布ができるまで


@山から刈りだしたアローの繊維を干して乾かします。乾いたら今度は水へつけ2日間ほど置きます。充分に水を吸ったら小分けにして今度は4時間ほど煮込みます。このときたっぷりの灰を加え、布などで蓋をし、充分に熱が通るようにします。

A煮終わったものをまず良く洗います。木槌で叩きながら白くなるまで何度も洗います。再び水につけこみ、山から取ってきた粘性のある白い土を砕いたものを混ぜます。この土を混ぜた水につけこむと繊維に柔らかさが出るようです。ロープなどを作るときはこの行程は省略。

Bその水を充分に含んだまま干します。乾いてきたら石などにたたきつけるようにしてまぶした白い土を落としていきます。こうしてやっと紡ぐ前の段階、ザッキルマと呼ばれるものができあがります。

Cそしてスピニング(紡ぎ)。村の女性たちはいつでもどこでもスピニングを しています。歩いているときも、畑の途中でも、子どもをあやしながらでも…今回の訪問の記念に「さぁ、みんなで写真を」と集めてもその手は止まりません。一刻を無駄にせず働く姿には頭が下がります。

Dスピニングを終えて、糸ができあがり今度は織りに入ります。整経して織り機に糸を渡していきます。素朴な風合いのアローは織るときもあまりすべりがよくないので、一織り一織り力が必要です。機全体がきしむような音を立てながら体全体で織っていくその姿にも圧倒されました。

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