フェアトレードは、1940年代に「オルタナティブ・トレード(もう一つの形の貿易)」として、アメリカでNGO(非政府組織)活動の中から始まりました。現地の人々の雇用につながり、経済的な自立と貧困問題の改善を目指す貿易です。

 日本でも90年代に入って、フェアトレード団体が次々と誕生しています。なぜ今フェアトレードなの?フェアトレードって、具体的にどんなことをしているの?などなど、私たちネパリ・バザーロのフェアトレードへの取り組みの中から、「フェアトレードってなあに?」の答えを探してみてください。


                   

子ども達はなぜ学校へ行けないのか
「援助」より「貿易」を
そしてフェアトレード
お買い物で、国際協力



フェアトレードQ&A集
フェアトレードの歴史と動き
国際理解教育
ネパールの女性と子どもに関するサマリー

子ども達はなぜ学校へ行けないのか
 ネパリ・バザーロの母体であるNGO、ベルダレルネーヨ(ネパールの女性の自立と子どもの育成支援の会)は設立当初、ネパールの学校へ行けない子どもたちの為に、学校を建設することを目指していました。しかし、何回か現地を訪問して学校建設のための土地を探したりしているうちに、問題は別のところにあると感じるようになりました。学校自体は、各国の政府やNGOの支援でかなり作られるようになってきているのに、就学できない子どもは依然たくさんいる上、入学しても通わない子供や、1、2年でやめてしまう子も多いのです。親が子どもを学校へやらずに家事や農業などの労働に従事させる、学校を出たところで働き口はなく、子どもに学ばせる意義を見出せないなど、教育問題の背景に突き当たりました。つまり、親の経済力と関係しているのです。都市部から遠く離れた農村部では市場が遠く、生産活動をしてもそれを売るマーケットがないため、現金収入にならないという問題もあり、食べていくだけで精一杯の家庭がほとんどです。子どもたちの環境の厳しさは、教育問題だけに力を入れても改善されない、ということが見えてきたのです。 


村で生産したコーヒー豆を都市部まで運ぶ


「援助」より「貿易」を
 経済問題が見えてはきたものの、各国からの支援活動が盛んなネパールでは、それまでにも数々のお金やものの援助がなされていながら、根本的解決にはなっていないということも確かでした。いつ支援がとまるかも知れず、打ち切られればまたもとの状態に戻ってしまうのです。また、常に貰う側にいては依存心が強くなり、自分で家族の為に道を切り開き、支えていくという自立の精神をも壊しかねません。与える援助は、人間としての尊厳を傷つけてしまうのです。
 そんな中で言われた、あるネパール人女性の「恵んでくれなくていい、トレードをしてほしい。自ら力をつけて立たなければ、この国は変わらない」という言葉。その言葉に触発され、ネパールに仕事の場を作り出し、経済的な自立を促すことを目指して、フェアトレード団体、ネパリ・バザーロは設立されました。



村で無農薬コーヒーを栽培している若夫婦


クッションカバーを製作する女性


そしてフェアトレード
 貿易の手続きさえ知らずに始めたフェアトレードでしたが、就職が困難な女性達に技術指導し、伝統を維持しながら製品作りをしている工房や、優れた技術を持ちながら仕事のない職人たちから、前金を払って製品を輸入し、自主企画イベントや国際協力イベントで販売する一方、インポートショップに卸をして販路を拡大してきました。
 ネパリ・バザーロが扱っているのは、ほとんどがネパールの製品です。それは、ネパールに限定することにより、生産者と距離を近く保つことができるからです。また、私たち自身のサイズを意識して、私たちが「小さな生産者」と呼んでいる、バランスの取れる同程度のサイズの団体や、個人の生産者と付き合うように心掛けています。それはお互いに、その主旨や効果を考えながら十分に話し合って進めていくためです。
 小さな団体や個人の生産者はシステムが確立していない分、手間もかかります。現地へ行く以外には、電話もFAXも通じない場合も多く、新しい製品の企画、開発はもちろん、注文さえも現地へ直接行って交渉しなければならない場合もあります。それでも、そうして直接生産者とコミュニケーションをとることによって、お互いに信頼関係が生まれ、製品の質も確実に向上しています。
 また、トレードするにあたって、製作・栽培されたものを適正な価格で買い取ること、製品の注文は無理のない持続可能な数量であること、生産者の生活環境、文化を壊さないこと、なども常に念頭においています。



お買い物で、国際協力
 日本にいる私たちができること・・・それは、「フェアトレード商品を買うこと」です。継続的に商品が売れれば、継続して 注文を出すことが出来、生産者の収入は安定していきます。手工芸品という大量生産のできないものを手にし、作った人を思いながら、楽しくお買い物をするこ とを通して、国際協力ができるのです。様々な消費形態が存在するいま、その選択肢の中に「フェアトレードの商品を買うこと」を加えてみませんか?

直営店ベルダ
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