手編みのセーターは宝物〜ウールンガーデン WOOLEN GARDEN

 ウールンガーデンは、マティナさん(29歳)という女性が14年前に始めました。世界銀行が資金を出し、イギリスから専門家を招いて手編み技術の講習会を開いたときに指導を受け、その後仕事として取り組むようになりました。一緒に指導を受けた近所の女性たちにも仕事を依頼しながら続け、仕事が増えるにしたがって兄弟姉妹も手伝うようになり、役所を退職した父親も手伝うほどに発展しました。今では約140人の編み手を抱え、お店も首都カトマンズと、その近郊の町パタンに2店営業するまでになりました。
 編み手の女性たちは、それぞれの家で家事や育児の合間をぬって、仕事に取り組んでいます。多くの編み手にとって、貴重な収入源である仕事を絶やさないように、ウールンガーデンでは注文のあるときだけ仕事を頼むのではなく、年間を通じてオーダーを出し、収入が絶えないように気を配っています。
「私たちにとって、抱えている編み手の人たちは、ただの生産者ではなく大きな家族のようなもの。売れないシーズンは在庫を抱えて大変だけれど、ビジネスだけを考えるのでなく、みんなが幸せになれるようにしたいと思っています。」(マティナさん)

 Kumbeshwar Technical School クンベシュワール技術学校


 カトマンズ近郊の古都、パタンにあるクンベシュワール技術学校は、地域の低カースト出身の人や経済的に貧しい人たちに、編物、絨毯織り、木工技術のトレーニングを行っています。更に、技術を身につけた人たちの収入に繋がるように、トレーニング終了後は同校で雇用し、その製品を国内外へ販売しています。現在約200名の女性たちが、各分野で仕事を得ています。また、同校では保育園、小学校、孤児院を運営しており、製品を販売することによって、生産者の収入に繋がるだけでなく、地域に教育の場ももたらしています。

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