研究所と実業界の交流

研究所で行った研究結果は、その後どうなるのでしょう。本の出版などは一般の人への情報公開になります。ワークショップを行えば、新しい技術を伝えることができます。しかし、実際は費用不足の問題もあり実現は難しいようです。
 研究所と実業界との交流はどちらかの強いアピールがないと難しいといわれています。もし、実業界側が自社の開発と利益のためにだけ研究所を利用するとなると、それも問題です。
そのような中、トリブバン大学のラクシュミさんは絞り染めでマヌシに協力して実験とサンプル作りをしたり、WEANと情報交換をしています。
  最近は植物染料を使った製品の輸出も増え、実業界の染色技術レベルも向上する機会が増しています。化学薬品使用の危険性を極力除き、起伏に富んだネパールの地形から染色に適した植物の宝庫と言われる条件を活かすためにも、やはり研究所と実業界が協力し、もっと草木染めの研究が進むことが期待されています。

絞り染めの手順(TYING手法の例)
@下絵を描く

A糸で絞る(模様により、様々な方式があり。マヌシでは、6種類の方式にわけて模様をだします。)

B草木で染める

C仕上がり



染色の媒染剤と染め工程
(ラダ・クリシュナ・ダウバデルさんの工房から)
◆材料と媒染剤との比率
材料に対して1%-2%の媒染剤を使用。アルミニウムはよく使用する。銅は最小限に押さえている。

◆媒染剤としては、アルミニウム、鉄、銅、クロムを使用している。但し、クロムは環境にきついので、極力使用していない。消費者が鮮明な色を要求する場合だけ使用。

◆製作工程(例:アローの布地をグリーンに染める場合)
1)染める生地を入れる容器を2種類準備する。
2)1番目の釜に水を入れ、沸騰させる。
3)そこへ、媒染剤の鉄と、染める布地を入れる。
4)その後、1時間半煮る。
5)そこで煮た布地を取り出し、別に用意した沸騰したお湯の入った釜に、その布地と染料(黄色の植物染料と藍)を加え、再び1時間半煮る。

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