フェアトレードの現場から
 

フェアトレード基準とモニタリング
ネパリ・バザーロが属している国際フェアトレード組織IFATでは、他の欧州の フェアトレード組織、EFTA、NEWS!、FLOと協力しながら、今まで夫々に定めていた基準を統一する話合いをしている。
 現在IFATが定めている実践規則(Code of Practice)は、9ケ条。統一基準は、 8つの指標からなっている。その実践を確認するために、モニタリングがあり、順次 改善に取組んでいる。
 ネパリ・バザーロも、モニタリングに参加しているが、更に、客観的評価を得られ るように、話し合いがされている。生産から、輸入、販売まで関係する組織が協力し あって、フェアトレードの社会的信用を高め、市場を広げることで、貧困をより減ら していこうとしている。

レプチャプロジェクト 

ネパールの東、紅茶で有名なイラムという地域に住む少数民族レプチャの人々の生 活向上を目指すプロジェクトで、今年は、子どもたちの教育支援を始めた。家庭から 自力で学校に通わせることのできない子どもたちへの奨学金である。年間の費用をカ ウンターパート団体の口座へ振り込むことがまた大変。銀行は電話もFAXも壊され ていて、カトマンズからその銀行まで送金証明を持参して、この活動もやっと動き始 めた。

紅茶農園への奨学金

 昨秋、「教育とフェアトレード」のセミナーを約1ケ月かけて各地で開いてきた。 普段ご協力頂いているお店、高校、長崎大学等11ケ所、行きたい所全てを回ることは できなかったが、多くの出会いと成果があった。 
 地球市民かながわプラザでのセミナー当日の朝、同会場で、神奈川県立総合高校の 「デイ・キャンプ」という教育プログラムがあり、ネパールの文化紹介とフェアトレ ードの活動を英語で紹介させて頂いた。それがご縁で、カンチャンジャンガ紅茶農園 、神奈川県立総合高校ワンコインコンサート・スタッフ、ネパリ・バザーロが協力し てジョイント委員会を結成。現地にモニタリング委員会を作り、対象となる農園の子 ども達131人に奨学金を出している。

カンチャンジャンガ紅茶農園とその社会への貢献

 2月24日(日)地球市民かながわプラザ調理室で、カンチャンジャンガ紅茶農園カ トマンズ事務所長、ディリー・バスコタさんをお迎えして、公開セミナーを開いた。
 ネパリ・バザーロは、毎年2月か3月に、ネパールからフェアトレードの生産者を お招きし、フェアトレードのお店の方々、一般の方々と共にお話を伺い、意見交換を する公開セミナーを開いている。今年もネパールから、世界でエヴェレストの次に高 い山、カンチャンジャンガの麓にある紅茶農園のディリー・バスコタさんをお招きし た。セミナーでは、54名の参加者が熱心にお話を聞き、また、紅茶を作る、売る、買 うというそれぞれの立場から意見を述べ合った。会場は紅茶の香りと共に和やかな雰 囲気に包まれた。

遠隔の地より届く産品 コーヒーの例から

最近では、グルミ共同組合のコーヒー・トレーニングを受け、女性達も、チェリー の実を干したり、皮むきをしたり、選別をしたり、パッキングをしたりと、仕事の範 囲を広げている。しかし、このコーヒーをカトマンズまで運ぶのは大変だ。途中何ヶ 所にもわたり、軍隊による検問があり、荷物の検査を受けなければならず、手間と時 間がかかるからだ。


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