子どもたちを訪ねて

魚谷早苗


この夏、1年ぶりにネパールを訪問し、いつものように支援先の子どもたちを訪ねて来ましたのでご報告します。

【モーニング・スター・チルドレンズ・ホーム】
ここでは、ストリートチルドレンや家庭が貧しくて手放された子を、ビシュヌさんと妻のムナさんご夫婦が引き取って、家族として育てているホームです。子どもたちの人数は今では40人以上になりましたが、そこは「児童施設」の雰囲気はなく、「大」家族の温かさと居心地の良さがあります。
突然伺ったホームでは、ビシュヌさんはご不在でしたが、ムナさんと大勢の子どもたちが迎え入れてくれました。17歳になるジーヴァン君が1年の間に、少年から青年になっていてビックリ。最年長のアルジュン君が不在なので訊ねると、所属している教会の青年部のリーダーとして、シンガポールへ1週間の研修中だとか。海外研修という貴重な機会を得たことを、ムナさんや他の子達が誇らしげに報告してくれました。他の子どもたちも、皆元気に過ごしているということで、ホッとしました。
ビシュヌさんとは後日、街でお会いしてゆっくりお話することができました。ホームの子どもたちと一緒にお話するのとは違ったお話もできて、有意義なひとときでした。アルジュン君と同じ年のプレム君は、今10年生、最終学年です。勤勉なビシュヌさんが「私にはできない」というほど、いつも本を手にしている勉強家で、成績もトップです。10年生を終えたら、村で学校の先生をしたいと思っています。学年の高い女の子の中にも、レベカちゃんのように、看護婦になって村で働きたいという子がいます。村での暮らしは決して楽ではありませんが、ホームから巣立った子が、僻地のために働こうとしていることが、ビシュヌさんにとって、この上ない誇りのようです。

【ブワン君】
 ブワン君は、私たちが学費と宿舎費用を支援して、カトマンズのバルナムーナという学校に通っています。今年6年生になりました。後で説明するミラちゃんと共に、6年前に支援を始めましたが、ミラちゃんはバルナムーナが7年生までなので、この春他へ転校しました。ミラちゃんがいなくなって、寂しくしていないかな?と、心配しましたが、先生にお話を伺うと、6年生になってから、勉強に集中力が増し、成績もアップしてきたそうです。勉強以外でも、友達とバスケットボールに熱中したり、楽しい毎日を過ごしているようです。

【ミラちゃん】
 4月からスワティ・サダンという学校に転校したミラちゃんは、新しい友達もでき、成績もトップの優秀さ。今回は、お父さんが出張中で残念ながらお会いできなかったのですが、お姉さんと一緒に学校を見学させていただいた後、お宅にもお邪魔しました。お母さんのおいしいネパール料理をいただきながら、下手なネパール語でお話をしたり、ご家族の写真を見せてもらったり。小さい頃は、恥ずかしがり屋であまり話もできなかったミラちゃんが、電話をすると「私に替わって!」と受話器を奪い、タクシーを呼びに走ってくれたり、しっかりして積極的になったミラちゃんを何よりうれしく感じました。


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