絵本作りとフェアトレード
レプチャに伝わる民話が絵本になりました!
「大空へのみち」

東ネパールに暮らす民族、レプチャに伝わる味わい深い民話が、絵本になりました。
3ヶ国語で書かれています!
◆絵本とフェアトレードの出会い
 今までになかったことを始める時、それは、時として偶然のいたずらが働きます。この絵本作りの出会いもそうでした。
 物作りをしている女性達の多くは英語ができないし、生産者と深い話をするにもどちらかが母語でないと難しいものがあります。現地で土屋春代がネパール語を学ぶ時にお会いしたのが、この絵本作りのパートナーになったサパナさんという女性だったのです。

◆サパナさんから絵本作りへ
 ネパールで出会ったサパナさんは、教育を専門とし、大学の卒業論文として、レプチャの子どもたちの就学状況を調査し、未就学や中途退学の要因を調べました。それは、他の民族も含めて、就学率の低い子ども達の教育レベルを向上させたいという思いを込めた研究でした。彼女は研究に協力してくれたレプチャの人々に対し、一時の研究だけに終わらせず、実際に子どもたちの就学率を上げ、彼らの生活が向上するような行動につなげたいと願っていました。
 彼女の論文にも書かかれていること、それは、子ども達の就学率の低さも経済的要因と密接な関係を持っていることでした。教育を専門とする当時の彼女には何もすることができず、彼女にできることは、そのことを人に伝えることでした。
 何もできないでいる彼女と言葉を勉強しようとする私たちを神様が引き合わせてくれたのでしょうか。自己紹介をする中、お互いの必要性を感じ、この活動が始まりました。
 先祖代々語り継がれてきたお話を本に残しながら、合わせて、その地域のことをもっと深く知ろう。その中からフェアトレードへの道を検討することにしたのです。その第1歩がレプチャに代々伝わる味わい深い民話を絵本にし、広くネパールの人たちに読んでもらうこと。そして、レプチャの子ども達に自分の民族への誇りを持ってもらうことでした。

◆レプチャとは?
 レプチャは、ネパール東部、インド北東部のシッキムやダージリン、ブータン西部に暮らす少数民族です。多様な民族が暮らすネパールで、わずか4,000人のレプチャ民族は少数民族として厳しい暮らしを強いられていますが、独自の宗教、言語、文字をもち、豊かな文化を受け継ぐ民族です。

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