
綿などの素材を栽培する農家、糸を紡ぐ人、布を織る人、染める人、縫製をする人、たくさんの仕事を生み出す服作り。 ネパリ・バザーロは、手仕事の良さを活かした服を作るため、より風合いのある布を織りたいと思い、 染織作家の方をネパールにお連れし、現地で技術指導をしてもらいました。 特に「コットンクラフト」では、意欲的で向上心のある代表サラダさんのもと、レース織りや桃山織り、綾織りなど、 新しい布が次々と生まれました。 現在は5人の方が織りの仕事をしています。コットンクラフトの仕事は、私たちの注文がほぼ全てなので、 常に5人の仕事を絶やさないように、どのような布を織って、どのようなデザインの服を作るか、 というところから商品開発をスタートします。少しでも仕事を切らしてしまうと、彼女たちの収入が減ってしまうからです。 そして、布地と服のデザインが決まったら、どのデザインを何枚くらい注文するか、そのためには布がどれくらい必要で、 織糸はどのくらい必要か、細部にわたり打合せをします。全て手作業なので作るのに時間がかかることと、無駄に作らないためです。 時として、売れ行きが予想と違って布が余ってしまうこともありますが、その布は必ず別のデザインに生まれかわります。 「まだまだ織れるわよ!!」と言っているかのように、リズムに合わせて軽快に織る姿を見ると、それがプレッシャーでもあり、 新しいことを考える意欲にもつながります。 今回、織りの仕事を飛躍的に伸ばし、安定させるためには、シンプルで使い勝手の良い布が必要と考え、 たて糸もよこ糸も同じ色の糸を使って綾織りの布を織ることにしました。 糸も細くしたので、織り上がった布は、温かみがあり、やわらかく、軽やかな布地となりました。 細い糸は、絡まったり、なかなか織り進まなかったりと、織り手にとっても最初は大変でしたが、すぐに習得し、 織り上がったきれいな色合いの布地がうれしくて仕方ない様子でした。 手持ちの服とも合わせやすく、オフィスにも着られるレモングラスのデザインや、 風合いを活かしたセージのデザインに取り入れました。 また、品質も良いので、ヤング・ワオやマハグティなどにも布を提供し、それぞれの団体の特徴を活かした服を作ることができました。 ぜひ一度、身にまとってみてください。
例えば、ピンタック。最初は仕事がないときのため、時間があいたら布にピンタックをかけておくようにお願いし、 注文がきたら服に仕立てられるようにしていました。 日本のマーケットに合わせてしまうと、仕事がある時とない時、収入がある時とない時の差ができてしまうからです。 その後、年間を通じて一定量の注文が出せるようになったのですが、難しいデザインの服も増えたため、 技術の差に応じた仕事を絶やさないように、カタログでは必ずピンタックのデザインを出すようにしています。 また「ウールンガーデン」でも、以前は季節商品のウールのニットのみでしたが、一年間仕事が継続できるようにと、 コットンニットにも挑戦をし、デザインを増やしてきました。 最初は「難しい!」と言っていたニッターの方々も、一年間安心して暮らせるようになったと言っています。

工房には、「カシャン、カシャン」という気持ちのよい音が響き渡り、全身を使って布を織っています。 同じように見えても、耳を澄ましてみると、一人ひとり微妙に音が違い、同じ人でも、その時々のちょっとした手加減で、 織り上がった布の表情は微妙に異なります。少し織っては、糸の調子を整えたり、機の感触を確かめながら織り進んでいます。 機には、織り手の身長や体格、また織る布によって、使いやすいように組み替えられた跡がたくさん残っています。 織りをしているのは、「マハラジャン」という農耕のカーストの方々が多く、昔から生活の一部に織りがあり、 機と共に成長してきたことを感じます。
