みんなで考えよう! フェアトレードどのような活動?



2002年3月9日に、BS1のNEXT STAGEの取材に協力した、「ここが知りたい:フェア トレード」の生番組がありました。
 フェアトレード入門としては参考になる点も多く、もっと多くの方々に紹介したか ったので、以下、そのポイントをまとめてみました。


@ 「フェアトレード」って何?
 フェアトレードとは、発展途上国の厳しい状況にある小生産者の経済的自立を支援 し、生活の改善向上を目指しています。その規模や力量により、市場価格の変動に耐 えられない場合は、あらかじめ定めた最低水準以上の価格で、長期間にわたって安定 的に買い上げます。また、必要により、前払いを行う民間貿易です。

A 一般の民間貿易との違いは?
 通常、貿易会社は生産者から製品を極力安く買い上げ、それを消費者に販売するこ とが基本です。買い上げる量もマーケットの状況により大きく変わります。場合によ り、必要以上に在庫して市場操作する力のある国際企業もあります。 フェアトレード団体は、生産者の持続的な生活を考え、自立していくのに適正な価 格で安定的に買い上げ、消費者に販売します。従って、生産者と良い製品を作るため の話し合いも密接に行います。

B どうやって一定価格での安定買い取りを実現できるのか?
 消費者にフェアトレードの意義を理解してもらい、買い支えてもらうこと。また、 製品自体に特長が持てるように、市民の協力者、各国の意識ある方の協力をもらいな がら製品の開発に努めています。フェアトレードは貧富の差の拡大を防ぐことに役立 っており、「次世代の安定」への投資になっている、ということも説明しています。
 更に、アメリカでは、情報化時代に取り残されないようにインターネットやデジタ ル化の応援をするピープルリンク(People Link)があります。また、イギリスでは、 消費者がフェアトレードの事業に積極的にかかわり、応援できる仕組みを持つフェア トレード融資銀行、シェアードインタレスト(Shared Interest)があります。 会員 9,000名、1人毎の貯蓄平均40万円の資金を背景に、市場金利より安い利子を預金者 に払う仕組みで支えてもらい、その余剰でフェアトレード生産者を応援しています。 生産者への前払い期間は無利子であることも特長の一つです。

C フェアトレードに問題点はないの?
 フェアトレード団体は積極的に現地の事情を理解し、関わり合いを持つので、それ が「過保護」となり現地の自助努力が低下することもあります。あくまで、フェアトレ ードの目的は、貧困解決のため、力のない生産者が通常のマーケットに参入できるま での成長を手助けすることです。

D 具体的に、現地ではどんな成果が?
 例えば、コーヒーを安定的に買い上げることで、その村のコーヒー栽培が産業とし て根付き、村興しにつながっています。また、不安定な「援助」と違い、生産活動が根 付けば、現地の人々の努力で生活の向上が望め、人間としての尊厳も保たれます。

E 消費者には何ができるの?
 貧しい人への同情から、寄付の代わりにフェアトレード商品を買うのでは続きませ ん。動機はそうであっても、商品の価値に納得し、生産者に共感して商品を買って頂 けたら幸いです。

F フェアトレードは日本で広がる?
 日本でも、顔の見える関係で、内容のよくわかった安全なものが欲しい、と望む人 が増えています。こういったニーズにも応えるフェアトレードは、国際協力、社会の 安全に対する意識、健康への再考と環境への配慮が高まるとともにもっと盛んになる でしょう。

注)シェアード・インタレスト
 フェアトレードを支援するイギリスの融資機関で、フェアトレード事業にのみ融資 を行う。IFATに加盟し、主に、IFATメンバーに融資を行っている。お買物で 国際協力するだけでなく、より前向きに支援をする仕組みとして、一人一人が一般の 銀行に貯蓄するのではなく、フェアトレードの活動に使ってもらう目的で貯金をして 、その資金を活用している。一般金利(利子)より若干低めに設定され、その分、預 金者の意思に沿って運営が行なわれている。生産者に支払われる前払いは無利子。各 地にボランティア支援者がいて、活動に対する話し合いも持たれている。他のNPOやネパリ・バザーロと同じ仕組みで、専従とボランティアが協力している。

戻り