福祉プログラムレポート
〜ビシュヌ・ホーム〜
  




      ビシュヌさんは14歳の頃から、ストリートで暮らす子どもたちや売春せざるを得ない少女たちの現状に心を痛め、
      自分にできることはないかと悩み、学校卒業後、身寄りのない子どもたちを引き取り、小さな部屋で家族同様に
      暮らし始めました。その後ムナさんと結婚し、子どもたちの数は増えていきましたが、生活は厳しく、
      教科書を買うのも厳しい状況でした。知人の紹介で土屋春代が訪れ、ビシュヌさんの誠実な人柄と活動に共感し、
      ネパリ・バザーロ設立後も継続して、毎月の生活費に加え、入院費や義足代、家庭教師代や水道敷設代などの支援を
      してきました。

      18年間ずっとお付き合いを続け、現在は毎月25,000ルピー(約4万円)の支援をしています。
      物価高騰を考えると十分ではありませんが、「定期的なサポートは何よりも心強い」とビシュヌさんは言います。
      現在は55人の子どもたちが暮らしています。どんな時でも、子どもたちの食事だけはしっかりとれるように
      しています。毎週300キロの豆、120キロの米、15キロのチキン、50キロの砂糖とたくさんの野菜を買っています。
      生後わずか数日で引き取られ、衰弱のあまり1週間ももたないと医師に言われた男の子が、今は14歳にもなり、
      ちょっと太っていて、とてもうれしくなりました。皆食欲旺盛で、食事の時間はとても賑やかです。

      また、最低でも10年生(高卒程度)までの教育を、皆に受けさせていることがビシュヌさんたちの誇りです。
      試験前は、上級生が下級生に勉強を教えています。学校の他にも薬代や文房具代などにお金がかかり、
      物価がどんどん上がっているのでやりくりは大変だと思いますが、お金は全て子どもたちのために使っています。

      ビシュヌさんがこれまでサポートしてきた約100人の子どもたちの内、7人は結婚し、カトマンズ、パタン、ポカラ、
      チトワンなどに移り住み、今度は彼らが子どもたちをサポートするホームを開いているそうです。
      ビシュヌさんは、生きているうちにネパール全土にホームを開き、500人の子どもたちをサポートすることが
      夢だそうです。「ネパリ・バザーロの継続的な支援がなければ、ここまでくることはできなかった、
      とても感謝していると日本の皆様にお伝えください」と笑顔で語っていました。



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