突然ですが あっ、この人新しいのコーナー 実録 フェアトレード最前線

ネパリの新人 福田 博


◆出会い
フェアトレードという言葉を知ったのは確か、1992年のことだったと思う。 何かの本で第3世界ショップについての記述を読んだ。 単純に国際協力と言えば、国連とか国際協力事業団ぐらいしか思い浮かばなかった自分としては、まさに目から鱗、頭の上に電球が点灯のような驚きだった。
その頃海外で仕事をしてみたいと専門商社にいた私は、紆余曲折を経て1998年1月にネパリ・バザーロに潜り込むことになるのだった。

◆現場
ネパリでは営業を担当。 民間企業で働いていたとはいえ、流通業は未知の世界。 しかも主力商品は衣料や雑貨なので、アパレル用語を覚えることから仕事は始まった。 お取引先の方は皆さんが店長なので、いってみれば全員が一国一城の主。 皆さんそれぞれが強烈な個性とパワーを秘めておられ、圧倒されることしきりの毎日だった。 しかし、皆さんとにかくやさしい。 行く先々でお茶とお菓子と頑張ってねの励ましの言葉を頂いた。

◆なんのために
フェアという言葉は日本人にとって刺激的だと思う。 それは、アメリカから常に日本はアンフェアと言われてきたから。 フェアトレードと言われる場合、多くの企業の方は「俺達はアンフェアだと言うのか。」と反感を感じると思う。私も同じ事を思った。 しかし、私たちが目指しているのは他人を非難することではない。 私はフェアな社会というのは、皆が公平に機会を得ていることが条件だと思う。 機会を創る、それが私の思うフェアトレードです。

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