生産者紹介
ラクシュミさん


ラクシュミ・プトワルさん(24歳)
草木染めの生産者団体「マヌシ」で働いています。この日は、カラシとオリーブ色の布を染めていました。


ラクシュミさんは、首都カトマンズ郊外のハルチョーク村で育ちました。貧しく荒み、女性が家の外に出て働くなどということは考えられない因習的な村でした。10歳の頃、村の男性たちの反対を押し切って行なわれた、マヌシの縫製トレーニングを受けました。修了後マヌシで働き始めるようになり、絞りと染色を担当しています。水を吸って重い布を休まずかき混ぜ、何度も絞らなければならない草木染めは、想像以上に力のいる仕事ですが、ラクシュミさんはいつも笑顔でみんなをまとめています。
 2年前に結婚し、出産もしましたが、夫の協力を得て、今でも仕事を続けています。まだ幼い頃からラクシュミさんを知っているマヌシ代表のパドマサナさんや、実際に村に通って指導していたアニタさんは、ラクシュミさんの成長ぶりを誰よりもうれしく、頼もしく思っています。


一針一針、絞りの模様を手縫いで入れているラクシュミさん。
3年前は、まだあどけなさが残っていました。
(verda vol.10より)

マヌシ manushi
マヌシは1991年に設立されたNGOで、主に絞り染めの製品を生産・販売しています。代表のパドマサナ・サキャさんは、女性問題を調査するNGOの役員を務めた経験から、あらゆる問題の背景に貧困が大きく影響していることを実感し、女性たちの仕事創りのためにマヌシの発足を思い立ちました。発足後にまず、両親の収入がなく、学校を続けられない少女たち15人を集めてトレーニングを始めました。自立して仕事ができるように、手工芸の技術だけでなく、経営やマネージメント、マーケティングも教え、中にはお店をもつ女性も出ました。その後、別の地域の15人の少女たちにも服の裁断、縫製指導を始め、今は様々な地域でそうしたプロジェクトを行っています。


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