沖縄から
ネパリでの研修を終えて

大城あけみ

 

 大城さんは(財)沖縄県産業振興公社のグローバル産業人材育成事業に応募して、2002年2月14日から1ヶ月間、フェアトレードのお店「CAFE VOYAGE」を開く研修のためにネパリ・バザーロの事務所へ来られました。ちょうど2002年春夏のカタログ、ニュースレターの発行、全国でお店を開いている方への展示会や一般市民に向けた公開セミナーの準備に慌しい日々でした。全国から集まっていらしたお店の方や、日頃から関わりのある地域福祉作業所の方、フェアトレードの他団体の方と、出会いも多く、実践的な研修としては期間は短いものの、そこから得たものは大きかったようです。


 研修期間中には色々な方と出会う事ができ、フェアトレードについてばかりではなく、障害者の雇用など幅広く学ぶ機会も頂きました。ネパリ・バザーロでこそできた、という経験も多かった1ヶ月間でした。
 2月に行われた公開セミナー、「ネパールのカンチャンジャンガ紅茶農園とその社会への貢献」のディリーさんの講演会の際には準備から参加でき、商品のひとつひとつを手にとりながら現地の人々の生活や技術、手作業の苦労話などをスタッフから聞き、支援の大変さを実感しました。商品の出来あがる過程を現地の生産者から直接聞く事ができたので、今、沖縄のお店にいらっしゃるお客様に商品の説明や背景についてお話しすることが出来ます。時には笑いながら「こんなに苦労してできるんですよ。」と、日本とネパールの生活環境の違いを説明し、フェアトレードという活動の必要性をお伝えしています。
 3月半ばに研修を終え、5月3日のオープンを迎えるまで、予定は未定、変更と混乱しながらもどうにか開店することができました。お店はかなりの市外地ですが、自然に囲まれた静かな落ち着いた場所です。しかし、日々草刈りや、我が家のようにやってくる蟻、虫たちと戦いながら「共存、共存」とお客様から励まされながら、開店以来次から次へと起こる問題に取り組んでいます。「フェアトレードって知らなかったさー」と支持してくださる方も増え、うれしさと同時にもっと多くの人へ伝え、理解してもらうにも勉強会を開きたいと思い、今はその準備に追われています。沖縄の「ゆいまーる」(助け合い)を合言葉に世界がいつまでも平和であるように願っています。研修を受入れて頂いた土屋代表をはじめスタッフの皆様に感謝します。


CAFE VOYAGE 訪問記

阿部陽子


 ネパリ・バザーロのお店と出荷を担当している阿部が沖縄の旅行に合わせて、大城さんのお店を訪ねました。

 初夏の沖縄、刺すような強い日ざしのなかを大城さんのお店「CAFE VOYAGE」にお邪魔して来ました。那覇から車で約30分ほど南に走ると、風景はだんだんとのんびりした雰囲気に変わっていきます。「なんだかアジアを感じるなあ」と沖縄のスローな空気を満喫しているうちにお店に着きました。
 沖縄の木を使った木工のギャラリーと、カフェが一緒になった建物に入ると木のいい香り〜!が、まず出迎えてくれます。カフェでは大城さんセレクトの雑貨(もちろんネパリのフェアトレード商品もあります)が置いてあり、お手製のネパールカレーやケーキを楽しみながら、ゆっくりとお買い物できる空間です。私たちもチキンカレーを食べながら、おしゃべりに花を咲かせました。黄色いごはんは「うこん」を入れているとのことで、さすが沖縄の力!を感じました。観光客だけでなく、地元の方も気軽に寄れる、おおらかな大城さんらしい素敵なお店でした。


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