≪ネパール、カトマンズのロックダウン延期。陸の孤島シリンゲ村から。≫

カトマンズは、8月20日より突然ロックダウンが再開されました。1週間の予定でしたが、少しずつ延期され、現在は9月9日までと発表されています。インドの感染爆発の影響を受け、国内で感染者が激増し、死者も増えているそうです。
3月末から国際線の運航停止が続いています。一応9月2日に再開され、9月16日に日本への直行便が予定されていますが、ぎりぎりまでどうなるか分かりません。また、国内線・長距離バスもずっと停止し、国内移動もできません。
陸の孤島といわれるシリンゲ村では、今年収穫したコーヒーを運ぶことができずにいます。生活に必要な物資も届いていません。米が底をつき、村人たちは米の代わりにキビやアワなどの雑穀を植えて凌いでいます。2015年のネパール大地震の時には95%の家々が全半壊で大変でしたが、ほぼ再建され、ほっとしていた矢先でした・・・苦労に苦労を重ねている村人たちにとって、コーヒーは希望です。すでに青々と実り始めています。
ある生産者の方のお姉さんが、夫家族に殺されてしまったという、とてもとても悲しいショックな知らせが入ってきました。コロナ禍のロックダウンで大家族がステイホームする中で、悲惨な事件が後を経ちません。
ネパールでは、女性は結婚したら夫の家に入ります。大家族の家事は全て嫁の仕事。水汲みなどもあり、重労働です。どんなに辛くても、慣習から実家に戻ることは許されません。収入がなければ離婚して1人で生きていく、子どもを養って生きていく、という選択肢もありません。逃げ場がありません。
ネパール大地震後も、そのような状況から追い詰められた末の自殺や殺人事件が急増したと聞いていました。今回もコロナ禍のステイホームで家族の問題が噴出し、増えているそうです。
常に社会的に弱い立場の人々が、途方もない苦しみを強いられています。差別を受けている人がより弱い立場の人を差別したり暴力をふるったりという差別の連鎖、構造的な差別・暴力・貧困・・・それらを生み出しているのは、私たちの無関心や同調圧力でもあるのではないでしょうか・・・。
どんな状況であっても、人の尊厳が守られる社会を願います。一人一人が自立して生きることが大切です。女性や社会的に弱い立場をしいられている方々が仕事を通して収入と技術、自信を得て、経済的にも精神的にも自立できるようにこれからも願い、活動していきます。
コロナ禍において、私たちはどう生きるのか、とても、とても大きな問いを突き付けられています。

2020.9.8

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