みんなで考えよう! 21世紀のあり方とフェアトレード


市場原理主義

経済のグローバル化

情報の不平等下での自由競争

貧富の拡大 →社会不安――――対応策?


 21世紀は多くの課題を私たちに提示しています。その中心課題は環境と貧困です。地球人口も現在の60億人から2050年には90億人になるといわれています。中国とインドだけでも世界人口の3分の1を占めるアジアという地域に住む私たちは、これまでの経済発展のあり方を考えなおさなければならないところにきています。
環境問題は身近な問題でもあり、常に問題意識を持たざるを得ませんが、貧困は海の向うの出来事ぐらいにしか意識されず、具体的で継続的な取組みが難しく、最も困難な課題は貧困問題だと思えます。
 そして昨年の9月11日のニューヨークでの出来事は、いつまでも手を拱いてはいられないという現実を教えてくれました。
 
 市場の自由競争原理は、人々に幸福をもたらすと信じられ、経済のグローバル化とともに世界は大きく急激に変化してきました。でも、貧富の格差は広がっています。それは何故でしょうか?
  
 この貧困層の拡大とあまりのギャップは、社会不安の要因を増大させています。その改善策として、今迄であれば、技術研修生の受入れ、技術移転等がなされてきました。これからは、更に新しい方策の導入も必要とされています。それは、オールタナティブな考え方、持続可能な開発です。厳しく地道な戦いでもありますが、フェアトレードというアプローチが今まで以上に必要とされています。

ネパリ・バザーロの調査・研究活動
1 生産者訪問
生産者との顔の見える関係は、フェアトレードの根幹です。製品の開発と生産者の生活状況、技術、可能性を知るためにも定期的に現地を訪問しています。
2 文化的背景の研究
伝統を生かし、かつ魅力のある商品作りのために、文化的背景を調べたり、必要により訪問して、情報を集めています。
3 換金作物の促進
遠隔地への貢献にはコーヒーのような換金作物が重要です。村人だけの努力には限界があるので、政府からの協力も得られるように働きかけもしています。
4 村の収入向上
立場の弱い女性たちの地位を改善するため新たな商品開発を試みています。
5 地域研究
地域のコミュニティーを尊重しながらフェアトレードを進めるために、人々の生活やその問題点をボランティアと共に広く調査研究し、収入向上の可能性を考えています。レプチャの絵本製作もそのひとつです。

「繁栄と持続」:フェアトレード
 「繁栄と持続」と題して、フェアトレードの役割と期待に関する記事がネパールの新聞、THE RISING NEPAL(1999年10月15日)に掲載されました。
 多くの援助がなされているにもかかわらず、なかなか生活は向上しない。特に、小生産者、小さな農民には行き届かない中、そのような点に着目しながら活動しているフェアトレードに焦点があたりました。

カンティプール(ネパール語最大手新聞)
2001年10月20日記事より
「日本へ輸出して4年、ネパール市場へも出回るグルミのコーヒー」と題して、ネパールでのコーヒー事情が掲載されました。一昨年の9月は、私たちへの直接インタビューがありました。今回は、グルミの共同組合の人々の働きにスポットを当てながらの紹介記事でした。この1年、多くの農家の収入向上に貢献したこと、その収穫物はネパリ・バザーロへ出荷されたこと、また、国内への市場創出努力もしていること、現状の課題、技術的バックアップは、GARDEPが協力してくれたこと、自分達の力でここまできたことは高く評価されていることが書かれています。

注)GARDEPは欧州共同体が、グルミ、アルガカンチの村人と子どもたちの生活向上のために計画、実施しているプロジェクトのことです。コーヒーの流通、マーケティングという難しい部分をネパリ・バザーロが担っています。

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