フェアトレードを支える
ネパリ・バザーロの仲間たち

ネパリ・バザーロでは地域作業所にネパールカレーやヘナのパッキング作業をお願いしています。最近では「ナチュラルアロマ金魚さん」のコーヒー詰めもその一つです。特集の座談会で登場した「かたくりの里」以外の4つの作業所をここでご紹介します。団体によりそれぞれ違いはありますが、継続してお付き合いする中で、信頼関係を築いてきました。ネパールでも日本でも実際に作業している一人ひとりと向き合ってきた、ネパリ・バザーロのポリシーがここにもあります。


サポートセンター径(みち)

所長:白鳥基裕
〒247-0034 神奈川県横浜市栄区桂台中4-5
Tel:045-897-1101 Fax:045-897-1119
http://www.houmon-no-ie.or.jp

地域活動ホーム「径」は社会福祉法人・訪問の家を運営主体として1999年、「横浜市桂台地域ケアプラザ」と併設で開設されました。主に知的障害者・身体障害者がデイサービスやショートステイなどを利用しています。障害者やその家族が地域で健やかに安心して生活が送れるよう、さまざまなサービスを提供し、共に生きる社会づくりを目指しています。

 ネパールカレーの箱詰めや「ナチュラルアロマ金魚さん」のコーヒー詰めをお願いしているのが、サポートセンター径です。径はどんな障害のある人でも、地域の中で、その人らしく輝いてほしい、そのためにも一市民として仕事を持って社会参加していこう、という想いで運営しています。
 金魚さんの作業はひもで縛る工程が難しく、最初は苦手な人もいましたが、慣れてくると苦手を克服したということで、作業する人の自信にもつながっているそうです。この金魚さんやネパールカレーは、近所のネパリ・バザーロ直営店「ベルダ」で売られていて、自分の関わった仕事を外で目にすることができ、毎年恒例となったネパリとの合同忘年会でもネパールカレーを調理して、そのおいしさも知っているので、作業に対する意欲が高いそうです。
 最初はただ黙々と納品に来ていた人も、納品の度のネパリスタッフとの交流や、忘年会でのふれあいを通して、今はニコニコと笑顔で来られるようになりました。ただ仕事を発注して、納品して終わりというだけではなく、ちょっとしたコミュニケーションがここまで続いて、信頼関係が深まっていることを実感しています。


社会就労センター ライフ湘南

施設長:小泉晴俊
〒252-0816 神奈川県藤沢市遠藤642
Tel:0466-86-6563 Fax:0466-87-2044
life@lfa.jp http://www.lfa.jp

ライフ湘南は社会福祉法人光友会を設置主体とした知的障害者授産施設です。ヘナのパッキング作業、カタログの封筒詰め作業を以前の地域作業所「さんふれんど」の頃からお願いしています。

 ライフ湘南では製パン、製麺、喫茶、ハウスクリーニング、園芸、軽作業など、障害に応じて幅広い選択肢の仕事がありますが、どんな仕事も初めは困難にぶつかるので、根気強く繰り返しがんばって作業に取り組んでいます。ネパリ・バザーロがお願いしているヘナのパッキング作業もその一つです。地域作業所「さんふれんど」の頃からずっとパッキング作業に関わってきた職員の方が、作業する利用者さんのできることや性格まで考えて、いろいろと工夫しながら作業をしています。ライフ湘南という大きな施設になってからは、作業の幅が増えたので、今までヘナのパッキングはできなかった方に、他の作業があったり、逆の場合もあったりと、それぞれできる範囲が増える事で利用者の方の自信へもつながっています。
 各職員の柔軟な発想のもと、いろいろな企画があるので、どの部署にも、みなさんのやる気がみなぎっていました。


第2つばさ作業所

1982年、地域の障害当事者・家族の働きにより「つばさ作業所」が開所され、利用者の増加により1997年「第2つばさ作業所」が開所されました。「つばさ作業所」はその後「金沢福祉センター」に名称を改めました。

所長:川井康弘
〒247-0034 神奈川県横浜市金沢区泥亀2-1-7
鈴木ビル4F
Tel&Fax:045-789-3771

 金沢文庫の駅から徒歩10分。ビルの4階に入っている第2つばさ作業所では、毎日15名ほどの方が作業をしています。ネパリ・バザーロでお願いしているヘナのパッキング作業の他に、バネを作る作業や雑巾をミシンで縫う作業をしています。できることには差があっても、みんなが協力して作業しています。障害によってすぐに眠くなったり、だるくなってしまう人も、仕事をしているという意識をしっかり持って、がんばれるよう心がけています。
 開設当初は縫製の仕事が主でしたが、今ではバネなどの部品の仕事が主になりました。仕事の転機にはいつも第2つばさ作業所のことを親身に考えてくれる人とのつながりがあり、その中でネパリのヘナの作業もずっと続いています。ヘナを量ってビニール袋に入れ、袋の口をきれいに拭いて閉め、箱に入れていきます。量るのと袋を閉める工程のできる人は限られますが、逆に限られているからこそ「私がやらないと!」と作業する人に責任感が湧いて、良い効果をもたらしています。
 取材にお伺いしたときに、ヘナのパッキング作業を見せていただきました。ビニール袋を閉める作業は本当に職人技。空気の抜き方、ヘナを平らにする作業などはちょっと真似できない感じでした。ネパリへの納品は月に1度なのですが、スタッフの顔を覚えていてくれて「会いたかったよ〜」と言いながらヘナを運んできてくれるのが毎回印象的です。


すぺーすモモ

こころの病をもつ人たちの地域作業所として1996年に開所しました。お互いに助け合い励まし合いながら「自分らしさ」をとりもどすための「憩いの場所」です。名称はドイツの作家ミヒャエル・エンデの物語「モモ」に登場する主人公の女の子の名前からとりました。

運営委員長:杉山忠弘
〒247-0004 神奈川県横浜市栄区柏陽2-19
Tel&Fax:045-892-7532

 すぺーすモモは、ネパリ・バザーロの事務所から歩いて20分ほどのところにあります。アムラヘナのパッキング作業をお願いしていて、出来上がると台車に載せて歩いて納品に来ます。パッキング作業の工程は、まずヘナとアムラの粉を混ぜるところから始まります。それぞれ比重が違うので、よく混ぜるのは難しい作業ですが、長年の経験もあり手際よく混ぜられていきます。袋詰めの作業もとても早くて、ヘナとアムラを混ぜたものがどんどん詰められて、なくなっていきます。長い方はもう8年くらいこのヘナ詰めの作業をしています。みんなマイペースですが、作業は連携していて、それぞれの担当をきっちりこなし、あっという間に仕上がっていきます。
 作業所といっても作業はヘナ詰めがメインで、他にはお寺の掃除、野菜作りやレクリエーションなど、社会参加や人間関係を築いていく活動が主です。そこには、ほんわかした空気が流れています。しかし、世間の流れはとても速く、立ちすくんでしまう人たちもいるはずです。そんな人たちが少しずつ一歩を踏み出せるような場所がすぺーすモモです。


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