フェアトレード・ショップを訪ねて-ミラノ(イタリア)から-

協同組合 チコ・メンデス


 今年の5月9日から14日まで、IFATの国際フォーラムと年次総会がイタリアのミラノで開かれました。その後、フェアトレード・フェアも開かれ、盛大な催しとなりました。  その機会を利用してイタリアのフェアトレード・ショップがどのように運営されているか興味津々で、お店を訪ねてみました。

 イタリアのフェアトレード・ショップは、その多くが共同組織で運営されていて、それこそ2人ぐらいの組織から、メンバーからお金をお預かりして、銀行のように利子を払い、その資金をもとに力強い運営をしているところまで様々です。働き方も、総てがボランティアで運営されているところから、専従者を抱えることができるようになり伸びているところと、これまた様々です。扱っている商品は、食品とハンディクラフトとが半々で、クリスマス・シーズンはハンディクラフト、そうでない時は食品でカバーしているという話も聞きました。食品の多くはフェアトレード商品ですが、オーガニックの食品、ワインも置いてあります。イタリアは、カソリック教会の影響を受けて、フェアトレードを扱う共同組織の活動が活発ですが、また、国内の麻薬撲滅などの社会運動の影響を受けた共同組織の活動も盛んで、ワインなどはそのような背景からオーガニック・ワインが作られてフェアトレード・ショップで販売されたりもしています。

 さて、イタリア国内にはどのくらいのフェアトレード・ショップがあるかといえば、約200店舗、フェアトレード商品の総販売額は、1998年度で26憶円からもう少し高いところだったようです。
 チコ・メンデスの設立は、約10年前。フェアトレード商品を輸入するフェアトレード組織のCTMから商品の提供を受けて、総てボランティアで始まり、今では、7つのお店を20人のスタッフと70人のボランティアで運営しています。 今回訪問したポルタ・ロマーナ店は、その内の一つで、専従2名と12人のボランティアで運営されています。朝は、9時半から1時まで。2時間の休息をはさみ、午後は3時半から7時半。日曜日がお休みになります。ここイタリアでも、このフェアトレードの世界は女性が中心。ボランティアの9割が女性だそうです。 (完二 記)

目次に戻り