学習会(9月)紹介
   〜チョコレート・ゲーム〜
           (チョコレートゲーム・レポート   藤本芳子)

 9月の学習会では、フェアトレードについて考える「チョコレートゲーム」という開発教育教材を用いたワークショップを行ないました。スタッフの福田博とボラン
ティア4名が数ヶ月前から英語の翻訳をし、さらに実施に向けての打ち合わせを重ねての学習会でした。
 当日は初参加の方も含めて17名がそろい、にぎやかに実施されました。石川県や静岡県といった遠方から来てくださった方もいらっしゃいました。
 英文の翻訳から取り組んでいますので、実際にやってみたらどうなるのか、直訳どおりの解釈でうまく行くのかどうか分からないので、担当したメンバーは手探りでの進行でしたが、1時間半ほどかけてゲームはスムーズに進み、終了後の感想も様々な視点から出され盛り上がりました。
 参加者のひとり、藤本芳子さんのレポートをご紹介します。

チョコレートゲーム・レポート   藤本芳子

 私のグループは、ガーナのカカオプランテーションで働き3人の子どもがいるという家族の設定でした。 13才の息子は別の土地で水を売って暮らし、娘の1人は地主の家で働き、もう1人は職探し中。子どもを学校に行かせる事もできず、やっと家族が食べていけるという状態で、よほどの貧困家庭らしいということが分かりました。
 一方で、同じガーナの家族でもイギリスと貿易をして、収入が桁違いのところもありました。
 食料、住居、衣料、燃料、交通手段、余暇などの生活レベルを、収入に応じて家族自ら選択するのですが、高収入の他の家族が衛生的な水やおいしい食料を買い、車を所有しているのに、収入がわずかな私の家族は、汲んだ水を沸かして飲み、食料は栽培し、衣料は中古品、交通手段は徒歩、と切り詰めるしかありません。

 ブラジルのカカオが不作で、ガーナのカカオの売上が増加しましたが、地主の収入は増えても、私達家族の収入はほんのわずかしか増えません。
 次に、カカオの市場価格が下落すると、地主は農地を縮小させる方針をとり、私達家族は解雇させられるかもしれないという不安な状態になり、「別の土地に住む息子の所に皆で行くしかない」と話していました。
 他国でも収入数が多い家族と少ない家族の格差が出ていました。

 このゲームは本邦初だったこともあり、企画・翻訳された方も苦労の連続だったようですが、大国や地元有力者の意思一つで農民の暮らしが変わるといった自由貿易での南北問題の一端が分かり、大勢でこのゲームをしたら楽しいだろうし、フェアトレードに関心を持つ人が増えるだろうと思いました。


<参加者アンケートから>
● 国内の貧富の差、一部の権力
 者の影響力など色々な階層の
 生活が見えてよかった。
●貿易ゲームのような国対国の
 比較ではなく、具体的家族の
 生活感があった。
●外国の暮らしがイメージしづ
 らいのでイラストや小道具な
 ど使うと良い。
●様々な課題を盛り込んでいる
 ので、フェアトレードの関連
 が分かりにくい。焦点を絞っ
 てシンプルにしたほうが良い

 チョコレートゲームは、カカオの国際取引を題材にした開発教育教材で、イギリスのLeeds Development Education Centre が作成しました。参加者は9つのグループに分かれ、ガーナ・ベリーズ・ブラジル・イギリスでチョコレート産業に関わって暮らす家族を演じ、輸出用農作物の国際取引が各家族に与える影響の大きさや、金持ちを富ませ貧しい人をさらに貧しくする貿易システムの不公正を体験します。最新版はフェアトレードを組み入れ、参加者は、自分らの消費行動を通して、より公正な貿易システムに貢献できることが理解できます。
対象:11歳以上成人まで
人数:18人から50名
所要時間:60〜90分

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