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Lemon grass レモングラス: 細身の着こなし、レモングラスの服。

Lemon grass レモングラス: 細身の着こなし、レモングラスの服。

「細身でナチュラルな着こなし大人の女性のためのレモングラス」
細身のシルエットを愉しみたいあなたへ。7号から9号のサイズの方に対応しています。
セージよりも肩幅や腕周りが小さく、すっきりしたシルエットです。
天然素材の服を、日常にも着て頂けるようにシンプルでかわいい服を作りました。

ラグランスリーブの襟ぐりとハイウエストの切替に、ギャザーを入れた一重のワンピースです。タックとタックの間にギャザーを寄せた共布をたたきつけました。袖口には、ロールアップ用のタブがついています。透け感のある薄い綿布が、タックとギャザーで新鮮な表情になりました。P.16 では、インナーにマルマルキャミソールを着ています。

たっぷりとした大きなポケットがポイントの膝上丈のチュニック。ギャザーを寄せた大きなポケット口に小さなビーズで繊細な柄をほどこしました。細いゴムを入れ、たっぷりとした七分丈の袖口、大きく前に開いたラウンドネックの前後にはギャザーが入っています。透け感のある薄い綿布で着心地もシルエットも軽やかです。

胸元とウエスト部分に平ゴムを通したチューブトップ。サイドにリボンの飾りがついています。裾につけた手編みの幅広レースの脇は小さなボタンで留めています。たて糸もよこ糸も手紡ぎの綿糸を使った綾織りの生地はふっくらとしてあたたかみのある着心地です。ちょっとした集まりには、肩ひもを外して華やかな着こなしも。裾のレースとココナッツボタンがアクセント。

手紡ぎ、手織りのレース織りのざっくりとした着心地を愉しんでいただきたいTブラウスです。両脇が下がる裾のラインが、シルエットのポイントです。重ね着を、おしゃれにあたたかく愉しめます。左肩についたタブとボタンがポイント。スラッシュポケットも魅力です。着れば着るほど、身体に馴染んできます。

裾ラインの脇を丸くカットした、ヘンリーカラーのロングシャツです。ピンタックをウエストラインで放し、袖口をロールアップすると、素敵なミシン刺繍の布地がのぞきます。ボタンを開けてライトジャケットとして、一枚でワンピース風にも着られます。重宝する一枚です。

ネパール語で「マルマル」と呼ばれる、透け感のある、軽くてやわらかな綿布のロングシャツ。やさしい肌触りで、ふんわりとした着心地です。ゆったりとした襟あき、肩のヨークに入ったギャザー、袖口のタブ、脇をカットした裾のラインなど、シンプルなシルエットの中にこだわりのポイントがつまっています。袖口のタブで、袖丈を調節できるので、季節の変わり目に重宝します。

胸元をVラインに切り替えたピンタックとピンタックの間に、ギャザーを寄せた共布をとばしました。細くゆったりとしたヘンリーカラーがついています。切替とラグランスリーブの襟ぐりには、ギャザーが入っています。後姿は、Vラインの切替とピンタックで、きりっとした雰囲気です。ボタンを開けると、薄手のジャケットとしても重宝します。

シリーズ特集: 天然素材の日常着

天然素材の日常着 : by Young Wow Craft

ずっとWEANコープ(*)のメンバーたちと仕事をしていたので、ウシャ・ゴンガルさんとは彼女が途中2001年頃事務局長に就任した時からのおつき合いです。こちらの意
見もよく聴き、立場にも考慮してくれる、仕事を共に進められる良い仲間でした。手漉き紙を活かした全く新しい素材開発をしたいという想いを打ち明けた時も直ぐさま理解し、ネパールのためになるアイディアだから是非とも実現してほしいと激励してくれました。ところがメンバーと協議を始めても話が進みません。商品化できても投資が簡単には回収できないなどの様々なリスクをおそれ、ネパリ・バザーロ(以下ネパリ)が勝手にやることだから自分たちは言われたことだけして、最初からコストを充分カバーできる価格で対応しようという姿勢に打ちのめされました。 
 これまでにない商品開発、それも素材開発から手がけようというのですから、たくさんの困難があり、投資のほとんどはネパリが受け持つと覚悟はしていても、生産者に一緒に取り組む意欲をもって欲しい、互いの立場を尊重しつつ、率直な意見交換をして協力し合わなければ実現しないと思っていたからです。様子を見ていて、ウシャさんは自分がやるしかないと思ったそうです。事務局長に留任を求められたウシャさんはそれを断り、ネパリの紙布プロジェクトに協力するため、2005年9月、ヤングワオを設立しました。
 それから7年近くが経ち、仕事を広げるため紙布だけでなく、他の布でも服をつくるようになりました。裁断と縫製を担当するビンジュさんは2度の日本研修を終えて技術を磨き、新人のパビットゥリさんに教えながら仕事を進めています。規模は未だに小さく、たくさんの商品は作れませんが、紙を切る人、糸に紡ぐ人、織る人、布を裁断する人、縫製する人、12名の女性たちが毎日元気に働いています。 

文:土屋春代
*WEANコープ:ネパール女性起業家協会(WEAN)のトレーニングを受け起業した約150名のメンバーの販路拡大のために1991年設立された生産者協同組合。

生産者のご紹介

ヤングワオクラフト, Young Wow Craft
ネパールの誇る手漉き紙から布を織り、服を作り、大勢の人の仕事につなげたいというネパリ・バザーロの提案に共鳴し、自らリスクをとって立ち上げたウシャさんの工房です。日本での技術研修に2度招いた縫製部門のビンジュさんは、毎日集中して取り組み、その成果は一つひとつの製品の質の向上に表れています。

ビンジュ・カドゥギさん(28 歳)
縫製部門の責任者です。10 年前に父親が、2年近く前に兄も亡くなり、74 歳の母親、32 歳と30 歳の姉たちとの女性だけの家庭にあって、安定した収入を得られ
る仕事を持つビンジュさんは大黒柱です。 最初に日本に技術研修に招いた時はまだ入って半年の新人でしたが、5年経った今は後輩に指導をしながら、しっかりとした仕事をする頼もしい存在となっています。そんなビンジュさんですが、普段ひとりで悩みながら仕事をしているのでしょう。工房を訪ねると服のパターンや縫製についていろいろな相談を受けます。布やパターンを挟んで話し合っていると、ビンジュさんは安らいだうれしそうな表情を見せてくれます。お互いに日本での研修が蘇り、懐かしさがこみ上げます。共にものづくりをする喜びを感じるひとときです。

パビットリ・リンブーさん(33歳)
3年前からヤングワオで働いている、一番新しいスタッフです。縫製を担当しています。夫(39 歳)、息子(13 歳)と3人暮らし。東ネパールのダンクタという町から10 年前に仕事を求めて出てきました。村には仕事がないので、将来村に帰って店か何かを始めるために夫婦で協力して働いています。都会の暮らしは合わず、お金を貯めたらできるだけ早く村に戻りたいそうです。

シタ・カナルさん(30 歳)
紙糸を紡ぐ女性の中にシタさんがいます。シタさんは障がいのある次男の世話のため、自宅を離れることができず、在宅ワーカーとして糸を紡いでいます。以前お宅を訪問した頃の幼顔から大人びた顔つきになり背も伸びたスダサン君(12 歳)に再会しました。元気に見えた彼が実は前夜から高熱が出て夜中に何回も嘔吐したと話すシタさん。ところが、スダサン君は母親の心配をよそに来客に喜び、はしゃぎます。彼が疲れては大変と、お茶をいただいて直ぐに退出しましたが、部屋を出て階段を降りる私たちの背中にスダサン君の愉しげな笑い声がいつまでも響きました。

サビナ・シュレスタさん(36 歳)
細く切ったロクタ紙を紡ぐ、糸作りをしています。ヤングワオ創立の時からのスタッフなので、ウシャさんの信頼も厚く、大事なことを決める時、ウシャさんはサビナさんとビンジュさんに相談します。夫(30 歳)、息子(3歳)と3人暮らし。5年前にカーストの違う夫とネパールではまだ珍しい恋愛結婚をしました。ヤングワオからは少し遠いのですが、働き続けるために実家の近くに住んでいます。56 歳の母親はとても元気で子守をしてくれるので、ありがたいととても感謝しています。夫の郷里はタライ平野(インド国境の亜熱帯地域)で農業を営んでいます。いつか村に住むの?と聞くと、「嫁の立場は大変。今の仕事は好きだし、子どもの教育も考えるとずっとカトマンズ近くに住み続けたい」と、サビナさん。だまって夫に従う旧来のスタイルと違う、女性主導の新しい家庭を築いているようです。

ナニ・マハラジャンさん(48 歳)
紙布を織るナニさんは、実家にあった織機で若い頃から布を織っていました。夫がナニさんと3人の娘たちを捨てて家を出た後、持参した嫁入り道具の手織り機は彼女と娘さんたちの生活を支えてくれました。パシュミナショールが流行った頃で、家で請け負って収入を得ていました。しかし、10 年前にそのブームが去ると仕事を失い、働くところが見つからないまま家に居ました。2年ほどして、知人にヤングワオを紹介され、働けるようになりようやく暮らしが安定しました。その頃、狭い家に引っ越していたので、置き場がなく困っていた織機もヤングワオに買い取ってもらえました。それから8年が経ちました。長女、次女は卒業後しばらく働いてから結婚し、今は末っ子のメヌカさん(19 歳)と二人で暮らしています。12 年生のメヌカさんが卒業し仕事を得るまで、まだまだ気がぬけません。家を出て他の女性と暮らしている夫からは何の支援もありません。娘たちの結婚の支度も全てナニさんが頑張って調えてきました。息子のいないナニさんは老後のことも不安だと言います。住まいの裏の狭い空き地を借りて野菜をつくっています。早朝、採れた野菜を市場で売ってから出勤するそうです。この朝、私たちの訪問のため、売りに行けなかったことを知り、ウシャさんが全部買い取ろうとしました。ナニさんはいつも世話になっているお礼にお金は要らないと言い、しばらく二人の押し問答は続きました。

紙で作った布の服。: シルクの糸と一緒に織りました。
 ネパールのロクタ(*)から作る純度の高い手漉き紙、ロクタ紙の販路を広げ、人々に仕事の機会を創るため、その紙から紙布を織り、服に仕立てようと始めた、ネパリ・バザーロの「紙布プロジェクト」。昔日本でも、極貧に苦しんだ農民たちが、貰い受けた反故紙から布を織り、野良着に仕立て、寒さから身を守っていたそうです。
 細く切った紙に、強い撚りをかけて紡ぐのは、気の遠くなるような作業です。しかし、ヤングワオ代表のウシャさんを始め、働く女性たち自身が工夫と努力を重ね、2006年春、ついに紙布の服が誕生しました。
 様々な方向を向きながら絡まり合った、ロクタの繊維からなる紙布は、細い糸の中に空気をたくさん含み、私たちの身体を暑さや寒さから守ってくれます。その上ふわりと軽く、肩もこりません。優れた特性を持ち、たくさんの人の想いが織り合わされた紙布の服。ぜひ一度羽織ってみてください。

*ロクタ:沈丁花の一種の潅木。ネパールの標高1200m~3000mの丘陵地帯から高地にかけて育つ。1000年以上も昔から最も重要な紙の原料として利用されてきた

シリーズ特集: 地域開発

シリンゲのコーヒー生産者とは、1996年頃からのお付き合いです。厳しい生活状況と知りながら、毎年、1、2トンしか購入することができませんでしたが、2009年、グルミのコーヒーのほぼ全量を韓国市場に出すことになり、私たちは、シリンゲの生産者との本格的な取り組みを開始しました。
シリンゲ地域は、約20年前にUMN(※)の農業開発プロジェクトが入り、パイプを引いて水路を作り、農業技術、子育て、トイレの作り方などを教えました。初めはカナダ人グループ、次いでオランダ人の2家族が住み込んで、コーヒー栽培も教えました。野菜を含め、村の今日の有機栽培の基礎が築かれました。私たちは、その基礎の上に、農民と将来のビジョンを何度も話し合い、有機栽培に関する再教育、トレーニングの機会を作りました。そして、協同組合の設立と登録、運営のための体制整備と有機証明取得のための書類作成、申請手続き、オーストラリアの認証機関との度重なるメールのやりとり、検査官の現地案内など、たくさんの使命を負いながら、後継世代を育てることまで含めて活動してきました。

Coffee Women Story
コーヒーの担い手はここにも!
文:土屋春代

シリンゲ村のコーヒー栽培による生活向上計画に重要な役割を果たしている女性たちがいます。もちろん村の女性たちは協同組合の会議にも積極的に参加し、収穫や選別も行いますが、カトマンズにも支えている女性たちはいるのです。
カトマンズに届いた生豆を再び丁寧に選別する女性たち。それぞれの厳しい家庭事情を背負って、豆の選別で家族の生活を支えながら、シリンゲコーヒーの高い品質を守っています。
さらに、輸出に必要な書類の手配をし、選別した豆を日本に送ってくれる、リチューアルフライトのスタッフ、ラクシュミさん。(P.12参照)彼女は村から送られてくる書類や情報を英語に訳したり、有機証明取得に関するデータ管理などの事務的な仕事を担い、しっかりと完二さんの申請手続きをサポートしています。農業の専門用語や村独特の生活様式がからみ、彼女の懸命な努力がなければ、日本に居て村のことを熟知し、細かく厳しい要求を受ける大量の申請書類を作ることは難しくなります。
シリンゲ村物語を構成する人物として重要な役割を担いながら、これまでスポットの当たらなかった女性たちに今回は登場していただきましょう。
カトマンズのカランキという町に輸出入代行会社「リチューアルフライト」の経営者、ディリーさんの家があります。その家の一角は、シリンゲ村のコーヒーの再選別所であり、倉庫ともなっています。ネパリ・バザーロがネパールコーヒーの輸入を開始した1994年から今日まで、惜しみない協力を続けるディリーさんは、自分の傍に置いておかないと不安だとばかりに、ずっとスペースを提供してくれています。カランキは、各地からの長距離バスの集まる所で、シリンゲのコーヒーが載ってくるバスもここに停まります。  ディリーさんのお宅にコーヒー豆の再選別に通ってくる4人の女性たちに近況を伺おうと、2011年11月、お邪魔しました。もう一つ、ディリーさんのお姉さんのおいしい手料理をいただこうという密かな目的もありましたが。
それぞれのワーカーのお宅を訪ねて事情を伺ってから早くも2年が過ぎていました。その後、韓国のバイヤーがグルミのコーヒーの再選別所を新たに設置したり、シリンゲのコーヒーが害虫被害で思うように収穫できなくなったりと不測の事態が続き、選別の仕事が激減してしまいました。仕事量に応じた給与制度なので、彼女達に何の落ち度もないのに収入が減ってしまうため、状況の詳しい説明にディリーさんの家に集まってもらいました。害虫被害の木は伐らねばならず、新たに木を植えても収穫できるまで数年かかります。有機証明取得のために参加農民を固定化していて、直ぐには新しいメンバーも増やせない状況が重なり、もし他によい仕事があったら転職してくださいと伝えました。ところが、皆、ずっとネパリと仕事をしたいから、コーヒーの収穫量が増えるまで給与が減っても待ちますと言ってくれました。そこで、仕事のない月は休業補償として、給与の半分を支払い、セービングファンド(*)の本人積立分を立替えて今日まできました。ようやく、2012年は収穫量が戻りつつあるという朗報が入り、ほっとしました。困難な時期に耐えてくれた彼女たちに今後の見通しを伝え、それぞれの生活状況を伺うため、一人ひとりとお話しました。


ラクシュミさん(24歳)はリチューアルで働き始めて約3年になります。朝6時から9時半までは大学で学んでいます。ネパールは働きながら学ぶ人が多いので早朝から授業が始まります。まだ暗い内に学校に行き、その後、出勤し、残業で遅くなることも多いので「頑張るね!辛くない?」と聞くと、「家から事務所まで歩いて30分しかかからないし、大学も途中にあるから大丈夫!」とニコニコ。
ラクシュミさんは3人兄弟の末っ子です。11歳の時に父親を亡くし、母親と学校をやめた長兄が働いて家計を支えてきました。次兄は6年ほど前からドラッグに溺れ、今も仕事をしていません。その話になると顔が曇り、「働いてお金を貯めて、ドラッグから立ち直れるよう施設に入れたい」と言います。
仕事を始めた頃、毎日のように遅く帰る娘を母親は案じて、「早く辞めたほうがよい」と言っていたそうです。けれど、熱心に仕事に取り組み、報われるとうれしそうな娘の様子を見て、よい仕事に出会えたことを知り喜んでくれるようになりました。また、ボスのディリーさんが遅くなった時はきちんと家まで送ってくれるので安心し、今ではこの仕事を続けられるように応援しているそうです。
銀行などの金融機関や大手企業に勤める友人たちは、世間から高く評価される職場とよい給与を得て、最初は喜んでいましたが、仕事だけで終わってしまう人間関係や利益のみを追求する企業の姿勢に疑問を感じ始め、会社は小さくても家族的な温かい職場で、人や社会にも貢献でき、やりがいのある仕事をしているラクシュミさんをとてもうらやましがるそうです。たくさんの素敵な出会いがあり、貴重な経験のできるリチューアルの仕事をラクシュミさんは「こんな職場は他にない。自分はラッキー!」と、喜びます。将来もっと社会に貢献できるように自分を磨きたいと言うラクシュミさんはとっても輝いてみえました。そんな彼女を見ている私の顔がうれしさにデレデレだったと、隣で聞いていたLa MOMOのひろさんに、後で笑われました。
シリンゲから戻った後、「村はどうだった?」と聞くと、「やっぱり行ってよかった。初めてでも、ケサブさんもユブラジさんも居てくれたから何も困らなかったし」と、やや疲れた様子ながら、訪問がとても充実していたことを感じさせてくれました。「また行きたい?」と聞くと、「ええ、でも、道がもっとよくなって車で行けるようになってからね!」。歩くことにはかなり参ったようです。   

Column
ラクシュミさん
初めての村訪問
文:丑久保完二

2010年12月、待望の有機証明を、一番厳しいと云われるオーストラリアの認証機関・NASAAから取得。そして、翌年の2011年11月、年に一度の外部検査に同行しました。ラクシュミさんとLaMOMOの土屋ひろさんも一緒に訪問しました。カトマンズで生まれ育ち、村の生活を知らないラクシュミさんにとって、現地を知る絶好の機会、そして、今後の仕事をスムーズに進めるためにも必要な体験です。崖を削った、やっと通れるほどの険しい道をジープで進み、さらに、道なき道を徒歩で登り降りする行程はラクシュミさんにとって初めての経験。あまりの厳しさに「キツイ!もうダメ!」と苦しそうに呻きつつも必死に歩いていました。2時間ほど歩いて村の中心部に到着しましたが、2年前までは8時間かかり、電気もなかった村でした。今は、電気もくるようになり、アクセスもだいぶ改善されました。しかし、まだまだ、厳しい生活は続いています。そんな中でコーヒーの販路が開け、スパイスも取り組みが予定され、将来を担う若い人材が、村ではケサブさん、街ではラクシュミさんのように育ちつつあり、皆の希望の光となっています。

フェアトレードのお店

楽しい&おいしいお店発見!
フェアトレードのお店

綾瀬駅から歩いて10分弱。東綾瀬公園のお散歩途中に寄りたい「ナチュラルカフェ コンポステラ」は、久保美子さんと普哉さんが2006年7月にオープンしました。
 15年ほど前にフェアトレードを知り、少しずつ購入するうちに、他の人にも知って欲しい、スーパーでは手に入らない本当に良いものを買える場所を作りたいと思うようになりました。カフェにしたのは、ただ物を売るだけでなく、料理や飲み物としてもフェアトレードを紹介できると思ったからでした。ネパリ・バザーロは、商品が可愛く、カタログの写真も素敵で、活動の想いをきちんと説明していることに、自分にピッタリ来るものを感じていたので、ネパリの商品を扱おうと開店前から決めていました。スパイス、コーヒー、紅茶、雑貨などを販売しています。
 カフェメニューは肉を使わず、ネパリのスパイスを「くるまぶの唐揚げカレー」や「ネパールのスパイスごはん」、そしてお惣菜7品が並ぶ「豆とやさいのプレート」の1~2品でも使用しています。どれも普哉さんのオリジナルレシピです。美子さんが作るスイーツにも紅茶などのネパリの食材が使われています。「ネパリのスパイスは香り高く、本格的な深い味わいになります」と普哉さん。その優しいおいしさに「どうやって作るんだろう」と皆さんが思うようで、レシピを紹介してくれる「お料理会」はリピーターも多く人気です。ネパリのスパイスを買って家で作ったお客様から「料理の腕が上がったと誉められた」と嬉しい報告もあるそうです。
 1、2ヶ月に1回開催しているライブは、演奏者にも観客にも愛されています。2011年3月の大震災以降、人と人が出会える場所、発信の場所としての意義を強く感じ、「ものがたりの会」というトークイベントも始めました。
 幅広くお客さまに楽しんでいただけるスペースにしようと、工夫を凝らすお二人。おいしいお料理と手作りのあたたかい時間を楽しみに、ぜひお立ち寄りください。

 サイマーケットは、池袋から地下鉄有楽町線か副都心線で3駅の小竹向原駅から徒歩3分程の住宅街にあります。光が差し込み、緑の美しいパティオを囲むように、こだわりの食品を使ったお料理やスイーツが楽しめるカフェと、フェアトレード商品も多数取り揃えた雑貨店が併設されています。広々としていて開放感のある店内は、肩の力がふっと抜け、ずっといたくなるような気持ちの良い空間です。
 雑貨店、カフェの両方で扱っている商品は、「フェアトレード」や「有機」というラベルが貼ってあるから取り扱っているというのではなく、店長の吉田実央さんやスタッフが気に入り、価格にも納得し、自分だったら買う、という自信のあるものばかりです。雑貨店には、ネパリのアクセサリーや雑貨、スパイスや紅茶、コーヒーなどが気持ちよさそうに並んでいます。
 作り手の顔が見え、作る人にも、買う人にも良いフェアトレードは特別なことではなく、本来はとても自然で当たり前なこと。そうでなくなっていることが問題な中で、溢れる情報に紛らわされず、できるだけ自然のあり方に反しない物を、自分の物差しで見極めて仕入れるよう努めている吉田さん。“地球全体から不自然な物が無くなり、みんなが普通に暮らしていける世界”を目指して、そんな意識がサイマーケットを訪れる人々に少しずつでも広がっていけばと語ります。
 雑貨店でゆっくりとお買い物をした後は、カフェで体の隅々まで喜ぶお食事とスイーツをどうぞ。安心でおいしい素材を使うカフェではヴィーガン、ベジタリアンメニューも豊富で、焼きたてのパンやテイクアウトメニューも魅力的です。どうぞお出かけください。

 八王子駅北口から徒歩5分ほど、賑やかな商店街を抜けて交差点を渡ると、昔ながらのお店やこだわりのお店が並ぶ一角にナチュラル雑貨の店、フルコストがあります。毎年冬には店の外にネパリのカラフルくつしたやレッグウォーマーをたくさん並べ、人目を引いて大人気です。オーガニック、という言葉を普段あまり意識しない方でもちょっと入ってみたくなるようなおしゃれな店内は、ステンドグラスの優しい灯りと木の温もりがマッチして、落ち着いた雰囲気です。オーガニックコンシェルジュの資格を持つ代表の松浦一男さんと、店長の松浦和美さんが仕入れた商品は、ネパリの食品をはじめ、オーガニック食品や、ナチュラルコスメ、掃除用品など、毎日習慣づけて使っていきたい、地球と身体に優しいものばかりです。
 大企業で働いていた一男さんは、多くの利益を出すために売ることばかりを考え、企業の歯車として生きていくことに疑問を持っていました。妻の和美さんが家庭内で揃えていたオーガニックな物、子どもにも安心して食べさせることのできる物に触れるうち、社会に良いものを売って、自立していこうと考えるようになりました。企業の歯車として終わるのではなく、いきいきとした現役のままでいたい、そう思い、3年前に和美さんと二人でフルコストをオープンしました。
 常連のお客様にも恵まれました。お客様の求めているものをお聞きしたり、おすすめしていくうちに、大企業ではなかなか得られない、作り手とお客様を繋ぐ役割を実感し、お客様との出会いに感謝するという一男さん。そうした出会いや繋がりを大切にして、作り手ともお客様とも、ビジネスを越えたお付き合いをしていきたいと考えています。オーガニックなもの、地球と体に優しいものを通してお客様が元気になってくださることが一番幸福という和美さんと二人、温もり溢れるお店でお待ちしています。

JR新小岩駅南口を出て、通りを渡って路地に入るとすぐに、「DECOYa」のオレンジ色の看板が目を引きます。扉を開けると、アジア諸国でハンドメイドされた家具、インテリア雑貨、衣類、食品などが天井まで盛りだくさんで、おもちゃ箱の中に迷い込んだようです。商品の約1/3は、ネパリを含むフェアトレード商品です。
 森田暁さんは、仕事を辞めてアジア雑貨店を開こうと計画する中でフェアトレードのことを知りました。従来の「一方的な資金援助」ではなく、自分が気に入った商品を購入することが支援になる、誰でも気軽にできる国際協力として、店で扱うことに決めました。フェアトレード商品を買える店は都内でも東部では少なかったため、千葉方面に住む人もちょっと途中下車して買いに来られるようにと、地元の駅からすぐ近くに店の場所を決めました。ネパリの商品も2004年の開店当初から食品や雑貨などを店に置いています。中でもヘンプスリッパは根強い人気です。コーヒーやスパイスも長く常連の方がいらっしゃいます。森田さん自身も、癖がなくて飲みやすいネパリのレギュラーコーヒーをいつも飲んでいるそうです。
 店に置いている商品はネットショップでも扱っていますし、店にないアジア家具やインテリア雑貨なども掲載されています。「店だけでなく、ネットを通じてもフェアトレードの理解者を増やしていきたい」と語る森田さん。ぜひホームページもご覧になってください。

フェアトレードのお店紹介 (vol.37)

●足立区
毎日を丁寧に フェアトレード&オーガニック
ナチュラルカフェコンポステラ

綾瀬駅から歩いて10分弱。東綾瀬公園のお散歩途中に寄りたい「ナチュラルカフェ コンポステラ」は、久保美子さんと普哉さんが2006年7月にオープンしました。15年ほど前にフェアトレードを知り、少しずつ購入するうちに、他の人にも知って欲しい、スーパーでは手に入らない本当に良いものを買える場所を作りたいと思うようになりました。カフェにしたのは、ただ物を売るだけでなく、料理や飲み物としてもフェアトレードを紹介できると思ったからでした。ネパリ・バザーロは、商品が可愛く、カタログの写真も素敵で、活動の想いをきちんと説明していることに、自分にピッタリ来るものを感じていたので、ネパリの商品を扱おうと開店前から決めていました。スパイス、コーヒー、紅茶、雑貨などを販売しています。カフェメニューは肉を使わず、ネパリのスパイスを「くるまぶの唐揚げカレー」や「ネパールのスパイスごはん」、そしてお惣菜7品が並ぶ「豆とやさいのプレート」の1~2品でも使用しています。どれも普哉さんのオリジナルレシピです。美子さんが作るスイーツにも紅茶などのネパリの食材が使われています。「ネパリのスパイスは香り高く、本格的な深い味わいになります」と普哉さん。その優しいおいしさに「どうやって作るんだろう」と皆さんが思うようで、レシピを紹介してくれる「お料理会」はリピーターも多く人気です。ネパリのスパイスを買って家で作ったお客様から「料理の腕が上がったと誉められた」と嬉しい報告もあるそうです。1、2ヶ月に1回開催しているライブは、演奏者にも観客にも愛されています。2011年3月の大震災以降、人と人が出会える場所、発信の場所としての意義を強く感じ、「ものがたりの会」というトークイベントも始めました。幅広くお客さまに楽しんでいただけるスペースにしようと、工夫を凝らすお二人。おいしいお料理と手作りのあたたかい時間を楽しみに、ぜひお立ち寄りください。綾瀬駅から歩いて10分弱。東綾瀬公園のお散歩途中に寄りたい「ナチュラルカフェ コンポステラ」は、久保美子さんと普哉さんが2006年7月にオープンしました。 15年ほど前にフェアトレードを知り、少しずつ購入するうちに、他の人にも知って欲しい、スーパーでは手に入らない本当に良いものを買える場所を作りたいと思うようになりました。カフェにしたのは、ただ物を売るだけでなく、料理や飲み物としてもフェアトレードを紹介できると思ったからでした。ネパリ・バザーロは、商品が可愛く、カタログの写真も素敵で、活動の想いをきちんと説明していることに、自分にピッタリ来るものを感じていたので、ネパリの商品を扱おうと開店前から決めていました。スパイス、コーヒー、紅茶、雑貨などを販売しています。 カフェメニューは肉を使わず、ネパリのスパイスを「くるまぶの唐揚げカレー」や「ネパールのスパイスごはん」、そしてお惣菜7品が並ぶ「豆とやさいのプレート」の1~2品でも使用しています。どれも普哉さんのオリジナルレシピです。美子さんが作るスイーツにも紅茶などのネパリの食材が使われています。「ネパリのスパイスは香り高く、本格的な深い味わいになります」と普哉さん。その優しいおいしさに「どうやって作るんだろう」と皆さんが思うようで、レシピを紹介してくれる「お料理会」はリピーターも多く人気です。ネパリのスパイスを買って家で作ったお客様から「料理の腕が上がったと誉められた」と嬉しい報告もあるそうです。 1、2ヶ月に1回開催しているライブは、演奏者にも観客にも愛されています。2011年3月の大震災以降、人と人が出会える場所、発信の場所としての意義を強く感じ、「ものがたりの会」というトークイベントも始めました。 幅広くお客さまに楽しんでいただけるスペースにしようと、工夫を凝らすお二人。おいしいお料理と手作りのあたたかい時間を楽しみに、ぜひお立ち寄りください。

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〒120-0005 東京都足立区綾瀬5-7-2第91新井ビル1F
店主 :久保美子
Tel&Fax :03-3628-5366
Open :ランチ11:30~14:00(土日祝~15:00)、カフェ14:00~15:00(土日祝15:00~16:00)、ディナー17:30~20:00(水金曜休み)
定休 :不定期

http://www.k5.dion.ne.jp/~composte/
compostela@y9.dion.ne.jp
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●板橋区
心地よい空間で心地よい時間を
SAI MARKET(サイマーケット)

サイマーケットは、池袋から地下鉄有楽町線か副都心線で3駅の小竹向原駅から徒歩3分程の住宅街にあります。光が差し込み、緑の美しいパティオを囲むように、こだわりの食品を使ったお料理やスイーツが楽しめるカフェと、フェアトレード商品も多数取り揃えた雑貨店が併設されています。広々としていて開放感のある店内は、肩の力がふっと抜け、ずっといたくなるような気持ちの良い空間です。雑貨店、カフェの両方で扱っている商品は、「フェアトレード」や「有機」というラベルが貼ってあるから取り扱っているというのではなく、店長の吉田実央さんやスタッフが気に入り、価格にも納得し、自分だったら買う、という自信のあるものばかりです。雑貨店には、ネパリのアクセサリーや雑貨、スパイスや紅茶、コーヒーなどが気持ちよさそうに並んでいます。作り手の顔が見え、作る人にも、買う人にも良いフェアトレードは特別なことではなく、本来はとても自然で当たり前なこと。そうでなくなっていることが問題な中で、溢れる情報に紛らわされず、できるだけ自然のあり方に反しない物を、自分の物差しで見極めて仕入れるよう努めている吉田さん。“地球全体から不自然な物が無くなり、みんなが普通に暮らしていける世界”を目指して、そんな意識がサイマーケットを訪れる人々に少しずつでも広がっていけばと語ります。雑貨店でゆっくりとお買い物をした後は、カフェで体の隅々まで喜ぶお食事とスイーツをどうぞ。安心でおいしい素材を使うカフェではヴィーガン、ベジタリアンメニューも豊富で、焼きたてのパンやテイクアウトメニューも魅力的です。どうぞお出かけください。

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〒173-0037  東京都板橋区小茂根1-9-5

店長:吉田実央

Tel:03-5995-2700(雑貨)、03-5995-2703(カフェ)

Fax:03-5995-2701

Open:11:00~20:00(雑貨)、11:00~21:00ラストオーダー(カフェ)

定休:水曜

URL:http://saimarket.com/

シリーズ特集:地域開発 「シリンゲ村物語 ~コーヒーの担い手はここにも!~」

はじめに

ネパールからコーヒーの輸入を始めたのは1994年9月でした。コーヒーの正式輸出第一号ということで、必要な植物検疫証明書をネパール政府に出してもらう段階から悪戦苦闘。生産地の特定化でも苦労し、僅かずつコーヒー栽培をしていたいくつかの生産地の中から、ようやく西ネパールのグルミ協同組合というパートナーを見つけ、自然農法を守りながら力を合わせて有機農業を推進してきました。シリンゲのコーヒー生産者とは、1996年頃からのお付き合いです。厳しい生活状況と知りながら、毎年、1、2トンしか購入することができませんでしたが、2009年、グルミのコーヒーのほぼ全量を韓国市場に出すことになり、私たちは、シリンゲの生産者との本格的な取り組みを開始しました。
シリンゲ地域は、約20年前にUMN(※)の農業開発プロジェクトが入り、パイプを引いて水路を作り、農業技術、子育て、トイレの作り方などを教えました。初めはカナダ人グループ、次いでオランダ人の2家族が住み込んで、コーヒー栽培も教えました。野菜を含め、村の今日の有機栽培の基礎が築かれました。私たちは、その基礎の上に、農民と将来のビジョンを何度も話し合い、有機栽培に関する再教育、トレーニングの機会を作りました。そして、協同組合の設立と登録、運営のための体制整備と有機証明取得のための書類作成、申請手続き、オーストラリアの認証機関との度重なるメールのやりとり、検査官の現地案内など、たくさんの使命を負いながら、後継世代を育てることまで含めて活動してきました。(文:丑久保完二)
※…United Mission to Nepalの略。ネパールにて、キリスト教精神に基づき、貧困改善を目指す活動。

コーヒーの担い手はここにも!

シリンゲ村のコーヒー栽培による生活向上計画に重要な役割を果たしている女性たちがいます。もちろん村の女性たちは協同組合の会議にも積極的に参加し、収穫や選別も行いますが、カトマンズにも支えている女性たちはいるのです。カトマンズに届いた生豆を再び丁寧に選別する女性たち。それぞれの厳しい家庭事情を背負って、豆の選別で家族の生活を支えながら、シリンゲコーヒーの高い品質を守っています。さらに、輸出に必要な書類の手配をし、選別した豆を日本に送ってくれる、リチューアルフライトのスタッフ、ラクシュミさん。(P.12参照)彼女は村から送られてくる書類や情報を英語に訳したり、有機証明取得に関するデータ管理などの事務的な仕事を担い、しっかりと完二さんの申請手続きをサポートしています。農業の専門用語や村独特の生活様式がからみ、彼女の懸命な努力がなければ、日本に居て村のことを熟知し、細かく厳しい要求を受ける大量の申請書類を作ることは難しくなります。
シリンゲ村物語を構成する人物として重要な役割を担いながら、これまでスポットの当たらなかった女性たちに今回は登場していただきましょう。カトマンズのカランキという町に輸出入代行会社「リチューアルフライト」の経営者、ディリーさんの家があります。その家の一角は、シリンゲ村のコーヒーの再選別所であり、倉庫ともなっています。ネパリ・バザーロがネパールコーヒーの輸入を開始した1994年から今日まで、惜しみない協力を続けるディリーさんは、自分の傍に置いておかないと不安だとばかりに、ずっとスペースを提供してくれています。カランキは、各地からの長距離バスの集まる所で、シリンゲのコーヒーが載ってくるバスもここに停まります。  ディリーさんのお宅にコーヒー豆の再選別に通ってくる4人の女性たちに近況を伺おうと、2011年11月、お邪魔しました。もう一つ、ディリーさんのお姉さんのおいしい手料理をいただこうという密かな目的もありましたが。それぞれのワーカーのお宅を訪ねて事情を伺ってから早くも2年が過ぎていました。その後、韓国のバイヤーがグルミのコーヒーの再選別所を新たに設置したり、シリンゲのコーヒーが害虫被害で思うように収穫できなくなったりと不測の事態が続き、選別の仕事が激減してしまいました。仕事量に応じた給与制度なので、彼女達に何の落ち度もないのに収入が減ってしまうため、状況の詳しい説明にディリーさんの家に集まってもらいました。害虫被害の木は伐らねばならず、新たに木を植えても収穫できるまで数年かかります。有機証明取得のために参加農民を固定化していて、直ぐには新しいメンバーも増やせない状況が重なり、もし他によい仕事があったら転職してくださいと伝えました。ところが、皆、ずっとネパリと仕事をしたいから、コーヒーの収穫量が増えるまで給与が減っても待ちますと言ってくれました。そこで、仕事のない月は休業補償として、給与の半分を支払い、セービングファンド(※)の本人積立分を立替えて今日まできました。ようやく、2012年は収穫量が戻りつつあるという朗報が入り、ほっとしました。困難な時期に耐えてくれた彼女たちに今後の見通しを伝え、それぞれの生活状況を伺うため、一人ひとりとお話しました。(文:土屋春代)
※…将来に備えた財形貯蓄システム。ワーカー本人と職場、ネパリの3者が一定額をワーカー名義の口座に積み立てます。入院手術、子どもの教育費などまとまったお金の必要な時以外は使えません。

ラクシュミ・バジラチャルヤさん インタビューより。

 

ラクシュミさん(24歳)はリチューアルで働き始めて約3年になります。朝6時から9時半までは大学で学んでいます。ネパールは働きながら学ぶ人が多いので早朝から授業が始まります。まだ暗い内に学校に行き、その後、出勤し、残業で遅くなることも多いので「頑張るね!辛くない?」と聞くと、「家から事務所まで歩いて30分しかかからないし、大学も途中にあるから大丈夫!」とニコニコ。ラクシュミさんは3人兄弟の末っ子です。11歳の時に父親を亡くし、母親と学校をやめた長兄が働いて家計を支えてきました。次兄は6年ほど前からドラッグに溺れ、今も仕事をしていません。その話になると顔が曇り、「働いてお金を貯めて、ドラッグから立ち直れるよう施設に入れたい」と言います。
仕事を始めた頃、毎日のように遅く帰る娘を母親は案じて、「早く辞めたほうがよい」と言っていたそうです。けれど、熱心に仕事に取り組み、報われるとうれしそうな娘の様子を見て、よい仕事に出会えたことを知り喜んでくれるようになりました。また、ボスのディリーさんが遅くなった時はきちんと家まで送ってくれるので安心し、今ではこの仕事を続けられるように応援しているそうです。銀行などの金融機関や大手企業に勤める友人たちは、世間から高く評価される職場とよい給与を得て、最初は喜んでいましたが、仕事だけで終わってしまう人間関係や利益のみを追求する企業の姿勢に疑問を感じ始め、会社は小さくても家族的な温かい職場で、人や社会にも貢献でき、やりがいのある仕事をしているラクシュミさんをとてもうらやましがるそうです。たくさんの素敵な出会いがあり、貴重な経験のできるリチューアルの仕事をラクシュミさんは「こんな職場は他にない。自分はラッキー!」と、喜びます。将来もっと社会に貢献できるように自分を磨きたいと言うラクシュミさんはとっても輝いてみえました。そんな彼女を見ている私の顔がうれしさにデレデレだったと、隣で聞いていたLa MOMOのひろさんに、後で笑われました。シリンゲから戻った後、「村はどうだった?」と聞くと、「やっぱり行ってよかった。初めてでも、ケサブさんもユブラジさんも居てくれたから何も困らなかったし」と、やや疲れた様子ながら、訪問がとても充実していたことを感じさせてくれました。「また行きたい?」と聞くと、「ええ、でも、道がもっとよくなって車で行けるようになってからね!」。歩くことにはかなり参ったようです。(文:土屋春代)

ラクシュミさん 初めての村訪問

2010年12月、待望の有機証明を、一番厳しいと云われるオーストラリアの認証機関・NASAAから取得。そして、翌年の2011年11月、年に一度の外部検査に同行しました。ラクシュミさんとLaMOMOの土屋ひろさんも一緒に訪問しました。カトマンズで生まれ育ち、村の生活を知らないラクシュミさんにとって、現地を知る絶好の機会、そして、今後の仕事をスムーズに進めるためにも必要な体験です。崖を削った、やっと通れるほどの険しい道をジープで進み、さらに、道なき道を徒歩で登り降りする行程はラクシュミさんにとって初めての経験。あまりの厳しさに「キツイ!もうダメ!」と苦しそうに呻きつつも必死に歩いていました。2時間ほど歩いて村の中心部に到着しましたが、2年前までは8時間かかり、電気もなかった村でした。今は、電気もくるようになり、アクセスもだいぶ改善されました。しかし、まだまだ、厳しい生活は続いています。そんな中でコーヒーの販路が開け、スパイスも取り組みが予定され、将来を担う若い人材が、村ではケサブさん、街ではラクシュミさんのように育ちつつあり、皆の希望の光となっています。(文:丑久保完二)

だからおいしい。だから安心。生産者の思いやこだわり。(vol.36)

ネパールの街から遠く離れた小さな農家で、自然にそった方法で作られたコーヒーや紅茶、スパイス、ハーブ。
国産のこだわりの素材を加えて、日本の地域作業所で作ったクッキーやケーキ。食べる人のことを想い、大切に、
愛情を込めて作っています。

スパイシー・ホーム・スパイシーズ村で収穫されたスパイスをパッキングしている工房です。
代表のシターラ・ラジバンダリさんのもと、厳しい経済状態にある女性たちが
スパイスを粉末にし、新鮮なうちにパッキングをして、日本に出荷しています。
2007 年よりネパリ・バザーロと協力し、ワーカーたちに対して、セービング
ファンド(将来に備えて積み立てる資金)を始めました。

カンチャンジャンガ紅茶農園

カンチャンジャンガ紅茶農園は、100 を超える農家が協力して協同組合組織
を作り、農家の人々自身の力により始められました。空気と水が新鮮な、海抜
2000 m前後の山間部の不毛だった土地を活用し、生活改善に役立てています。
有機農業の実践により土壌が肥沃になり、退化が抑えられ、紅茶の木で地滑り
を未然に防いでもいます。

     シリンゲ村

首都カトマンズから、バスを乗り継いでほぼ一日、そこから徒歩で8時間以上
歩くと、ようやくシリンゲに辿り着きます。豊かな自然に育まれた、空気がとても
おいしい地域です。「シリンゲ村物語」は、農民たちが、一粒一粒手で摘み、皮
むきや選別作業も全て手で行うなど、てまをかけた逸品です。

    とりのさと農園

ケーキに使用している卵を作っています。黄身着色のための飼料は与えません。
通常より密集していない鶏舎をゆったりと歩きながら、鶏たちはマイペースで卵を
産みます。

有機農場 とりのさと農園
愛知県知多郡南知多町
大字内海字西鈴ケ谷23−23
Tel:0569-62-0889
HP:homepage2.nifty.com/torinosato

     まどか工房
 

ケーキとシナモンクッキー、ジンジャークッキーを作っています。最後に手にする
お客様に満足してもらえるようにと責任を持ってしっかりと働くことを大事にしています。

社会福祉法人 夢21福祉会 まどか工房
 神奈川県横浜市旭区本宿町18-14
Tel:045-360-1885
Fax:045-360-1806
HP : www.k3.dion.ne.jp/~madoca
Mail:madoca@r6.dion.ne.jp

    かたくりの里

シナモンとジンジャー以外のクッキーを作っています。オーガニックで栽培された
ネパールの食材の風味を活かすよう国産の材料も厳選された安全な材料を使っています。

社会福祉法人県央福祉会 かたくりの里
神奈川県藤沢市湘南台2-18-1
サンウエイ湘南ビル2F-D
Tel & Fax:0466-45-8512
Mail:katakuri.office@tomoni.or.jp

お客様の声(vol.36)

私たちの元気の源!

職場のコーヒーを一部シリンゲ村コーヒーに変更したところ、評判も上々です(個人的にはすごくおいしくなったと思います)。
コーヒー利用者の方には、会費の値上げをお願いしましたが、快く受け入れてくれたのが、うれしかったです。職場ぐるみで
応援しています。シリンゲ村にコーヒー栽培が着実に根付き、発展しますように。
(愛知県 Y・I様)

ニュースやHP、いつも心熱く見させていただいています。チェック柄ドレスのグレーを買った方が「気持ちよく着やすい」と
色ちがいで2枚目も買われました。暑いので涼しい洋服を求める人が多いです。綿ですネ。ギャザースカートは、軽くて涼
しくて最高です! 私、スカートはいてきたかなあーと笑い話でした。宣伝しがいがあります。
(大阪府のお店「accha」阿字地千佳子様)

注文してすぐに送って下さりありがと
うございました。“お気に入り”の一
枚になりました。この号の注文は何かと返
品が多くなり…申し訳ない気持ちだったの
ですが、電話で気持ちよく対応して下さり、
嬉しかったです。カタログで買う難しさも
ありますが、その分想像力がたくましくな
り、思った通りや思い以上だと喜びは倍に
なりますネ。面倒かけますが、これからも
楽しませてください。(岐阜県 A・A様)

サヌ・バイさんのヘアピンとかんざしを
いつもお世話になっているバレエの
先生にささやかなプレゼントとして今日渡
しました。とっても喜んでくれて、「こうい
うシンプルでかわいいヘアアクセサリーっ
てなかなか無くて探してたの。どこで売っ
てるの?」と大変お気に入りの様子でした。
これからも違う種類や新作が出来たらプレ
ゼントに使おうと思います。
(北海道 Y・T様)

レトルトカレー、きのこも野菜もとて
もおいしかったです。リピートしま
す。一人で食べる、ちょっとぜいたくなお
昼ごはんにしています。(埼玉県 M・M様)

いつも新しいカタログが届くのを楽し
みにしています。ページをめくれば、
ふんわりと温かい気持ちになります。さら
に、カタログを眺めながら、気に入った物
と今まで購入した物とイメージの中で組み
合わせながら、あれこれと思いを巡らす楽
しいひとときを過ごします。今回もまた、
素敵な品物と出会うことができ嬉しいです。
ネパールの作り手の皆さんとネパリのス
タッフさんに感謝です。(岡山県 S・T様)

先日はわざわざ手書きのお便りいただ
きありがとうございました。衣類を
注文したのですが、着心地がよく、大変気
に入ってます。今日も注文しました。少し
ずつですがこれからも協力していきたいと
思っています。あ、紅茶もおいしいです。
(福岡県 Y・Y様)

竹布のパンツは、想像がつかなかった
のですが、まさにシルクのようです
ね。暑い夏に重宝しそうです。購入して、
良かったです、ありがとうございました。
(兵庫県 H・M様)

思わぬ発見をお伝えしたくて、ついつ
いメールしております。それは…今
夜会社の同僚の結婚祝いの小さな集まりが
あるので、洋服を考えていたのですが、す
とんとかぶったチュニックが後ろ前。(そ
そっかしいのです、私)あらら~、あれ?
でも、これ可愛いかも
!!
怪我の功名ですね。
背中が少し空くので、うしろがリボンになっ
ているネックレスを合わせてみました。ホ
ルターネックのキャミソールなんかでも良
いかもしれません。ぜひお試しください!
(神奈川県 S・K様)

この度は快く交換に応じて下さいまし
てありがとうございました。ギャザー
スカート楽しみにしております。レース織
Tブラウスは、イメージ以上に素敵に思い
ます。大切に着させていただきます。
(静岡県 T・O様)

フェアトレードの意味と活動を広く紹
介したいと思いネパリさんの活動紹
介パンフレットをお届けいただくなどい
ろいろとご協力いただきましたフリーマー
ケットは、無事終了いたしました。店に来
てくれたお客さんとの会話で感じたのは
「やっぱり、フェアトレードのこと知らない
人が多いなぁ…」ネパリさんご自身、最初
に活動を始められるに当たりはるかに大き
な世間の無理解や偏見などと戦ってこられ
たと思います。私の経験は、それとは到底
比べ物にならないくらいチッポケですがそ
の大変さの一端を感じることができました。
今思うのは、今回はほんの始まりだという
ことです。少し言い訳めきますが、これか
らも息長く続けていくことの方が大事なん
ではないかと。終了後、主催者に残ったクッ
キーをプレゼントしたところ今後、当日会
場になった彼女の家に来てくれる人にクッ
キーを出すときフェアトレードの宣伝させ
てもらう、と言ってくれました。それなら、
ということでネパリさんのカタログも彼女
に託して帰りました。ほんとに「知らない
人に知ってもらう」のは時間がかかります
ね。私の場合、ネパリさんで購入する服や
食べものを通してゆっくりですが、息長く
フェアトレードの意義を伝えていきたいと
改めて思った次第です。どうか気長にお付
き合いくださいませ。また、届いた中で一
番楽しみにしていたのが「紙布切替ブラウ
ス」です。前からデザインが気にいって「い
つか…」と思っていましたのでとっても嬉
しいです。手に取ってみると、想像してい
たのよりずっと表情豊かでしかも繊細な布
だったので驚きました!一緒にお届けいた
だいた(ありがとうございました!)「フェ
アトレードの服と暮らそう」に、その経緯
が書かれていますがネパールの工房の皆さ
んとネパリさんの努力の結晶を着られる幸
せ!を、いま改めて感じております。
(大阪府 M・K様)

ットン刺繍のショルダーバッグ、とて
も素敵で嬉しいです。荷物が沢山入る
のも便利です。(長野県 Y・M様)

つ葉連絡会さん(関西の自然食品の
宅配会社)をずっととっていますが、
その中でネパリ・バザーロの商品をたくさ
ん見つけるようになり、両方の仲の良さに
私はまちがってなかったとうれしく思いま
す!(京都府 Y・K様)

才5ヶ月の娘が、ネパリのカレー(は
ちみつひき肉のカレー)をパクパク食
べて、とてもうれしかったです。野菜のカ
レーも大好きなさつま芋を入れたら、食べ
ました。今回、購入するケーキと紅茶はお
友達にプレゼントする予定です!
(東京都 M・K様)

日、早速届いたパンツをはいてみた
らとてもよかったので色違いを注文
いたします。実は、足を怪我しておりまし
てギプスをしています。そんな足が入るパ
ンツがなかなか見つからず困っておりまし
た。松葉杖をつくのに差し支えのないトッ
プスと合うパンツが見つかってホッとして
います。(東京都 T・T様)

つも心のこもったメッセージととも
に、素敵な商品を ありがとうござい
ます。どれも皆、すばらしいです。フラワー
ルーズニットハットは自分に似合うか心配
でしたがとてもいい感じです。気に入りま
した。インセンスも魅惑的でいて、とても
落ち着く香りですね。夏の夕暮れ時や、目
覚めにもぴったりです。こんなすばらしい
物を企画し、作ってくださるスタッフの皆
様、ネパールの方々に感謝です。身にまと
う服は、幸せな気分にしてくれます。
(新潟県 S・K様)

ットコートを友人から譲り受けました
が、何年も着たので、背中の上部にほ
つれが出てしまいました。一度は義母に編
み込んでもらいましたが、また一箇所ほつ
れてきたので、一度見ていただこうかと思
い、送る事にします。名も知らぬ職人さん
ですが、大事に作って頂いたニットが、ま
た手元に戻るのだろうか…と想像するだけ
で胸が熱くなります。ネパールと日本を行
き来し、良い職人さんによる品を届けて下
さるお仕事は、本当に貴い事だと思います。
寒くなるまで、日がありますので、ゆっく
りとお手すきの時に修繕して頂けたらと思
います。(奈良県 M・H様)

ーヒー生豆届きました。バチバチと
力強くはじけ香りがたち均一に炒り
あがりました。コーヒーを口に含むといつ
もの、ほっとした時間が流れました。深炒り、
普通、浅炒りで試してみました。今までの
豆(特に浅炒り)、少し冷めてくると酸味が
出てくるのですが、今回の豆、炒り方にか
かわらず、ほんのり豆の甘みが出ます。初
めての味です。豆の形はアラビカ種で変わ
らないのに、こんなに味が変わるなんて不
思議です。また、魅力が増えました。
(静岡県 K・S様)

回の服も「あぁ~もったいなくて着
られない~」と思いながらも、1度
袖を通すともう気持ち良くてやっぱり最高
です。この暑い夏も大活躍してくれそうで
す。私にはちょっぴり贅沢と思いつつ、やっ
ぱりネパリは止められません。大好きです!
ネパリらしい服をどんどん作って、もっと
もっとネパリファンを広げて下さい。私も
毎日ネパリの服を着て回りに見せびらかし
ちゃいますね。暑い暑い夏、体に気をつけ
ながらみんなで頑張りましょうね!
(東京都 H・U様)

に夏はネパリの服が一番です。毎日
着ています。夏のお便りありがとう
ございました。ページごとに商品に対する
メッセージを読むと欲しくなっちゃいます。
そこで早速注文しちゃいました。夏は特に
ネパリ・バザーロさんの服の気持ち良さを
実感します。汗をかいても爽やか! おかげ
さまです。とっかえひっかえ毎日楽しんで
着ています。(静岡県 C・S様)

ンプコットン生地のスカートとても
気に入りました。涼しくて、色もと
ても気に入り嬉しくてシャーリングブラウ
スと組み合わせて着て見ました。私には少
し若いかなと思いましたが家族がとてもス
テキだと言って来れたので最高です! ネパ
リ・バザーロの製品は素晴らしいです。
(岩手県 M・S様)

くにお店さん「つきのいえ」があり、
先日行ってみました。夫がネパリの
マサラで作るカレーを大変気に入り、30
人程集まるBBQで、当日自分たちで収穫
した無農薬野菜をたくさん使ってベジタブ
ルカレーを作りました。御陰さまでご好評
いただき、マサラの注文をいただきました
ので、よろしくお願い致します。これをきっ
かけに今回ご注文くださった方々にもネ
パールやネパリの活動のことなどお伝えし
ていけたらなと思っています。
( 長野県 M・Y様)
東日本大震災の支援活動に際して、現地の
方からお声を頂きました。

巻のブランの菅原千益さんの所でお
世話になりました。お布団や台所用
品等、本当にありがとうございました。只
今我が家は四次避難先に移動し、ようやく
いただいた3枚の敷布団をならべて使える
ようになりました。住まいのこと、子供達
のこと、心のこと、まだまだ暗闇にいる気
持ちではありますが、家族四人力を合わせ
て頑張ります。移動先でもネパリさんのメッ
セージを台所にはって、毎朝あいさつをし
てパワーをもらっています! 毎朝、ありが
とうございます 子供達や私に洋服を送っ
てくれた友人に私もお礼がしたく、真心の
こもったネパリさんのギフトカタログを贈
りたいと思いました。
(宮城県 M・K様)
東日本大震災の支援活動に関して頂いた、
お客様のお声です。

タログが届く度に、ワクワクします。
また、同封されていた震災支援の中
間報告を読み、皆さんの活動に頭が下がり
ます。カタログギフトもいつか利用したい
と思っていますが、洋服を注文するといつ
も後回しになってしまいます。(洋服の注文
数を減らせばいいのですが…。)今回も、ど
んな商品なのか、楽しみにしています。
(東京都 A・K様)

たたかく、かわいい商品も多いので、
いつもカタログが届くのを楽しみに
しています。こちらの服を着ていると友人
に必ず「ステキね!」と声をかけられ、う
れしくなります。大震災への支援は職場を
通じても行なっていて、多くは出来ません
が、長期的に送りたいと思っています。
( 埼玉県 F・K様)

織りフレンチブラウス、本日受け取
りました。手触りのよい、かわいい
ブラウスですね。さっそく、イベントの時
に購入させていただいたブルーのティアー
ドパンツや、手持ちのスカートと合わせて
みたいと思います! ありがとうございまし
た。また、東北支援における、ネパリ・バザー
ロの迅速な行動力には本当に感服しました。
皆、力になりたいとは思いつつもなかなか
実際に行動には移れない中、さすがです。
どうか、支援に赴かれているスタッフの方々
にはお身体を大切にしていただきたいと思
います。( 東京都 A・I様)

々や車があっという間に津波に押し流
されていく映像や、次々に起きる原
発の問題点をテレビのニュースで見ながら、
あまりの被害の大きさに、かえって現実味
を感じられないくらいでした。うそでしょ
…と。そして、避難所の人々になかなか救
いの手が届かない様子をいらいらしながら
ただ見ているだけの自分がはがゆくもあり
ました。その一方で、我が家の庭にはいつ
ものように春がきて、次々に花が咲き幸せ
なひとときを過ごしている私。この庭や家
がごっそり津波で流されて、何もかもなく
なってしまったとしたら、どれ程のショッ
クを受けるのだろう。これからどうやって
生きていけばいいのかと気が遠くなるだろ
うなと思います。さっそく、支援の動きを
始めてくれたネパリさん、私には支援金を
送ることしかできませんが、どうぞ支援を
続けていって下さいね。
(熊本県 C・M様)
3 .
11
東日本大震災への支援について、
ネパリ・バザーロの皆様の活動に敬
意を表します。私も少しだけボランティア
で生活の困難な人々の支援をしている事も
あり、災害後の支援の在り方については考
えていましたが、短中期・長期と復興への
道筋を見据えた具体的な計画を読み、さす
が、ネパールの人々の日常を支え続けてい
らっしゃる団体だと、改めて感じ入りまし
た。送金が遅くなっている間に、夏増刊号
が届き、中間報告を読ませていただき「生
活基本セット」に感動しました。人々の営み、
毎日の生活に寄り添った品々のリストに涙
が出ました。ネパリ・バザーロとご縁があっ
て本当に良かったと心から思います。益々
のご発展をお祈りしています。
( 愛知県 H・K様)

震災支援の中間報告を読みました。
生活支援から温泉まで、被災者の立
場を考えたすばらしい活動ですね。感動し
ました。緑の風では全労連が募集した「炊
き出しグループ」に応募し、5月と6月の
2回、南三陸町志津川高校に行ってきまし
た。状況は少しずつ良くなっているとは言
え、まだ水道が通る予定もなく、自衛隊の
給水に頼っています。午後にティータイム
を作り、手作りのケーキ、ドーナッツとネ
パリのコーヒー、紅茶をサービスしました。
コーヒー好きの人が多く、とてもおいしい
と喜んでもらえました。
( 神奈川県のお店 スペース緑の風様)
(中
間報告を読んで)感動し、涙しながら
読みました。私の住む茨城県も(ここ
は北に属するので被害が大きかったのです)
被災地ということで、気持ちがわかりとて
も感動したのだと思います。少しですが料
理教室の参加費から募金したいと思います。
(茨城県 H・Y様)

しぶりの注文で嬉しいです。震災の
支援についてのお便り、言葉に共感
しながら読みました。被災地の、特に、小
さな子どもを持つ方々、また、その子ども
を亡くされた方々のことを考えると、とて
も「がんばろう○○」というメッセージは
送れません。ネパリの方々の、優しくささ
やかな支援を見ながら、自分も考えていこ
うと思います。
( 神奈川県 Y・T様)

年も暑い夏がやって参りました。な
でしこジャパンの活躍で、私も少し
元気が出て、頑張らなければと思っていま
す。3月
11
日以降、日本国中の人が頑張ら
なければと、思いつつ、福島原発問題で、
暗い気持ちになっているのも確かな事で
す。東北の方達にあったか電気敷毛布キャ
ンペーン、些少ですが1口のらせて下さい。
何もできない自分に歯痒い思いをしており
ます。いつもネパリ・バザーロの方達の行
動力には感服しております。東北の被災者
の方達に、一刻も早い復興を願うとともに、
皆様の働きで寒い冬を乗り越えられること
を祈っております。(神奈川県 Y・T様)

フェアトレードのお店紹介 (vol.36)

 ●町田市
食を通じて、生きることすべてをコーディネート
明日葉(あしたば)

小田急線玉川学園駅を出て緑の多い商店街を抜けると、自然食品の店「明日葉」の看板が見えてきます。店内には代表の田中正志さん選りすぐりの生鮮品、加工食品、生活雑貨と、千枝子さん手作りのリース、ネパリの服がきちんと調和して、気持ちのよい空間が広がっています。
 お店のスタートは1977年。正志さんが仲間たちと一緒に福島で作った無農薬野菜をバンに積んで、東京の団地で売り始めたのが創業です。「喜んで買ってくれたのは100人に一人」というほど、当時は「無農薬」「有機」という言葉の意味や重要性が理解されていませんでした。しかし本当に良いものを求め、経済的な厳しさに耐えながら操業を続ける中で、自然に沿った農法で作る農家とのつながりもでき、野菜の種類を少しずつ増やし、店舗を持つまでに至りました。以来30年以上、正志さんと千枝子さんは自然食品店のパイオ
ニアとして、約3000種の食品、生活雑貨、衣類を取り扱うまでになり、現在の広く気持ちの良い店舗に8 年ほど前に移転しました。
 自然食品店の草分け的存在の「明日葉」がネパリの服を扱うようになったのは、フェアトレードの理念に強く共感し、「衣食住はひとつにつながっている」と考えるからです。食べるもの、着るもの、そして生きる場所もみんなにとって良いものを目指し、正志さん千枝子さんが自信をもってお勧めできるものを選んでお店に置いており、食品だけでなく服も豊富な種類から選ぶことができます。取材に伺った8月中旬はネパリの夏の新作が種類多く並び、小さな子ども連れのお客様も楽しそうに選ばれていました。
 今、「明日葉」では、生きることの安全を揺るがす原発問題の勉強会を開催するなど、お客様の不安を少しでも解消するための努力をしています。「明日葉」は、衣食住への意識がさらに高まってきた社会のニーズに着実に応えてくれるお店として、地域で重要な役割を果たしています
+++++++++++++++++++++++
代表:田中正志
〒194-0041 東京都町田市玉川学園2-1-32
Tel:042-729-5015
Fax:042-729-5026
Open:10:00~20:00(年中無休)
http://www.ashitaba.ne.jp/
ashitaba@happynet.ne.jp
+++++++++++++++++++++++

●多摩市
人と共に 自然と共に
あしたや

永山駅(京王線・小田急線)近く、緑豊かな団地の中にある諏訪商店街に、自然食品店「あしたや」と、古本と手作り雑貨の店「みどり」
があります。障害のある人もない人も、共に生き、共に働くことができる社会の実現を目指し、「NPO法人あしたや共働企画」が運営しています。永山駅前の公共複合施設「ベルブ永山」内には「はらっぱ」という売店もあり、メンバーが交代で店に立っています。どんな人でも、自分の得意を活かして働けるよう、店だけでなく、遠くまで仕入れや配達に出かけたり、畑を耕して野菜を育てたり、保育園の掃除を請け負ったりと、仕事の幅は様々です。
 販売する商品の仕入れ先は、近隣農家、小さな生産者、福祉作業所など150近くになりますが、作り手との顔の見える関係を大切にした、自分たちがこれはと思える商品がいっぱいです。作った人の想いに自分たち
の想いを重ねられるかどうかが、商品選びのポイントです。生活に密着した安心できる食材や日用品を販売する3つの店舗には、
たくさんの地域の方たちが訪れ、働くメンバーとのつながりが生まれています。団地の階段を上るのが辛くなったお年寄りのた
めに、重たい荷物を家まで配達して喜ばれてもいますし、年に2 回は20団体が集まるオーガニック市を商店街で開催しています。
 フェアトレード商品は開店当初から扱っています。社会的立場の弱い人々が仕事をもつことによって社会とつながっていけることに共感できたからです。ネパリの商品は、コーヒー、紅茶、スパイス、ヘナを中心に、気に入った雑貨も置いています。フェアトレード担当の岩間有希さんは「ネパリのカタログは読みでがあって、生産者のことが文章と写真を通して力強く伝わってきます。自分たちも、生産者と消費者をつなぐ店として、生産者のことを伝えようと苦労を重ねているだけに、すごいと思います」と語ります。
 「みどり」は全面改装をして、2011年11月にリニューアルオープン。続いて「あしたや」が改装に入り年明けに完成します。
2店舗の改装が完成したら、それぞれの特徴を出して商品を充実し、2階に新設する食品加工場では総菜や保存食を作り、地域の
ニーズに応えたいと夢を膨らませています。明日の「あしたや」
をぜひ見に来てください。
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代表:加藤真弓(NPO法人あしたや共働企画)
〒206-0024 東京都多摩市諏訪5-6-2-1021F
Tel&Fax:042-376-1465
Open:10:00~18:00(定休日:日曜、祝日、第3木曜)
http://ashitaya.web.infoseek.co.jp/
ashitaya@iris.ocn.ne.jp
■はらっぱ
東京都多摩市永山1-5 ベルブ永山3階
Tel&Fax:042-337-6786
Open:9:00~19:00(定休日:第1、3木曜)
■みどり
東京都多摩市諏訪5-6-3-101
Tel&Fax:042-372-3690
Open:10:00~17:00(定休日:日、木、祝日)
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●町田市
小さい人が健やかに育つおてつだい
わらべのうた

お鮨屋さんの店舗を改築したという「わらべのうた」の店内には、自然の風が吹き抜ける、和の空間が広がっています。カウンターを改造したカフェスペースでハーブティーを味わい、座敷スペースでぺたりとお尻をついて、本や雑貨などをゆっくりと選べば、時間に追われる忙しい毎日をふっと忘れられそうな店内です。実際、小さな店内なのに長時間のんびり過ごすお客様も多いとか。古材を敷いた奥の部屋にはネパリの衣類雑貨やシュタイナー教育の教材が手に取りやすくディスプレイされ、和の雰囲気にしっくりと調和し、店主である都さんのセンスが光ります。
 店を始めたきっかけは都さん自身の子育て経験から。重いアトピーの娘との生活で、改善されない状態にいらだち、自分や娘を責めていました。ところが何年も経って、「無理して治らなくても良い」と思い始めたところ、病気が治り始めたそうです。アトピーを治そうと、買い求めたものは数多くありましたが、その中で自然食品や手織り、草木染めなどのフェアトレード商品、そしてシュタイナー教育やわらべ唄などなど、疲れ果てた心をいやしてくれるモノたちとの
出会いがありました。そうした日々から約10年。子どものアトピーもほぼ完治し、これからはそんなモノたちの心地よさを伝え、応援する側になろうと2008年、「わらべのうた」を開店しました。
 「わらべの唄って、いつも子どもたちの傍らにあって、成長を助けるほど深く、うたってもらう子どもはもちろん、うたう大人も幸せになれるくらい優しいもの」と都さん。そんなお店になりたいと「わらべのうた」と名づけました。子どものための本やおもちゃはもちろん、周りの大人が気持ち良くないと子どもも幸せじゃないから、と衣類や小物も充実しています。
 作り手側のストーリーや気持ちを静かに想像しながら、気持ちよくくつろぐことのできる「わらべのうた」に一度いらしてみてはいかがでしょうか。
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店主:嵐都
〒194-0213 東京都町田市常磐町3213-6
Tel:042-851-9677
Fax:042-797-8197
Open:水~土 10:00~18:00
http://warabenouta.com
warabenouta@aol.com
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生産者紹介:コットンクラフト (vol.36)


女性たちの経済的、社会的に厳しい状況を目の当たりにしたサラダ・ラジカルニカルさんが、
女性たちの就業の支援をしたいと強く思い、1993年に設立しました。たった2人で始めましたが、
高い品質レベルと真面目な仕事振りでオーダーが増えました。柿渋染めや変化織りの服など、
常に新しいことに積極的に取り組む頼もしい生産者です。 

工房には、「カシャン、カシャン」という気持ちのよい音が響き渡り、全身を使って布を織っています。
同じように見えても、耳を澄ましてみると、一人ひとり微妙に音が違い、同じ人でも、その時々のち
ょっとした手加減で、織り上がった布の表情は微妙に異なります。少し織っては、糸の調子を整え
たり、機の感触を確かめながら織り進んでいます。機には、織り手の身長や体格、また織る布によ
って、使いやすいように組み替えられた跡がたくさん残っています。織りをしているのは、「マハラジ
ャン」という農耕のカーストの方々が多く、昔から生活の一部に織りがあり、機と共に成長してきた
ことを感じます。