ネパールこぼれ話
2000年夏にネパールの生産者を訪問したボランティアメンバーが、心に残ったあれこれをご紹介します。

感激したこと
 木彫りスタンプのシディマンさんのご家庭にうかがったときのこと。最高の食べ物をごちそうになりました。ひとつひとつ、おいしそうに小皿に盛ってでてきたそれは、「目玉焼き」です。聞けば、目玉焼きはネパールではご馳走なのだということ。
 シディマンさんが今の仕事を始め、ネパリ・バザーロと知り合って、収入が安定したとのお話を伺いました。玉子って貴重なのかな、私たちの人数も少なくないのに・・・。とにかく、感激してありがたくいただきました。 今回訪問したどのご家庭でも、とびきりのおもてなしでした。各家庭の味があって、美味しくて・・・本当に嬉しかった。わたしにとっては、この目玉焼き、このおもてなしがいつまでも心に残ることとおもいます。 (栗)

美味しかったこと
 バクタプ−ルのヨ−グルトも美味しかったですよ−。何とか日本に持ち帰ろうと真剣に思った人、いました? (高)

こわかったこと

 ネパールには、「リクシャー」という人力車を自転車で引っ張っていくような乗り物があります。乗りました! さぁっ、風を切ってさっそうとカトマンズの街中を・・・。と思ったのもつかの間。そう。ここはカトマンズ。街中は人ごみ、道は穴ぼこだらけ。当然リクシャーはがたがた揺れる。もう、ない手すりを探し、必死にしがみついているしかありません。せっかく他のリクシャーに乗っている人を写真に撮ろうと思ったのに・・・。それどころではない。とにかくこわい。いつ振り落とされるか、いつ倒れるか、いつ壊れるか!?あ〜っ、前に大きくて深い穴ぼこが!!しかし、私の心配をよそにリクシャーは無事目的地へ。こわくて楽しい、リクシャーの経験でした。 (栗)

心に残ったこと
 「アメリカ、イギリス、日本、ネパ−ル・・どの国でも女性問題は同じです。」 ウ−マンクラフトのシャンティさんの言葉です。(高)

 
ネパールを訪れて 恵口幸枝

 私は、フェアトレードの目指す方向として、「生産者にとっての市場は、地元(国内やその周辺地域)を広げることがいいのか、海外に力を入れるのがいいのか」ということに関心を持ってきました。まだこの結論は出ていませんが、今夏ジャナカプールのJACのアジツさん注)にお会いして、「それまでの絶対に市場は地元」という考えより、もう少し幅広く考えられるようになりました。
 彼は村の女性たちにミティラアートや刺繍の技術を教えていたので、その女性たちのところへ連れていってもらいました。その訪問を通じて、生産者にとって重要な市場は「海外か国内か」という単純な議論ではなく、「相互に信用した関係を築くことで、継続性ある取引が行えるか」という視点でみる必要があると彼は考えていることを感じました。
また、彼は次々に彼女たちの作品を見せてくれましたが、その種類の多さに、その創造力のすごさに圧倒されるほどでした。
 私は以前、「伝統や文化を守る」ことを勘違いしていたように思います。海外の消費者の好みに合った商品を作るようになると彼らの伝統文化を壊してしまうのではと思っていました。しかし、生活して行けてこそ伝統や文化、技術は受け継がれていく、海外で売れると思う商品のアイデアをだして伝統技術を活かしていく事はとても自然に思えました。その例を挙げれば、「お金がないから」と他の仕事のために出稼ぎに出れば、伝統技術なんてまったく使わなくなってしまいますから。

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