活動トピックス◆ネパールのフェアトレードの現状と活動紹介(第2回 学習会)


講師:チャンドラ・プラサドゥ・ カティパティ
通訳:鈴村香子
司会:魚谷早苗


9月21日、栄区の本郷地区センターで、「ネパールのフェアトレード゙の現状」と題して、学習会が行われました。当日は、25名の参加があり、具体的な例を交えてのお話は大変に分かり易く、参加者は終始熱心に聞き入っていました。
講師のチャンドラさんは、横浜市海外交流協会の事業を通じ、研修生として来日中。彼はフェアトレードNGO・サナ・ハスタカラを取り仕切っているマネージャーで、来日1ケ月で覚えた日本語で挨拶。その後、ネパール留学から帰国した直後の鈴村さんの通訳で、お話もスムーズに進行。終了後の懇親会へも全員参加という異例の盛り上がり。名古屋からの参加もあり、とても充実していました。皆様、ご協力、ありがとうございました。
以下、ごく簡単に要点のみをご報告します。
ネパールのフェアトレード7団体はネットワーク・FTGネパールを組織化し、国際的ネットワーク(IFAT)にも昨年加盟、収入の低い女性や貧しいコミュニティのために力をつけ、継続的にフェアトレードを行おうと努力しています。チャンドラさんは、銀行や生協勤務を経て、8年前サナ創立と共に加わり、フェアトレード推進に力を尽くしています。今回はコープかながわとネパリ・バザーロで研修を受け、日本のフェアトレードの現状、消費者ニーズ、売り場づくり等について学び、ネパールのために役立てようと張り切っています。

フェアトレードグループ・ネパールの7団体 (1996年11月現在)

Association for Craft Producers (ACP)
設立:1984年 対象者:850名の低所得者。
ネパール全土の17地区で、85%は女性。

Janakpur Women's Development Centre (JWDC)
設立:1989年
対象者:ジャナカプル地域の52名の生産者
収入を生み出す活動に加えて、JWDCは、識字や育児のプログラムを運営している。

Kumbeshwar Technical School (KTS)
設立:1987年
対象者:955名の女性生産者
240名の子どもたちのための小学校と23名のための孤児院を運営している。また、立場の弱い男女に、編み物、絨毯織り、木工の職業訓練をしている。

Mahaguthi
設立:1984年
対象者:700名の生産者のうち97%が女性。
マハグティが設立以来12年間、生産者ネットワークを100グループ700名にまで広げた。この間、マハグティは貧しい女性たちのために300万ルピー以上を寄付し、生産者ネットワークの便宜のためにさまざまな福祉プログラムを行っている。

Manushi Arts and Crafts
設立:1991年
対象者:140名の生産者の全員が女性。 75%は、カトマンズの都心に住む貧しい人たち。
マヌシは染め、刺繍、縫製の技術訓練を提供し、地域での就職を可能にしたり、自ら事業を始める助けとなっている。

Sana Hastakala
設立:1989年
対象者: 95の生産者団体から製品を集めている。90%が女性。
手工芸品生産者のための小売り・卸となっている。ネパールの工芸品への認識を高める活動や、トレーニング、設備購入のサポートのために収入の20%を充てている。

Women's Skill Development Project Pokhara (WSDPP)
設立:1991年
対象者:19名の生産者(全員女性)
地元の女性に訓練と雇用の機会を提供している。

レポーター:土屋完二


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