フェアトレード劇
☆One Coin Concert高校生による劇☆
神奈川県立総合高校でグローバル学習を目的に「教員も生徒と一緒に学ぶ」共同学習をするために始まったイングリッシュ・デイ・キャンプ。そこで学習したことを活かして生徒自ら企画したワンコインコンサートが始まりました。
ネパリ・バザーロとの出会いは、2年半前の夏のイングリッシュ・デイ・キャンプからで、それがきっかけとなり、国際理解も兼ねて共に協力、学びあいながら奨学金を生産者の子どもたちに出しています。
以下、今年初めに催されたワンコインコンサート(One Coin Concert)で、生徒自身が調べ、考えて演じた「フェアトレード劇」を紹介します。
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<シナリオ:細井ゆりなさん>放課後の教室で、3人の女の子が帰り支度をしている。
C子「ねえ、これからみんなで、買い物行かない?」
A子「行く行く!」
B子「私も行く…けど、ちょっとまって、お金あったかなあ?(と、バッグから財布を取り出す)」
A子「あ、B子のお財布、かわいい!」
C子「ほんとだ!」
B子「あぁ、これね、ブランドものなんだよ!高かったんだけどね一。」
C子「え、いくらしたの??」
B子「・・・2万円!」
A,C「うっそ…ぉ?!」
A子「高すぎだよ、それ!」
B子「だって、かわいかったんだもん。それに、ブランドついてるし!」
C子「(財布を出して)じゃあさ、私のお財布、いくらか当ててみて。」
B子「え一?5千円?」
C子「もっと安い!」
A子「3千円?(C子、首を横に振る)2千円?千円?!」
C子「なんと!100円なのです!!」
A,B「うっそおお一一一?!!」
B子「安すぎだよ、それ!」
C子「100円SHOPで買ったんだ。これも100円!これも100円!(と、筆箱、化粧品など、いろんな商品をバッグから取り出す。)」
A子「でも、このお財布、すぐに壊れちゃいそうだよ…」
B子「うん…質がよくないと、長く使えないんじゃないの?」
C子「壊れちやったら、これは捨てて、新しいのを買えばいいじゃん。そんなことより、A子のお財布はどんなの?」
A子「私のは…これ!これね、フェアトレードショップで買ったの。」
C子「フェアトレードショップ?」
B子「なぁに、それっ?」
A子「フェアトレードっていうのは、発展途上国の社会的に立場の弱い小生産者の人た『フェア』な『トレード』…つまり、対等な貿易をするものなの。」
B子「ちょっと待って。『対等な貿易』って、普通の貿易は、対等じゃないの?」
A子「うん、例えば、すごく安い値段で売ってるものってあるじゃない?それを安く売っている裏には、実は発展途上国で、安い賃金で現地の人たちを働かせて作っている現状があるの。でも、それじゃあ正当な額の賃金をもらえない現地の人たちは、生活が苦しくなってしまうでしょ。それを、フェアトレードでは、現地の生産者達と、安定した価格で対等に貿易をするから、現地の人たちの収人も安定して、生活も安定するってわけ。」
B子「…そうだったんだ、知らなかった。」
C子「でもさあ、ってことは、フェアトレードの商品って、値段が高いんじゃないの?だったら100円ショップのもののほうが、安いしお得じゃん。」
A子「う一ん、確かに100円ショップとかの方が安いかもしれないけど、フェアトレードグッズも、普通のものと大して値段が変わらないものが多いんだよ。それに、たとえ少しくらい値段が高くても、フェアトレードには、たくさんのメリットがあるの!」
B子「え、どんなメリット?」
A子「まず1つめは、フェアトレードグッズを買うことで、途上国の人の雇用を生み出して、彼らの生活を守ることができるってこと。しかも、お金をあげるだけじゃ、一方的な支援にしかならないけど、そうやって自分達が作ったものを売ってお金を得ているんだっていう、自信や尊厳を発展途上国の人たちが持つことが出来るのが、フェアトレードのすごく大きな魅力だと思うの。」
C子「じゃあつまり、お買い物で、海外支援が出来るってこと?」
A子「うん、そういうこと!」
B子「そうなんだ…それっていいね。あ、でも、質とかあんまりよくないんじゃないの?」
A子「そんなことないよ。フェアトレードグッズは、ちゃんと作っている人の顔も見えるの。これが、第2のメリット!この写真を見て。」
スクリーンに、紅茶農園の人の写真が映し出される。
A子「私が持ってるこの紅茶は、ネパールに住む、この人たちが一生懸命作ってくれたものなの、こうやって、作ってくれた人の顔が見えることって、普段買ってるものだとあんまりないけど、なんだか温かみがあるよね。」
C子「そうだね。大切にしなきゃなって思う。」
A子「そして、第3のメリットは、環境にも優しいってこと。」
B子「え、環境にも優しいの?」
A子「うん。例えばこういう農作物なら、農薬を使わずに手作業で害虫駆除を行ったり、有機農業を行ったり、染料なんかでも、発がん性のある人工のものを極力避けたりして、環境への配慮がしっかりされてるの。でもそれが、現地の人たちが昔から行ってきた伝統的な農業なんだって。フェアトレ-ドでは、伝統文化の継承と環境保護も大事な目的なんだけど、彼らの伝統文化を守るのと同時に、環境保護もできちゃうってわけ。」
C子「で、さらに私たちの体にも、地球にも優しいのね?いいことづくしじゃん!」
A子「うん!だから、フェアトレードショップで買い物することって、発展途上国の人のためっていうだけじゃなくて、自分のため、また自分の住む地球のためにもなるんだよ、」
C子「そうなんだ…A子すごい!よく知ってるね。私、全然知らなかった…。」
A子「日本ではまだあんまりフェアトレードって知られてないの。このグラフを見て。」
スクリーンに、「フェアトレードの認識度」と「一人当たりの売上高」のグラフが映し出される。
A子「イギリスやスウェーデンでは、多くの人がフェアトレードのことを知ってて、しかもちょっとくらい値段が高くても買うって言っている人が半分以上なの。日本では、知名度が低くてまだ調査すらされてないみたい。それから、一人当たりの売り上げは、スイスとかでは、こんなにフェアトレードグッズの売り上げが高いの。スーパーに、フェアトレードグッズのコーナーがある国もあるんだって。それに比べて、日本ではまだまだ買ってる人が少ないよね。」
C子「でも、フェアトレードのメリットを知ったら、フェアトレードグッズ買いたくなる人も増えるよ!」
B子「うん、私も知らなかったけど、話聞いてたら、フェアトレードショップ行きたくなってきた!」
C子「私も!!」
A子「じゃあさ、これから行ってみようよ!この近くにもあるんだ!」
C,B「行こう行こう!!」
3人、笑いながら走り去る。
コーヒーの活動を通してみた
ネパリ・バザーロのフェアトレード
◆コーヒーとの出会い
ネパール政府の換金作物促進の後押で、農民はコーヒーを植え、品質の良いコーヒーを作る努力をして来ました。残念ながら安定した販売市場は得られず、せっかく育てた木も刈らざるを得ない状況になっていました。
その頃、私たちが村から直接コーヒーを買い始め、村にコーヒーの皮むき機を置く活動もしました。農民にとって良い現金収入の機会と勇気づけになり、とても喜ばれています。
◆ ネパールのコーヒー輸出許可第1号
コーヒーの販売市場がなく困っている、という出会いは、1994年秋に遡ります。その時に政府から正式な輸出許可第1号を頂き、取引は始まりました。
◆コーヒーの持つ遠隔地への貢献
ネパールでは、コーヒーはかなり奥地で生産されていて、その地域の農民の方々と連絡を取ったり、訪ねたりすることは大変難しい状況です。彼らのコーヒーを集めて、一時保管する村のコレクション・センターまで持ってくるだけでも数日を要します。更に、マオイストと政府の関係が悪化していた一昨年には、電話回線が切られ、それまで創り上げた流通が唯一の出荷販売手段でした。
私達は、グルミの地域共同組合(DCV)と、コーヒーの提供と集荷についての協定を結んでいます。DCVは、農家からコーヒーの実を集め、皮むきをして、その中にあるコーヒー豆を、良い豆と悪い豆に選別します。そして、良い豆をカトマンズまで運んで来ます。
カトマンズまで運ぶと、私達で、更に良い豆と悪い豆を選別し、その後、日本へ送り出します。
◆成功までの道のり
昨今、コーヒーを取り巻く状況はかなり改善されてきましたが、次の課題、有機証明、各国への輸出、国内市場の創造など、この活動が成功したと言えるまでには、もう少しがんばらなくてはなりません。各国の公的機関も、この改善のために興味を示していますので、お互いに協力できたらと願っています。