環境と安全、それは生産者と顔の見える関係から。
フェアトレードに通じるものがここにはある。

(株)テクノプラン 代表取締役 佐藤清(1級建築士)
ナチュラル100%紙の効用
ドイツ建築家の環境保全意識とフェアトレード

 佐藤さんは建築士として活躍する傍ら、大学で教鞭を執り最新の建築技術を学生に 教え、また、雨水利用の建物を建てる協力をバングラデシュで実施するなど、広い視 野にたって持続的開発を考え、国際協力、特に社会的弱者の自立に向けて熱心に取り 組んでいる。また、女性の社会進出にも熱心である。
 以下、ドイツ事情を伺った。
「ドイツでは、視野の広い専門家が育っています。多くの建築家が、生態系を如何に 守りながら建物を作っていくかを考える傾向にあるのです。例えば、サッカー場を作 るとしましょう。ゲームを昼間のように明るい環境で行えるようにしようとすると 1,500ルックスは必要です。しかし、それが周りの生態系に与える影響は大変大きい ので、極力、その明るさを押さえ、例えば、1,000ルックスにしようと相談するので す。日本であれば、なるべく明るくしようとするでしょう。また、ドイツの専門家の 間では、フェアトレードへの意識、配慮もあり、好んでそのような製品も採用してい ます。更に、環境を汚さないという意識があるのです。 ネパールの手漉き紙は、化学物質を使用してないという点で「安全」の代名詞です 。安全な建物設計には大変に大切なものです。私たちは、いつでも、あまりにも質の 高い紙、均質性や混じり物のないものを求めていますが、その落とし穴は必ずあるも のです。例えば、経典の紙は大変に質の高いことで知られていますが、和紙を作るた めには、繊維を繋ぎ合わせるために糊が必要で、トロロアオイが使われます。腐りや すいので、ホルマリンを使いますが、その物質にアレルギー反応を起す人もでていま す。
 化学物質が入っていない安全な紙は、手に入れることが難しくなっています。必要 以上の品質を要求しないことが、私たちの健康を確保するためには必要です。
 ネパールの手漉き紙がいつまでも安全で、遠い山奥の人々の生活を支え、私たちの 健康にも害のない、環境に優しい社会創りに役立っていくことを心から願っています 。」

お問い合わせ:
356-0052 埼玉県入間郡大井町苗間596
TEL:0492-69-2773 FAX:0492-69-2774


健康に優しい住まいは、アドバイスが大切。
自然素材は、けっして高くはない。

自然素材・古材ギャラリー 住工房 なお
  鈴木直子
ー環境をテーマに衣・食・住に情報 の提案と発信をしていますー

 「小さな空間だけど、コーヒーでも飲みながら、住まいのことゆっくり話しません か。住まいという器をつくるだけでなく、生活全般について提案し、ホルムアルデヒ ド症候群などを考えることはもちろん、廃棄する時、将来につけを残さない、土にか える素材の住まいづくり、木で家をつくることを提案しています。」と鈴木さん。
 鎌倉で有名な長谷観音、大仏を通り、トンネルを抜けるとその道路際に見える落ち 着いた佇まいの2階建てギャラリー兼喫茶店の一軒家が住工房「なお」さんだ。
 住宅メーカーで一戸建て、マンションのリフォームを専門に働いてきた経験から、 そこでの疑問を補うことも含めて現在のお仕事を始められたそうです。「業者の扱う 自然素材は、55%以上その材料が含まれていれば良いことになっているので、実際に は裏打ちされている所に有害な物質を使っていることが多いのです。その点、ネパー ルの手漉き紙は、100%自然素材で、単価も安く、同時に国際貢献にもなるなど注目す るべき点は多いですね。好みにより、下貼りをしなくても使えます。」
 手漉き紙の難点をあえてお聞きすると、「水に弱いこと、汚れに弱いことでしょう か。でも、それが和紙そのものの風合いにもなるんです。上からまた貼る方法は更に 強くなり、良いことですし、柿渋を塗る方法もあります。」
 自然素材は高価と思われて躊躇する人もいるようですが、とのご返事に、「必ずし も高いとは限りません。素材により坪単価が変わるので、予算に合わせて手漉き紙を 1枚貼るか2枚重ねるかという選択もできるからです。」
 近々、リサイクル法で建物の規制が始まると廃棄にもコストがかかり、新建材は廃 棄コストが高くつくので、更に、自然素材のメリットが注目されている。

お問い合わせ:
248-0027 鎌倉市笛田6-3-9
TEL:0467-39-3630 FAX:0467-39-3631


安全な素材を求めて、関西から九州の住宅安全情報発信基地としての役割を務める。

  自然素材建材店(環境保全型企業) 
有限会社 エコ・オーガニックハウス
代表 荒川瑞代
安全な住まいづくりをお手伝いします

 自分の家を2度に渡り建てた経験から、安全な住まいを純粋に考えて造ることが如 何に難しいかを実感したことが現在の事業取組みのきっかけになっています。個人の 努力ではとても困難であることもわかりました。
 その頃から、安全な建物を造る勉強会を主催して研究を重ねてきました。ネットワ ークが広がるにつれて、相談件数も多くなり、片手間ではなかなか時間が取れなくな り、これを仕事にしてはと思うようになりました。16年間飲食店を経営し、50歳にな ったら人のためになる仕事をしたいと考えてもいました。そして、父、兄も建築関係 の専門家であったので、その協力も得て、勉強会のネットワークを活かしながら、安 全な素材の卸を始めたのです。
 最近、安全な商品を扱うお店も増えて来ましたが、妥協が多いと思います。初めに 利益を追求するとそうなるんです。初めに安全、第二に経営と継続を考える姿勢が大 切です。 1999年5月の設立当初は給与もでない状態でしたが、安全を求めるネットワークが 広がり、充実するにつれて安定してきました。安全で持続的に採れるものを使った材 料を提供しています。そのためには、必ず生産現場を訪問するようにしています。「 現場を訪れて、状況を知る」ということや「安全性を常に考えている」点で、フェア トレードと共通していますね。ネパールの手漉き紙を使うという点では、当にフェア トレードを実践しています。
 ネパールの手漉き紙の魅力は、第一に安全、第二に安価(コスト削減)です。また 、手漉き紙ということで丈夫ですね。お客様からの要望を建築家が汲み上げて、使わ
れるようになってきています。ワークショップを開き、自分達でも安全なノリを使っ て貼ることを試しています。一般には、二重に貼る「ふくろ貼り」が多く、貼りの専 門家として表具屋さんが貼ります。縦横を合わせてきちんと貼るだけでなく、自由に 貼りあわせて自然の美しさを演出するのは、素人にも貼れて一考の価値ありです。私 たちスタッフで勉強を兼ねつつ新築のお家で貼らせて頂くこともあります。その時は 、材料費のみ頂きます。
 誰もが気軽に立ち寄れて学べる場所、情報発信基地をこれからも目指して行きます 。そして、環境保全のために活躍している方々とネットワークを組んで、大きなうね りを作りだせたら幸いです。

お問い合わせ:
811-1356 福岡市南区花畑2丁目45-29
TEL:092-564-3866 FAX:092-567-0170

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