Rosemary ローズマリー : 布をたっぷり使った着こなし、ローズマリーの服。

Rosemary ローズマリー : 布をたっぷり使った着こなし、ローズマリーの服。
天然素材を贅沢にまとう。ゆったりとしたデザインが特徴です。


ギャザーネックがおしゃれなジャケット。
もしゃ織りの手織り綿をたっぷりと使った、贅沢な着心地のソフトジャケット。裾広がりの身頃はセミバイアスで裁っていて、程よく体に添う、きれいなシルエットです。ギャザーを寄せた1枚仕立てのやわらかいスタンドカラーは、華やかで顔回りを引き立てます。胸元の切替や、後ろ姿に入った縦のラインのはぎが、すっきりとしたシルエットを作っています。両脇にポケットがついています。


肌触りの良いざっくりとしたレース織りのブラウスです。シルエットをきりっと見せてくれるハイウエストの切替と、七分袖の切替にギャザーを寄せています。少し長めの丈で、可愛らしさと大人っぽさを併せ持ったブラウスです。


ゆったりとしたフレンチスリーブのチュニックです。両脇に入れた三角のマチが、動くたびに表情を変えます。やわらかいバイアス使いのオフタートルは、ネックポイントにギャザーをよせ、裏にあて布をたたいて形を保っています。もしゃ織りは、軽くて清涼感があり、きれいなドレープが出やすいのが特長です。


シンプルで着心地の良いロールネックブラウスを、サラサラとした心地よい肌触りのもしゃ織りの手織り綿で作りました。もしゃ織りの特長の光沢感と自然なドレープが、きれいです。天然素材の心地良いあたたかさを、たっぷりと実感してください。一枚でさらっと着ても、重ね着をしても、ゆったりとお愉しみいただけます。


身頃を4段に切り替え、程よくギャザーを入れた、やさしい印象のティアードワンピース。裾と袖口は、バイヤス使いの共布とつなぎ、バルーンにして、ふっくらと仕上げています。立体裁断のパターンなので、布が自然に身体に寄り添い、きれいなシルエットを作ります。もしゃ織り綿布は、空気をたくさん含んでいるのであたたかく過ごせます。両脇にスラッシュポケットがついています。


肩先を落とした、ゆったりとした袖のチュニックです。ウエストで切り替えた前後の身頃にはタックが、スカート部分には程よいギャザーが入っています。両脇にスラッシュポケットがついています。ゆったりとしたシルエットをVラインの襟元が引き締めています。もしゃ織り綿布のさらさらとした肌触りをお楽しみください。

S a g e セージ: 少しゆったりした着こなし、セージの服。

S a g e セージ: 少しゆったりした着こなし、セージの服。

セージの秋コレクション
秋色の服届きました。
ゆったりと上品に着られる服
胸囲、袖回りなどは、レモングラスよりも少しゆったりしています。
9 号から1 1 号のサイズの方に対応しています。
紙布、綾織り、もしゃ織り、柿渋など、素材にこだわり日々の生活が愉しくなるようなエッセンスを、デザインに加えています。

ダブルスカートを作っている、マヌシのお話。
 マヌシの工房を訪ねると、きれいな色に染め上がった布が、太陽の光を一杯に浴びて、気持ちよさそうに並んでいます。その側では、女性たちが煮立った染液の中の布をかき混ぜています。水を吸った布はとても重いのですが、ひと時も手を休めることはありません。そして色づいた布を、水で何度も洗い、しっかり絞って、きれいに広げて乾かします。一枚一枚、手作業で染めているので、色が微妙に違います。また、ほんの僅かな布の織り加減によって、染料の入り具合が違い、やさしい縞になっています。それがまた、愛おしく感じます。
 きれいな色に染め上がった布は、一枚一枚パターンを当てて裁断され、足踏みミシンの軽快な音とともに、スカートに生まれかわっていきます。女性たちが楽しそうにミシンをかけているのを見ると、とても嬉しくなります。発売から、もう9年にもなるダブルスカートは、手際良く、あっという間に仕上がっていきます。女性たちの顔も誇らしげです。
 一枚のスカートが完成するまでには、たくさんの人の手を経ています。最後に手にする私たち。時とともに、色や風合いが変わっていく中で、ずっと大切にしたいと、工房を訪ねる度に思います。

生産者のご紹介:マヌシ(MANUSHI) 
マヌシは1991 年に設立されたNGOで、主に手染めの製品を生産・販売しています。代表のパドマサナ・サキャさんは、女性問題を調査するNGOの役員を務めた経験から、あらゆる問題の背景に貧困が大きく影響していることを実感し、女性たちの仕事創りのためにマヌシの発足を思いたちました。


襟元と胸元をコンパクトにまとめた、裾広がりでゆったりとしたシルエット。3色の綿糸を織り交ぜた、シックで深みのあるワインレッドのもしゃ織りの布地は、顔回りを華やかに見せてくれます。空気を含んだ手織り綿は、夏は涼しく、冬はあたたかく着て頂けます。


胸元で切り替えた、一重仕立てのジャケットです。襟の中央にひもでギャザーを寄せたりと、ひものアレンジで雰囲気が変わります。たて糸にシルクを、よこ糸にロクタの左撚りした糸と右撚りした糸を交互に使い、織り上げました。布の特質をより鮮明にするため製品洗いをしています。ボタンとホール部分には、型崩れしにくいように芯で固定した紙布を裏側に重ね、ステッチで丁寧に押さえています。


両脇のスラッシュポケット、五分の袖丈、程よい着丈。実用性を重視した、シンプルなシルエットのロングブラウス。身頃のピンタックをハイウエストで放し、さりげなく表情をつけています。立体裁断のパターンは、体の厚みを考慮して作っているので、体にそったきれいなシルエットを作ってくれます。また、体の動きをさまたげないので、着心地の良い実用的な日常着です。


爽やかなストライプの長袖ブラウスです。襟元を下げた大人のヘチマ襟です。地の目をよこに切り替えた胸元は2重仕立てで、きちんとした印象です。袖口には、ロールアップ用のタブがついて、長さを調節できます。両脇にスラッシュポケットがついています。さらっと一枚で着て様になるブラウスは、重宝することでしょう。


胸元と後ろの切替にボックスタックを入れた、すっきりとしたシルエットで、ゆったりとした着心地のチュニック。実用的な両脇の大きなパッチポケットは、前後にわたってついていて、横からも後ろからも可愛らしく見えます。袖は肘がちょっと隠れる丈です。肌寒くなってきたら長袖のカットソーなどを合わせて、一年中お愉しみ頂けます。


もしゃ織りの布を2色使いにした個性豊かなチュニックです。一方は単色で、もう一方は3色の糸を織り交ぜた深みのある色合いです。切り替えた布が自然に下に落ちてできる縦のライン、裾のラインが素敵です。ゆったりとした大きな襟は、中に通したひもで調節できます。Tシャツやカットソーに重ねて、軽やかに、あたたかく、個性あるおしゃれをお愉しみいただけます。


もしゃ織りの綿布を4段に切り替え、それぞれに程よくギャザーを入れたエレガントなパンツ。後ろについた2つのかわいいパッチポケットもポイントです。薄い綿の裏地がついています。スカートのようにも見える華やかな印象で、着こなしの幅を広げてくれます。手織り綿は空気をたっぷり含んでいるので、秋冬もあたたかく過ごせます。


全体に入れたピンタックを途中で放した、スタンドカラーのロングブラウスです。袖口には、横にもピンタックを入れ、パイピングですっきりとまとめました。ピンタックが入った部分のきりっとした表情と、ピンタックを放してふんわりとしたやさしいシルエットが、絶妙なバランスです。スラッシュポケットもついていて、実用的です。一枚で装いの主役になる、この秋おすすめの一枚です。


やわらかい綾織りの綿布を使ったチャイナ風のブラウス。胸元に入れたタックを途中で放し、やさしい表情を出しています。贅沢に使った綾織りの生地は、伸縮性があり、さらっとした肌触りです。

Lemon grass レモングラス: 細身の着こなし、レモングラスの服。

Lemon grass レモングラス: 細身の着こなし、レモングラスの服。

「細身でナチュラルな着こなし大人の女性のためのレモングラス」
細身のシルエットを愉しみたいあなたへ。7号から9号のサイズの方に対応しています。
セージよりも肩幅や腕周りが小さく、すっきりしたシルエットです。
天然素材の服を、日常にも着て頂けるようにシンプルでかわいい服を作りました。

ラグランスリーブの襟ぐりとハイウエストの切替に、ギャザーを入れた一重のワンピースです。タックとタックの間にギャザーを寄せた共布をたたきつけました。袖口には、ロールアップ用のタブがついています。透け感のある薄い綿布が、タックとギャザーで新鮮な表情になりました。P.16 では、インナーにマルマルキャミソールを着ています。

たっぷりとした大きなポケットがポイントの膝上丈のチュニック。ギャザーを寄せた大きなポケット口に小さなビーズで繊細な柄をほどこしました。細いゴムを入れ、たっぷりとした七分丈の袖口、大きく前に開いたラウンドネックの前後にはギャザーが入っています。透け感のある薄い綿布で着心地もシルエットも軽やかです。

胸元とウエスト部分に平ゴムを通したチューブトップ。サイドにリボンの飾りがついています。裾につけた手編みの幅広レースの脇は小さなボタンで留めています。たて糸もよこ糸も手紡ぎの綿糸を使った綾織りの生地はふっくらとしてあたたかみのある着心地です。ちょっとした集まりには、肩ひもを外して華やかな着こなしも。裾のレースとココナッツボタンがアクセント。

手紡ぎ、手織りのレース織りのざっくりとした着心地を愉しんでいただきたいTブラウスです。両脇が下がる裾のラインが、シルエットのポイントです。重ね着を、おしゃれにあたたかく愉しめます。左肩についたタブとボタンがポイント。スラッシュポケットも魅力です。着れば着るほど、身体に馴染んできます。

裾ラインの脇を丸くカットした、ヘンリーカラーのロングシャツです。ピンタックをウエストラインで放し、袖口をロールアップすると、素敵なミシン刺繍の布地がのぞきます。ボタンを開けてライトジャケットとして、一枚でワンピース風にも着られます。重宝する一枚です。

ネパール語で「マルマル」と呼ばれる、透け感のある、軽くてやわらかな綿布のロングシャツ。やさしい肌触りで、ふんわりとした着心地です。ゆったりとした襟あき、肩のヨークに入ったギャザー、袖口のタブ、脇をカットした裾のラインなど、シンプルなシルエットの中にこだわりのポイントがつまっています。袖口のタブで、袖丈を調節できるので、季節の変わり目に重宝します。

胸元をVラインに切り替えたピンタックとピンタックの間に、ギャザーを寄せた共布をとばしました。細くゆったりとしたヘンリーカラーがついています。切替とラグランスリーブの襟ぐりには、ギャザーが入っています。後姿は、Vラインの切替とピンタックで、きりっとした雰囲気です。ボタンを開けると、薄手のジャケットとしても重宝します。

シリーズ特集: 天然素材の日常着

天然素材の日常着 : by Young Wow Craft

ずっとWEANコープ(*)のメンバーたちと仕事をしていたので、ウシャ・ゴンガルさんとは彼女が途中2001年頃事務局長に就任した時からのおつき合いです。こちらの意
見もよく聴き、立場にも考慮してくれる、仕事を共に進められる良い仲間でした。手漉き紙を活かした全く新しい素材開発をしたいという想いを打ち明けた時も直ぐさま理解し、ネパールのためになるアイディアだから是非とも実現してほしいと激励してくれました。ところがメンバーと協議を始めても話が進みません。商品化できても投資が簡単には回収できないなどの様々なリスクをおそれ、ネパリ・バザーロ(以下ネパリ)が勝手にやることだから自分たちは言われたことだけして、最初からコストを充分カバーできる価格で対応しようという姿勢に打ちのめされました。 
 これまでにない商品開発、それも素材開発から手がけようというのですから、たくさんの困難があり、投資のほとんどはネパリが受け持つと覚悟はしていても、生産者に一緒に取り組む意欲をもって欲しい、互いの立場を尊重しつつ、率直な意見交換をして協力し合わなければ実現しないと思っていたからです。様子を見ていて、ウシャさんは自分がやるしかないと思ったそうです。事務局長に留任を求められたウシャさんはそれを断り、ネパリの紙布プロジェクトに協力するため、2005年9月、ヤングワオを設立しました。
 それから7年近くが経ち、仕事を広げるため紙布だけでなく、他の布でも服をつくるようになりました。裁断と縫製を担当するビンジュさんは2度の日本研修を終えて技術を磨き、新人のパビットゥリさんに教えながら仕事を進めています。規模は未だに小さく、たくさんの商品は作れませんが、紙を切る人、糸に紡ぐ人、織る人、布を裁断する人、縫製する人、12名の女性たちが毎日元気に働いています。 

文:土屋春代
*WEANコープ:ネパール女性起業家協会(WEAN)のトレーニングを受け起業した約150名のメンバーの販路拡大のために1991年設立された生産者協同組合。

生産者のご紹介

ヤングワオクラフト, Young Wow Craft
ネパールの誇る手漉き紙から布を織り、服を作り、大勢の人の仕事につなげたいというネパリ・バザーロの提案に共鳴し、自らリスクをとって立ち上げたウシャさんの工房です。日本での技術研修に2度招いた縫製部門のビンジュさんは、毎日集中して取り組み、その成果は一つひとつの製品の質の向上に表れています。

ビンジュ・カドゥギさん(28 歳)
縫製部門の責任者です。10 年前に父親が、2年近く前に兄も亡くなり、74 歳の母親、32 歳と30 歳の姉たちとの女性だけの家庭にあって、安定した収入を得られ
る仕事を持つビンジュさんは大黒柱です。 最初に日本に技術研修に招いた時はまだ入って半年の新人でしたが、5年経った今は後輩に指導をしながら、しっかりとした仕事をする頼もしい存在となっています。そんなビンジュさんですが、普段ひとりで悩みながら仕事をしているのでしょう。工房を訪ねると服のパターンや縫製についていろいろな相談を受けます。布やパターンを挟んで話し合っていると、ビンジュさんは安らいだうれしそうな表情を見せてくれます。お互いに日本での研修が蘇り、懐かしさがこみ上げます。共にものづくりをする喜びを感じるひとときです。

パビットリ・リンブーさん(33歳)
3年前からヤングワオで働いている、一番新しいスタッフです。縫製を担当しています。夫(39 歳)、息子(13 歳)と3人暮らし。東ネパールのダンクタという町から10 年前に仕事を求めて出てきました。村には仕事がないので、将来村に帰って店か何かを始めるために夫婦で協力して働いています。都会の暮らしは合わず、お金を貯めたらできるだけ早く村に戻りたいそうです。

シタ・カナルさん(30 歳)
紙糸を紡ぐ女性の中にシタさんがいます。シタさんは障がいのある次男の世話のため、自宅を離れることができず、在宅ワーカーとして糸を紡いでいます。以前お宅を訪問した頃の幼顔から大人びた顔つきになり背も伸びたスダサン君(12 歳)に再会しました。元気に見えた彼が実は前夜から高熱が出て夜中に何回も嘔吐したと話すシタさん。ところが、スダサン君は母親の心配をよそに来客に喜び、はしゃぎます。彼が疲れては大変と、お茶をいただいて直ぐに退出しましたが、部屋を出て階段を降りる私たちの背中にスダサン君の愉しげな笑い声がいつまでも響きました。

サビナ・シュレスタさん(36 歳)
細く切ったロクタ紙を紡ぐ、糸作りをしています。ヤングワオ創立の時からのスタッフなので、ウシャさんの信頼も厚く、大事なことを決める時、ウシャさんはサビナさんとビンジュさんに相談します。夫(30 歳)、息子(3歳)と3人暮らし。5年前にカーストの違う夫とネパールではまだ珍しい恋愛結婚をしました。ヤングワオからは少し遠いのですが、働き続けるために実家の近くに住んでいます。56 歳の母親はとても元気で子守をしてくれるので、ありがたいととても感謝しています。夫の郷里はタライ平野(インド国境の亜熱帯地域)で農業を営んでいます。いつか村に住むの?と聞くと、「嫁の立場は大変。今の仕事は好きだし、子どもの教育も考えるとずっとカトマンズ近くに住み続けたい」と、サビナさん。だまって夫に従う旧来のスタイルと違う、女性主導の新しい家庭を築いているようです。

ナニ・マハラジャンさん(48 歳)
紙布を織るナニさんは、実家にあった織機で若い頃から布を織っていました。夫がナニさんと3人の娘たちを捨てて家を出た後、持参した嫁入り道具の手織り機は彼女と娘さんたちの生活を支えてくれました。パシュミナショールが流行った頃で、家で請け負って収入を得ていました。しかし、10 年前にそのブームが去ると仕事を失い、働くところが見つからないまま家に居ました。2年ほどして、知人にヤングワオを紹介され、働けるようになりようやく暮らしが安定しました。その頃、狭い家に引っ越していたので、置き場がなく困っていた織機もヤングワオに買い取ってもらえました。それから8年が経ちました。長女、次女は卒業後しばらく働いてから結婚し、今は末っ子のメヌカさん(19 歳)と二人で暮らしています。12 年生のメヌカさんが卒業し仕事を得るまで、まだまだ気がぬけません。家を出て他の女性と暮らしている夫からは何の支援もありません。娘たちの結婚の支度も全てナニさんが頑張って調えてきました。息子のいないナニさんは老後のことも不安だと言います。住まいの裏の狭い空き地を借りて野菜をつくっています。早朝、採れた野菜を市場で売ってから出勤するそうです。この朝、私たちの訪問のため、売りに行けなかったことを知り、ウシャさんが全部買い取ろうとしました。ナニさんはいつも世話になっているお礼にお金は要らないと言い、しばらく二人の押し問答は続きました。

紙で作った布の服。: シルクの糸と一緒に織りました。
 ネパールのロクタ(*)から作る純度の高い手漉き紙、ロクタ紙の販路を広げ、人々に仕事の機会を創るため、その紙から紙布を織り、服に仕立てようと始めた、ネパリ・バザーロの「紙布プロジェクト」。昔日本でも、極貧に苦しんだ農民たちが、貰い受けた反故紙から布を織り、野良着に仕立て、寒さから身を守っていたそうです。
 細く切った紙に、強い撚りをかけて紡ぐのは、気の遠くなるような作業です。しかし、ヤングワオ代表のウシャさんを始め、働く女性たち自身が工夫と努力を重ね、2006年春、ついに紙布の服が誕生しました。
 様々な方向を向きながら絡まり合った、ロクタの繊維からなる紙布は、細い糸の中に空気をたくさん含み、私たちの身体を暑さや寒さから守ってくれます。その上ふわりと軽く、肩もこりません。優れた特性を持ち、たくさんの人の想いが織り合わされた紙布の服。ぜひ一度羽織ってみてください。

*ロクタ:沈丁花の一種の潅木。ネパールの標高1200m~3000mの丘陵地帯から高地にかけて育つ。1000年以上も昔から最も重要な紙の原料として利用されてきた

verda vol.38  ~ベルダ2012秋号~

<-カタログ画像をクリックすると、ブック形式でカタログがご覧頂けます!

継続可能で、たくさんの人に仕事がいきわたる手仕事をVerdaは大事にしています。手作りの服や雑貨には、機械生産にはない心地良さや温もりがあります。コーヒーや紅茶も一つひとつ手で摘みその細やかさがやさしい味わいになります。そんな、Verdaの商品には、生産者とネパリ・バザーロの想いがたくさん詰まっています。

シリーズ特集: 天然素材の日常着

Lemon grass レモングラス: 細身の着こなし、レモングラスの服。

S a g e セージ: 少しゆったりした着こなし、セージの服。

Ro s ema r y ローズマリー : 布をたっぷり使った着こなし、ローズマリーの服。

身長別着比べ サイズで選べる3 つのブランド

お洗濯について

食品心に、カラダに、美味しいひととき。

雑貨・アクセサリー

楽しい&おいしいお店発見!, フェアトレードのお店

シリーズ特集: 地域開発

シリンゲのコーヒー生産者とは、1996年頃からのお付き合いです。厳しい生活状況と知りながら、毎年、1、2トンしか購入することができませんでしたが、2009年、グルミのコーヒーのほぼ全量を韓国市場に出すことになり、私たちは、シリンゲの生産者との本格的な取り組みを開始しました。
シリンゲ地域は、約20年前にUMN(※)の農業開発プロジェクトが入り、パイプを引いて水路を作り、農業技術、子育て、トイレの作り方などを教えました。初めはカナダ人グループ、次いでオランダ人の2家族が住み込んで、コーヒー栽培も教えました。野菜を含め、村の今日の有機栽培の基礎が築かれました。私たちは、その基礎の上に、農民と将来のビジョンを何度も話し合い、有機栽培に関する再教育、トレーニングの機会を作りました。そして、協同組合の設立と登録、運営のための体制整備と有機証明取得のための書類作成、申請手続き、オーストラリアの認証機関との度重なるメールのやりとり、検査官の現地案内など、たくさんの使命を負いながら、後継世代を育てることまで含めて活動してきました。

Coffee Women Story
コーヒーの担い手はここにも!
文:土屋春代

シリンゲ村のコーヒー栽培による生活向上計画に重要な役割を果たしている女性たちがいます。もちろん村の女性たちは協同組合の会議にも積極的に参加し、収穫や選別も行いますが、カトマンズにも支えている女性たちはいるのです。
カトマンズに届いた生豆を再び丁寧に選別する女性たち。それぞれの厳しい家庭事情を背負って、豆の選別で家族の生活を支えながら、シリンゲコーヒーの高い品質を守っています。
さらに、輸出に必要な書類の手配をし、選別した豆を日本に送ってくれる、リチューアルフライトのスタッフ、ラクシュミさん。(P.12参照)彼女は村から送られてくる書類や情報を英語に訳したり、有機証明取得に関するデータ管理などの事務的な仕事を担い、しっかりと完二さんの申請手続きをサポートしています。農業の専門用語や村独特の生活様式がからみ、彼女の懸命な努力がなければ、日本に居て村のことを熟知し、細かく厳しい要求を受ける大量の申請書類を作ることは難しくなります。
シリンゲ村物語を構成する人物として重要な役割を担いながら、これまでスポットの当たらなかった女性たちに今回は登場していただきましょう。
カトマンズのカランキという町に輸出入代行会社「リチューアルフライト」の経営者、ディリーさんの家があります。その家の一角は、シリンゲ村のコーヒーの再選別所であり、倉庫ともなっています。ネパリ・バザーロがネパールコーヒーの輸入を開始した1994年から今日まで、惜しみない協力を続けるディリーさんは、自分の傍に置いておかないと不安だとばかりに、ずっとスペースを提供してくれています。カランキは、各地からの長距離バスの集まる所で、シリンゲのコーヒーが載ってくるバスもここに停まります。  ディリーさんのお宅にコーヒー豆の再選別に通ってくる4人の女性たちに近況を伺おうと、2011年11月、お邪魔しました。もう一つ、ディリーさんのお姉さんのおいしい手料理をいただこうという密かな目的もありましたが。
それぞれのワーカーのお宅を訪ねて事情を伺ってから早くも2年が過ぎていました。その後、韓国のバイヤーがグルミのコーヒーの再選別所を新たに設置したり、シリンゲのコーヒーが害虫被害で思うように収穫できなくなったりと不測の事態が続き、選別の仕事が激減してしまいました。仕事量に応じた給与制度なので、彼女達に何の落ち度もないのに収入が減ってしまうため、状況の詳しい説明にディリーさんの家に集まってもらいました。害虫被害の木は伐らねばならず、新たに木を植えても収穫できるまで数年かかります。有機証明取得のために参加農民を固定化していて、直ぐには新しいメンバーも増やせない状況が重なり、もし他によい仕事があったら転職してくださいと伝えました。ところが、皆、ずっとネパリと仕事をしたいから、コーヒーの収穫量が増えるまで給与が減っても待ちますと言ってくれました。そこで、仕事のない月は休業補償として、給与の半分を支払い、セービングファンド(*)の本人積立分を立替えて今日まできました。ようやく、2012年は収穫量が戻りつつあるという朗報が入り、ほっとしました。困難な時期に耐えてくれた彼女たちに今後の見通しを伝え、それぞれの生活状況を伺うため、一人ひとりとお話しました。


ラクシュミさん(24歳)はリチューアルで働き始めて約3年になります。朝6時から9時半までは大学で学んでいます。ネパールは働きながら学ぶ人が多いので早朝から授業が始まります。まだ暗い内に学校に行き、その後、出勤し、残業で遅くなることも多いので「頑張るね!辛くない?」と聞くと、「家から事務所まで歩いて30分しかかからないし、大学も途中にあるから大丈夫!」とニコニコ。
ラクシュミさんは3人兄弟の末っ子です。11歳の時に父親を亡くし、母親と学校をやめた長兄が働いて家計を支えてきました。次兄は6年ほど前からドラッグに溺れ、今も仕事をしていません。その話になると顔が曇り、「働いてお金を貯めて、ドラッグから立ち直れるよう施設に入れたい」と言います。
仕事を始めた頃、毎日のように遅く帰る娘を母親は案じて、「早く辞めたほうがよい」と言っていたそうです。けれど、熱心に仕事に取り組み、報われるとうれしそうな娘の様子を見て、よい仕事に出会えたことを知り喜んでくれるようになりました。また、ボスのディリーさんが遅くなった時はきちんと家まで送ってくれるので安心し、今ではこの仕事を続けられるように応援しているそうです。
銀行などの金融機関や大手企業に勤める友人たちは、世間から高く評価される職場とよい給与を得て、最初は喜んでいましたが、仕事だけで終わってしまう人間関係や利益のみを追求する企業の姿勢に疑問を感じ始め、会社は小さくても家族的な温かい職場で、人や社会にも貢献でき、やりがいのある仕事をしているラクシュミさんをとてもうらやましがるそうです。たくさんの素敵な出会いがあり、貴重な経験のできるリチューアルの仕事をラクシュミさんは「こんな職場は他にない。自分はラッキー!」と、喜びます。将来もっと社会に貢献できるように自分を磨きたいと言うラクシュミさんはとっても輝いてみえました。そんな彼女を見ている私の顔がうれしさにデレデレだったと、隣で聞いていたLa MOMOのひろさんに、後で笑われました。
シリンゲから戻った後、「村はどうだった?」と聞くと、「やっぱり行ってよかった。初めてでも、ケサブさんもユブラジさんも居てくれたから何も困らなかったし」と、やや疲れた様子ながら、訪問がとても充実していたことを感じさせてくれました。「また行きたい?」と聞くと、「ええ、でも、道がもっとよくなって車で行けるようになってからね!」。歩くことにはかなり参ったようです。   

Column
ラクシュミさん
初めての村訪問
文:丑久保完二

2010年12月、待望の有機証明を、一番厳しいと云われるオーストラリアの認証機関・NASAAから取得。そして、翌年の2011年11月、年に一度の外部検査に同行しました。ラクシュミさんとLaMOMOの土屋ひろさんも一緒に訪問しました。カトマンズで生まれ育ち、村の生活を知らないラクシュミさんにとって、現地を知る絶好の機会、そして、今後の仕事をスムーズに進めるためにも必要な体験です。崖を削った、やっと通れるほどの険しい道をジープで進み、さらに、道なき道を徒歩で登り降りする行程はラクシュミさんにとって初めての経験。あまりの厳しさに「キツイ!もうダメ!」と苦しそうに呻きつつも必死に歩いていました。2時間ほど歩いて村の中心部に到着しましたが、2年前までは8時間かかり、電気もなかった村でした。今は、電気もくるようになり、アクセスもだいぶ改善されました。しかし、まだまだ、厳しい生活は続いています。そんな中でコーヒーの販路が開け、スパイスも取り組みが予定され、将来を担う若い人材が、村ではケサブさん、街ではラクシュミさんのように育ちつつあり、皆の希望の光となっています。

フェアトレードのお店

楽しい&おいしいお店発見!
フェアトレードのお店

綾瀬駅から歩いて10分弱。東綾瀬公園のお散歩途中に寄りたい「ナチュラルカフェ コンポステラ」は、久保美子さんと普哉さんが2006年7月にオープンしました。
 15年ほど前にフェアトレードを知り、少しずつ購入するうちに、他の人にも知って欲しい、スーパーでは手に入らない本当に良いものを買える場所を作りたいと思うようになりました。カフェにしたのは、ただ物を売るだけでなく、料理や飲み物としてもフェアトレードを紹介できると思ったからでした。ネパリ・バザーロは、商品が可愛く、カタログの写真も素敵で、活動の想いをきちんと説明していることに、自分にピッタリ来るものを感じていたので、ネパリの商品を扱おうと開店前から決めていました。スパイス、コーヒー、紅茶、雑貨などを販売しています。
 カフェメニューは肉を使わず、ネパリのスパイスを「くるまぶの唐揚げカレー」や「ネパールのスパイスごはん」、そしてお惣菜7品が並ぶ「豆とやさいのプレート」の1~2品でも使用しています。どれも普哉さんのオリジナルレシピです。美子さんが作るスイーツにも紅茶などのネパリの食材が使われています。「ネパリのスパイスは香り高く、本格的な深い味わいになります」と普哉さん。その優しいおいしさに「どうやって作るんだろう」と皆さんが思うようで、レシピを紹介してくれる「お料理会」はリピーターも多く人気です。ネパリのスパイスを買って家で作ったお客様から「料理の腕が上がったと誉められた」と嬉しい報告もあるそうです。
 1、2ヶ月に1回開催しているライブは、演奏者にも観客にも愛されています。2011年3月の大震災以降、人と人が出会える場所、発信の場所としての意義を強く感じ、「ものがたりの会」というトークイベントも始めました。
 幅広くお客さまに楽しんでいただけるスペースにしようと、工夫を凝らすお二人。おいしいお料理と手作りのあたたかい時間を楽しみに、ぜひお立ち寄りください。

 サイマーケットは、池袋から地下鉄有楽町線か副都心線で3駅の小竹向原駅から徒歩3分程の住宅街にあります。光が差し込み、緑の美しいパティオを囲むように、こだわりの食品を使ったお料理やスイーツが楽しめるカフェと、フェアトレード商品も多数取り揃えた雑貨店が併設されています。広々としていて開放感のある店内は、肩の力がふっと抜け、ずっといたくなるような気持ちの良い空間です。
 雑貨店、カフェの両方で扱っている商品は、「フェアトレード」や「有機」というラベルが貼ってあるから取り扱っているというのではなく、店長の吉田実央さんやスタッフが気に入り、価格にも納得し、自分だったら買う、という自信のあるものばかりです。雑貨店には、ネパリのアクセサリーや雑貨、スパイスや紅茶、コーヒーなどが気持ちよさそうに並んでいます。
 作り手の顔が見え、作る人にも、買う人にも良いフェアトレードは特別なことではなく、本来はとても自然で当たり前なこと。そうでなくなっていることが問題な中で、溢れる情報に紛らわされず、できるだけ自然のあり方に反しない物を、自分の物差しで見極めて仕入れるよう努めている吉田さん。“地球全体から不自然な物が無くなり、みんなが普通に暮らしていける世界”を目指して、そんな意識がサイマーケットを訪れる人々に少しずつでも広がっていけばと語ります。
 雑貨店でゆっくりとお買い物をした後は、カフェで体の隅々まで喜ぶお食事とスイーツをどうぞ。安心でおいしい素材を使うカフェではヴィーガン、ベジタリアンメニューも豊富で、焼きたてのパンやテイクアウトメニューも魅力的です。どうぞお出かけください。

 八王子駅北口から徒歩5分ほど、賑やかな商店街を抜けて交差点を渡ると、昔ながらのお店やこだわりのお店が並ぶ一角にナチュラル雑貨の店、フルコストがあります。毎年冬には店の外にネパリのカラフルくつしたやレッグウォーマーをたくさん並べ、人目を引いて大人気です。オーガニック、という言葉を普段あまり意識しない方でもちょっと入ってみたくなるようなおしゃれな店内は、ステンドグラスの優しい灯りと木の温もりがマッチして、落ち着いた雰囲気です。オーガニックコンシェルジュの資格を持つ代表の松浦一男さんと、店長の松浦和美さんが仕入れた商品は、ネパリの食品をはじめ、オーガニック食品や、ナチュラルコスメ、掃除用品など、毎日習慣づけて使っていきたい、地球と身体に優しいものばかりです。
 大企業で働いていた一男さんは、多くの利益を出すために売ることばかりを考え、企業の歯車として生きていくことに疑問を持っていました。妻の和美さんが家庭内で揃えていたオーガニックな物、子どもにも安心して食べさせることのできる物に触れるうち、社会に良いものを売って、自立していこうと考えるようになりました。企業の歯車として終わるのではなく、いきいきとした現役のままでいたい、そう思い、3年前に和美さんと二人でフルコストをオープンしました。
 常連のお客様にも恵まれました。お客様の求めているものをお聞きしたり、おすすめしていくうちに、大企業ではなかなか得られない、作り手とお客様を繋ぐ役割を実感し、お客様との出会いに感謝するという一男さん。そうした出会いや繋がりを大切にして、作り手ともお客様とも、ビジネスを越えたお付き合いをしていきたいと考えています。オーガニックなもの、地球と体に優しいものを通してお客様が元気になってくださることが一番幸福という和美さんと二人、温もり溢れるお店でお待ちしています。

JR新小岩駅南口を出て、通りを渡って路地に入るとすぐに、「DECOYa」のオレンジ色の看板が目を引きます。扉を開けると、アジア諸国でハンドメイドされた家具、インテリア雑貨、衣類、食品などが天井まで盛りだくさんで、おもちゃ箱の中に迷い込んだようです。商品の約1/3は、ネパリを含むフェアトレード商品です。
 森田暁さんは、仕事を辞めてアジア雑貨店を開こうと計画する中でフェアトレードのことを知りました。従来の「一方的な資金援助」ではなく、自分が気に入った商品を購入することが支援になる、誰でも気軽にできる国際協力として、店で扱うことに決めました。フェアトレード商品を買える店は都内でも東部では少なかったため、千葉方面に住む人もちょっと途中下車して買いに来られるようにと、地元の駅からすぐ近くに店の場所を決めました。ネパリの商品も2004年の開店当初から食品や雑貨などを店に置いています。中でもヘンプスリッパは根強い人気です。コーヒーやスパイスも長く常連の方がいらっしゃいます。森田さん自身も、癖がなくて飲みやすいネパリのレギュラーコーヒーをいつも飲んでいるそうです。
 店に置いている商品はネットショップでも扱っていますし、店にないアジア家具やインテリア雑貨なども掲載されています。「店だけでなく、ネットを通じてもフェアトレードの理解者を増やしていきたい」と語る森田さん。ぜひホームページもご覧になってください。

verda vol.37  ~ベルダ2012春夏号~

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継続可能で、たくさんの人に仕事がいきわたる手仕事をVerdaは大事にしています。手作りの服や雑貨には、機械生産にはない心地良さや温もりがあります。コーヒーや紅茶も一つひとつ手で摘みその細やかさがやさしい味わいになります。そんな、Verdaの商品には、生産者とネパリ・バザーロの想いがたくさん詰まっています。

シリーズ特集: 地域開発 – シリンゲ村物語「コーヒーの担い手ここにも!」

Lemon grass: レモングラス – 細身の着こなし、レモングラスの服

Sage とLemon のコーディネート

Sage セージ – 小しゆったりした着こなし、セージの服

Rosemary ローズマリー – 布をたっぷり使った着こなし、ローズマリー

身長別着比べ: サイズで選ベル3つのブランド

お洗濯について

ギグトセット

食品: 心に、カラだに、美味しいひととき。

雑貨・アクセサリー

フェアトレードのお店 -楽しい&おいしいお店発見!

フェアトレードのお店紹介 (vol.37)

●足立区
毎日を丁寧に フェアトレード&オーガニック
ナチュラルカフェコンポステラ

綾瀬駅から歩いて10分弱。東綾瀬公園のお散歩途中に寄りたい「ナチュラルカフェ コンポステラ」は、久保美子さんと普哉さんが2006年7月にオープンしました。15年ほど前にフェアトレードを知り、少しずつ購入するうちに、他の人にも知って欲しい、スーパーでは手に入らない本当に良いものを買える場所を作りたいと思うようになりました。カフェにしたのは、ただ物を売るだけでなく、料理や飲み物としてもフェアトレードを紹介できると思ったからでした。ネパリ・バザーロは、商品が可愛く、カタログの写真も素敵で、活動の想いをきちんと説明していることに、自分にピッタリ来るものを感じていたので、ネパリの商品を扱おうと開店前から決めていました。スパイス、コーヒー、紅茶、雑貨などを販売しています。カフェメニューは肉を使わず、ネパリのスパイスを「くるまぶの唐揚げカレー」や「ネパールのスパイスごはん」、そしてお惣菜7品が並ぶ「豆とやさいのプレート」の1~2品でも使用しています。どれも普哉さんのオリジナルレシピです。美子さんが作るスイーツにも紅茶などのネパリの食材が使われています。「ネパリのスパイスは香り高く、本格的な深い味わいになります」と普哉さん。その優しいおいしさに「どうやって作るんだろう」と皆さんが思うようで、レシピを紹介してくれる「お料理会」はリピーターも多く人気です。ネパリのスパイスを買って家で作ったお客様から「料理の腕が上がったと誉められた」と嬉しい報告もあるそうです。1、2ヶ月に1回開催しているライブは、演奏者にも観客にも愛されています。2011年3月の大震災以降、人と人が出会える場所、発信の場所としての意義を強く感じ、「ものがたりの会」というトークイベントも始めました。幅広くお客さまに楽しんでいただけるスペースにしようと、工夫を凝らすお二人。おいしいお料理と手作りのあたたかい時間を楽しみに、ぜひお立ち寄りください。綾瀬駅から歩いて10分弱。東綾瀬公園のお散歩途中に寄りたい「ナチュラルカフェ コンポステラ」は、久保美子さんと普哉さんが2006年7月にオープンしました。 15年ほど前にフェアトレードを知り、少しずつ購入するうちに、他の人にも知って欲しい、スーパーでは手に入らない本当に良いものを買える場所を作りたいと思うようになりました。カフェにしたのは、ただ物を売るだけでなく、料理や飲み物としてもフェアトレードを紹介できると思ったからでした。ネパリ・バザーロは、商品が可愛く、カタログの写真も素敵で、活動の想いをきちんと説明していることに、自分にピッタリ来るものを感じていたので、ネパリの商品を扱おうと開店前から決めていました。スパイス、コーヒー、紅茶、雑貨などを販売しています。 カフェメニューは肉を使わず、ネパリのスパイスを「くるまぶの唐揚げカレー」や「ネパールのスパイスごはん」、そしてお惣菜7品が並ぶ「豆とやさいのプレート」の1~2品でも使用しています。どれも普哉さんのオリジナルレシピです。美子さんが作るスイーツにも紅茶などのネパリの食材が使われています。「ネパリのスパイスは香り高く、本格的な深い味わいになります」と普哉さん。その優しいおいしさに「どうやって作るんだろう」と皆さんが思うようで、レシピを紹介してくれる「お料理会」はリピーターも多く人気です。ネパリのスパイスを買って家で作ったお客様から「料理の腕が上がったと誉められた」と嬉しい報告もあるそうです。 1、2ヶ月に1回開催しているライブは、演奏者にも観客にも愛されています。2011年3月の大震災以降、人と人が出会える場所、発信の場所としての意義を強く感じ、「ものがたりの会」というトークイベントも始めました。 幅広くお客さまに楽しんでいただけるスペースにしようと、工夫を凝らすお二人。おいしいお料理と手作りのあたたかい時間を楽しみに、ぜひお立ち寄りください。

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〒120-0005 東京都足立区綾瀬5-7-2第91新井ビル1F
店主 :久保美子
Tel&Fax :03-3628-5366
Open :ランチ11:30~14:00(土日祝~15:00)、カフェ14:00~15:00(土日祝15:00~16:00)、ディナー17:30~20:00(水金曜休み)
定休 :不定期

http://www.k5.dion.ne.jp/~composte/
compostela@y9.dion.ne.jp
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●板橋区
心地よい空間で心地よい時間を
SAI MARKET(サイマーケット)

サイマーケットは、池袋から地下鉄有楽町線か副都心線で3駅の小竹向原駅から徒歩3分程の住宅街にあります。光が差し込み、緑の美しいパティオを囲むように、こだわりの食品を使ったお料理やスイーツが楽しめるカフェと、フェアトレード商品も多数取り揃えた雑貨店が併設されています。広々としていて開放感のある店内は、肩の力がふっと抜け、ずっといたくなるような気持ちの良い空間です。雑貨店、カフェの両方で扱っている商品は、「フェアトレード」や「有機」というラベルが貼ってあるから取り扱っているというのではなく、店長の吉田実央さんやスタッフが気に入り、価格にも納得し、自分だったら買う、という自信のあるものばかりです。雑貨店には、ネパリのアクセサリーや雑貨、スパイスや紅茶、コーヒーなどが気持ちよさそうに並んでいます。作り手の顔が見え、作る人にも、買う人にも良いフェアトレードは特別なことではなく、本来はとても自然で当たり前なこと。そうでなくなっていることが問題な中で、溢れる情報に紛らわされず、できるだけ自然のあり方に反しない物を、自分の物差しで見極めて仕入れるよう努めている吉田さん。“地球全体から不自然な物が無くなり、みんなが普通に暮らしていける世界”を目指して、そんな意識がサイマーケットを訪れる人々に少しずつでも広がっていけばと語ります。雑貨店でゆっくりとお買い物をした後は、カフェで体の隅々まで喜ぶお食事とスイーツをどうぞ。安心でおいしい素材を使うカフェではヴィーガン、ベジタリアンメニューも豊富で、焼きたてのパンやテイクアウトメニューも魅力的です。どうぞお出かけください。

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〒173-0037  東京都板橋区小茂根1-9-5

店長:吉田実央

Tel:03-5995-2700(雑貨)、03-5995-2703(カフェ)

Fax:03-5995-2701

Open:11:00~20:00(雑貨)、11:00~21:00ラストオーダー(カフェ)

定休:水曜

URL:http://saimarket.com/

シリーズ特集:地域開発 「シリンゲ村物語 ~コーヒーの担い手はここにも!~」

はじめに

ネパールからコーヒーの輸入を始めたのは1994年9月でした。コーヒーの正式輸出第一号ということで、必要な植物検疫証明書をネパール政府に出してもらう段階から悪戦苦闘。生産地の特定化でも苦労し、僅かずつコーヒー栽培をしていたいくつかの生産地の中から、ようやく西ネパールのグルミ協同組合というパートナーを見つけ、自然農法を守りながら力を合わせて有機農業を推進してきました。シリンゲのコーヒー生産者とは、1996年頃からのお付き合いです。厳しい生活状況と知りながら、毎年、1、2トンしか購入することができませんでしたが、2009年、グルミのコーヒーのほぼ全量を韓国市場に出すことになり、私たちは、シリンゲの生産者との本格的な取り組みを開始しました。
シリンゲ地域は、約20年前にUMN(※)の農業開発プロジェクトが入り、パイプを引いて水路を作り、農業技術、子育て、トイレの作り方などを教えました。初めはカナダ人グループ、次いでオランダ人の2家族が住み込んで、コーヒー栽培も教えました。野菜を含め、村の今日の有機栽培の基礎が築かれました。私たちは、その基礎の上に、農民と将来のビジョンを何度も話し合い、有機栽培に関する再教育、トレーニングの機会を作りました。そして、協同組合の設立と登録、運営のための体制整備と有機証明取得のための書類作成、申請手続き、オーストラリアの認証機関との度重なるメールのやりとり、検査官の現地案内など、たくさんの使命を負いながら、後継世代を育てることまで含めて活動してきました。(文:丑久保完二)
※…United Mission to Nepalの略。ネパールにて、キリスト教精神に基づき、貧困改善を目指す活動。

コーヒーの担い手はここにも!

シリンゲ村のコーヒー栽培による生活向上計画に重要な役割を果たしている女性たちがいます。もちろん村の女性たちは協同組合の会議にも積極的に参加し、収穫や選別も行いますが、カトマンズにも支えている女性たちはいるのです。カトマンズに届いた生豆を再び丁寧に選別する女性たち。それぞれの厳しい家庭事情を背負って、豆の選別で家族の生活を支えながら、シリンゲコーヒーの高い品質を守っています。さらに、輸出に必要な書類の手配をし、選別した豆を日本に送ってくれる、リチューアルフライトのスタッフ、ラクシュミさん。(P.12参照)彼女は村から送られてくる書類や情報を英語に訳したり、有機証明取得に関するデータ管理などの事務的な仕事を担い、しっかりと完二さんの申請手続きをサポートしています。農業の専門用語や村独特の生活様式がからみ、彼女の懸命な努力がなければ、日本に居て村のことを熟知し、細かく厳しい要求を受ける大量の申請書類を作ることは難しくなります。
シリンゲ村物語を構成する人物として重要な役割を担いながら、これまでスポットの当たらなかった女性たちに今回は登場していただきましょう。カトマンズのカランキという町に輸出入代行会社「リチューアルフライト」の経営者、ディリーさんの家があります。その家の一角は、シリンゲ村のコーヒーの再選別所であり、倉庫ともなっています。ネパリ・バザーロがネパールコーヒーの輸入を開始した1994年から今日まで、惜しみない協力を続けるディリーさんは、自分の傍に置いておかないと不安だとばかりに、ずっとスペースを提供してくれています。カランキは、各地からの長距離バスの集まる所で、シリンゲのコーヒーが載ってくるバスもここに停まります。  ディリーさんのお宅にコーヒー豆の再選別に通ってくる4人の女性たちに近況を伺おうと、2011年11月、お邪魔しました。もう一つ、ディリーさんのお姉さんのおいしい手料理をいただこうという密かな目的もありましたが。それぞれのワーカーのお宅を訪ねて事情を伺ってから早くも2年が過ぎていました。その後、韓国のバイヤーがグルミのコーヒーの再選別所を新たに設置したり、シリンゲのコーヒーが害虫被害で思うように収穫できなくなったりと不測の事態が続き、選別の仕事が激減してしまいました。仕事量に応じた給与制度なので、彼女達に何の落ち度もないのに収入が減ってしまうため、状況の詳しい説明にディリーさんの家に集まってもらいました。害虫被害の木は伐らねばならず、新たに木を植えても収穫できるまで数年かかります。有機証明取得のために参加農民を固定化していて、直ぐには新しいメンバーも増やせない状況が重なり、もし他によい仕事があったら転職してくださいと伝えました。ところが、皆、ずっとネパリと仕事をしたいから、コーヒーの収穫量が増えるまで給与が減っても待ちますと言ってくれました。そこで、仕事のない月は休業補償として、給与の半分を支払い、セービングファンド(※)の本人積立分を立替えて今日まできました。ようやく、2012年は収穫量が戻りつつあるという朗報が入り、ほっとしました。困難な時期に耐えてくれた彼女たちに今後の見通しを伝え、それぞれの生活状況を伺うため、一人ひとりとお話しました。(文:土屋春代)
※…将来に備えた財形貯蓄システム。ワーカー本人と職場、ネパリの3者が一定額をワーカー名義の口座に積み立てます。入院手術、子どもの教育費などまとまったお金の必要な時以外は使えません。

ラクシュミ・バジラチャルヤさん インタビューより。

 

ラクシュミさん(24歳)はリチューアルで働き始めて約3年になります。朝6時から9時半までは大学で学んでいます。ネパールは働きながら学ぶ人が多いので早朝から授業が始まります。まだ暗い内に学校に行き、その後、出勤し、残業で遅くなることも多いので「頑張るね!辛くない?」と聞くと、「家から事務所まで歩いて30分しかかからないし、大学も途中にあるから大丈夫!」とニコニコ。ラクシュミさんは3人兄弟の末っ子です。11歳の時に父親を亡くし、母親と学校をやめた長兄が働いて家計を支えてきました。次兄は6年ほど前からドラッグに溺れ、今も仕事をしていません。その話になると顔が曇り、「働いてお金を貯めて、ドラッグから立ち直れるよう施設に入れたい」と言います。
仕事を始めた頃、毎日のように遅く帰る娘を母親は案じて、「早く辞めたほうがよい」と言っていたそうです。けれど、熱心に仕事に取り組み、報われるとうれしそうな娘の様子を見て、よい仕事に出会えたことを知り喜んでくれるようになりました。また、ボスのディリーさんが遅くなった時はきちんと家まで送ってくれるので安心し、今ではこの仕事を続けられるように応援しているそうです。銀行などの金融機関や大手企業に勤める友人たちは、世間から高く評価される職場とよい給与を得て、最初は喜んでいましたが、仕事だけで終わってしまう人間関係や利益のみを追求する企業の姿勢に疑問を感じ始め、会社は小さくても家族的な温かい職場で、人や社会にも貢献でき、やりがいのある仕事をしているラクシュミさんをとてもうらやましがるそうです。たくさんの素敵な出会いがあり、貴重な経験のできるリチューアルの仕事をラクシュミさんは「こんな職場は他にない。自分はラッキー!」と、喜びます。将来もっと社会に貢献できるように自分を磨きたいと言うラクシュミさんはとっても輝いてみえました。そんな彼女を見ている私の顔がうれしさにデレデレだったと、隣で聞いていたLa MOMOのひろさんに、後で笑われました。シリンゲから戻った後、「村はどうだった?」と聞くと、「やっぱり行ってよかった。初めてでも、ケサブさんもユブラジさんも居てくれたから何も困らなかったし」と、やや疲れた様子ながら、訪問がとても充実していたことを感じさせてくれました。「また行きたい?」と聞くと、「ええ、でも、道がもっとよくなって車で行けるようになってからね!」。歩くことにはかなり参ったようです。(文:土屋春代)

ラクシュミさん 初めての村訪問

2010年12月、待望の有機証明を、一番厳しいと云われるオーストラリアの認証機関・NASAAから取得。そして、翌年の2011年11月、年に一度の外部検査に同行しました。ラクシュミさんとLaMOMOの土屋ひろさんも一緒に訪問しました。カトマンズで生まれ育ち、村の生活を知らないラクシュミさんにとって、現地を知る絶好の機会、そして、今後の仕事をスムーズに進めるためにも必要な体験です。崖を削った、やっと通れるほどの険しい道をジープで進み、さらに、道なき道を徒歩で登り降りする行程はラクシュミさんにとって初めての経験。あまりの厳しさに「キツイ!もうダメ!」と苦しそうに呻きつつも必死に歩いていました。2時間ほど歩いて村の中心部に到着しましたが、2年前までは8時間かかり、電気もなかった村でした。今は、電気もくるようになり、アクセスもだいぶ改善されました。しかし、まだまだ、厳しい生活は続いています。そんな中でコーヒーの販路が開け、スパイスも取り組みが予定され、将来を担う若い人材が、村ではケサブさん、街ではラクシュミさんのように育ちつつあり、皆の希望の光となっています。(文:丑久保完二)