つひとつ商品について熱く語られます。
 2005年12月にオープンして以来、ボランティア、サポーター、お客様がつながって、新しいお客様、支援者が徐々に増えているそうです。この輪をさらに大きくしながら、原点である4つのキーワードをみんなで探求していきたい。そのためにも、地域のフェアトレードセンター、コミュニティーセンターとして、誰もが気軽に立ち寄り、話し合えるお店にしていきたいと語る阿字地さん。小さな体全体からパワーが満ち溢れているのが感じられ、元気をもらえるお店です。


ナチュラル雑貨・クラフト・ギャラリー
いるふ。


店主の宮本佳緒里さん。
素敵なディスプレイで、
雰囲気のある店内です。


店主:宮本佳緒里
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4-9-2西天満ビル1F112号室
Tel&Fax:06-6362-2517 
Open:11:30〜19:00 定休:月、日曜、祝日

 目先の利益やお金を優先することで、何か大事なものが押しやられていくことに疑問を感じていた店主の宮本さんは、いろいろなお店の方に、お金では買えないその人の心や商品に対する愛情をみせてもらい、とても幸せな気分にしていただいたので、自分もそれができるきっかけになればと思い、お店を始められたそうです。自然食品関係のアルバイト先で知ったフェアトレードは、作る人、売る人、買う人がお金の流れだけでなく気持ちもフェアなところが気に入って、商品を置いています。その他にも気持ちの良い流れのものが誰かの心に届くようにと、宮本さんが様々なつながりで出会った商品が並んでいます。衣類はヘンプを中心にネパリ・バザーロの手織り、草木染め。作家さんの焼き物やアクセサリー、地域作業所で作られた木のボタンなど、どれもこれも手作りのあたたかさがいっぱいです。ネパリの物は質が良く、奥深い物語のあるところが、お客様に人気だそうです。宮本さんご自身も古布を使ってバッグなどを作り、販売しています。パッチワークされた布の一つひとつを丁寧に説明してくださる宮本さんからは、本当に布が大好きということが伝わってきます。そんなお話を伺って店内をあらためて見渡すと、お店の中がまるで商品のパッチワークのように見えてきます。
 「いるふ。」という店名は「古い」を逆から読んだもので、古いものを新しく紹介したいという想いが込められています。人工的なものをたくさん投入した土壌よりも、できるだけ何もせず、でも愛情はたくさん込めた自然な農法が実は一番力強かったり、いろいろと化粧品をつけて悪循環をおこすより、落としすぎず、何もつけない方が肌に良かったり、自然の力、人間の本来の力を大事にしたいという宮本さん。日々の暮らしを大事にしながら、様々な事、もの、人、自然などのつながりを感じるお店にしていきたいと思っています。


出会いといこいのフリースペース・ハートメードギャラリー
めぐみホーム


写真右から所長の多芸さん、廣野さん、
ネパリ代表・土屋。京都にいらしたら
是非お立ち寄りください。


所長:多芸正之
〒612-8089
京都府京都市伏見区銀座町1丁目360
Tel:075-612-0364
Open:11:00〜17:00 定休:日、月、木曜
megumiho@hera.eonet.ne.jp

 場所は近鉄伏見桃山駅の駅前商店街。入って直ぐの横道を右に曲がると看板が見えます。便利な場所で広い空間。さぞ家賃が高いだろうと思っていたら、ホーム所長の多芸正之さんの実家だったと伺い納得しました。20年近く前、障がいのある人の居場所づくりとして、多芸さんはホームを建設しました。障がいの有無や違いによって人を分けたくない、誰でも集えるようにしようと云う想いは行政の施策からはみだし、自己資金で運営せざるを得ませんでした。資金を集める目的もあり、様々な福祉作業所の製品を販売する店をも兼ねるようになりました。ところが却って持ち出しになるばかりで販売の難しさを痛感。当初から関わるスタッフの廣野智子さんは作る人に惜しみない協力をしながらも、商品として優れたものでなければ売れないことを知って欲しいと、時には厳しいアドバイスもされました。その甲斐あって「さをり織り」のおしゃれな服がたくさん生まれ、売れ行きも好調でした。更に、障がいを乗り越えて一心に織る姿に、服を作った後に残る布も、どんな小さな端切れも、端糸も捨てられないと言う施設職員の言葉に、溜めてあった布片を預かり小物を作って販売もしました。作品にめぐみホームの気持ちも添えたいと、ラッピングやのし書にも心を込めました。
 ところがここ数年、福祉制度が変わり、補助額が減り運営が厳しくなった施設は職員を減らし、作業内容を見直し「さをり織り」を止めてしまいました。多くの人に喜ばれ、お店の顔にもなっていた個性的でおしゃれな服が姿を消し、多芸さんも廣野さんも悔しく淋しい想いで店の閉鎖も考えました。人に喜ばれることで仕事に誇りを感じ、生きがいにもなっていた障がい者の皆さんの落胆も大きいものでした。そんな時、横浜に住む娘さんを訪ねた廣野さんは、偶然ネパリ・バザーロを知り、その服や商品、活動に共感しました。障がい者への想いがネパリの生産者や活動と重なりました。「これだ!」廣野さんは興奮しながら、多芸さんに電話でネパリとの出会いを伝えたそうです。
 伺ったお店はネパリの服が野の草花と共に美しく飾られ、優しく癒される素敵な空間でした。作った人と使う人をつなぐ熱い想いに深く共感し、いつか「さをり」の商品がここに復活する日を一緒に待ちたいと強く思いました。 

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