福祉プログラムレポート
〜カンチャンジャンガ紅茶農園の
子どもたちへの奨学金支援を続けて〜
  


   2002年春より紅茶農園の子どもたちに奨学金支援を始めて、8年目になりました。当時高校1年生だった県立神奈川総合高校
  「ワンコインコンサート」のメンバーが、3年目になる国際協力を目的としたコンサートの収益金が、どこでどのように使われて
  いるのか責任を持って関わりたい、顔の見える支援に使いたいと強く思い、その支援先を探していたときに、ネパリ・バザーロ
  との出会いがありました。
   
   私たちも、仕事の機会が増え、フェアトレードによって確実に生活は向上しても、一世帯の子どもの数も多く、まだまだ学校に
  行けない紅茶農園の子どもたちに何とか教育の機会を創りたいと考えていたところでした。そこで、ワンコインコンサートの収益
  金に、紅茶農園の福祉資金、ネパリ・バザーロのサポート会費を資源とした福祉資金を合わせて子どもたちに奨学金を出すという、
  フェアトレードを側面から支援する仕組みを創ることにしました。その一番の成果は、農園の子どもたち全員が学校へ通えるよう
  になったことです。ネパールの歴史上初めてのことで、約200名の子どもたちが学校に通い、10年生までの教育を受けることができ
  ています。

   さらに2007年からは、次の段階として、優秀で意欲があるものの、経済的に厳しく進学できない子どもたちへの専門教育支援も
  開始しました。ネパリ・バザーロのサポート会費や特定寄付を主な資源としています。医者や看護師、農業技術指導者を目指す
  彼らが、いずれ自分たちの故郷へ戻り、地域の人々のために活躍してくれることを願っています。

   フェアトレードによる仕事創りと奨学金支援を並行して進めてきたことが地域にもたらした影響はあまりにも大きく、これから
  も続けていかなければならないと思いました。
      
  


 
     写真左より、KTE事務所で会計を担当しているプラミタさんと、 品質管理、奨学金担当のタラさん。ワンコインコンサートの皆さんが、 紅茶農園の子どもたちにアルバムを作ってくれました。
  タラさん        私は農園近くの村出身です。最初に奨学金の話を聞いたとき、うれしくて声が出ませんでした。自分が事務責任者として役割を   果たせるのか不安もありましたが、完二さんと一緒に全ての学校を訪ねて、自信がつきました。それから7年間支援を継続し、   地域全体が活性化されてきたと思います。    以前、反政府勢力によって全ての工場が操業停止に追い込まれた時、紅茶農園だけは操業できました。   それは、私たちの活動が貧困改善に真に役立っていることを反政府勢力も認めたからだと思います。ここまでインパクトがある   とは思ってもいませんでした。先日、研修で日本に行った際に、ネパリ・バザーロの事務所でワンコインコンサートのメンバーに   初めて会いました。遠い日本の若者たちが熱心に活動していて、とてもうれしく思いました。たくさん話をしましたが、   日本の恵まれた生活の中で、ネパールの状況は想像できないことのようで、とても驚いていたのが印象的でした。   たくさんの子どもたちに教育の機会を創っているこの支援は、続けていかなければならないものだと思います。
タラさん来日の際、事務所にて。 ワンコインコンサートのメンバーとネパリ副代表丑久保完二(左端)と。
  ワンコインメンバーより    ワンコインのことが現地の子どもたちに伝わっているとタラさんから聞き、私たち高校生でもネパールと繋がることができるの   だと思いました!ワンコインコンサートを通して、ネパールの子どもたちがもっと笑顔になってほしいです。   また、この活動が私たちにとっても、良い経験になっています!
戻る