どういう生産者と付き合うか
 ウールンガーデンは抱えている編み手の人たちを大きな家族と言っている。仕事のある時だけ頼むのではなく年間を通じてオーダーをだし、収入が途絶えない様に気を配る。だから売れないシーズンは在庫が増え負担が大変だが、ビジネスだけ考えるのではなく皆が幸せになるようにしたいと言う。収入を特に必要としている女性に仕事を多く回したり、遠くに引越しても働かねばならない人には運送のリスクを負っても仕事を回すなど気を使い人の情を大切にしている。だから編み手の人達も良い仕事をして応える。



染色した糸を干している風景。発ガン性のある染料は使用していない。

 どこよりも早くスイスの染料会社のアゾ(*1)の入っていない染料を使い始めたのもここで、環境問題にも気を配り研究熱心だ。
 ウールンガーデンはNGOではない。私企業である。ウールンガーデンに出会う前セーターで付き合っていたのは2ヶ所のフェアトレードNGOだった。しかし一つは実績に自信を持ちこちらからの提案は受け付けず、一つは身寄りの無い子のホーム運営、職業訓練所の運営などの活動にお金が掛かるので製品の値段を高くしなければやって行けないからと市価の倍の高価格。日本で販売する価格はチャリティー価格ではない。一般の市場に受け入れられる価格にしなければ続かない。そしてマーケットの好みにも合っていなければ。
取引をする相手を選ぶ時NGOだから付き合う、NGOではないからダメと決めるのではなく、何を大切にし、どういう仕事をしているかを良くみてお付き合いしたいと思う。それがフェアトレードの基本だと思う。


*1:アゾ染料
 アゾ化合物のあるものは染料として用いられるものが多い。それらをアゾ染料という。特徴としては、低温で、しかも硬水でも安定した染色が可能で、価格も安く広く使われている。染料の70%はアゾ染料といわれている。
 このアゾ染料のうちのある種のものは、ドイツでは、発ガン性があるとして、人間の肌に直接触れるものへ染料として使用することを禁止している。日本でも、研究発表レベルでは、河川などに流れて還元などの処理過程で発ガン性物質を作り出すことがあると示唆されている。(アゾ染料すべてに発ガン性があるわけではないので注意してください。)



ワーカーの紹介 

チョリ・マヤさん(45才)

 工場で仕上げ、検品作業(糸の結び目が表に出ていたら中に入れる等)をしているチョリさんは口が不自由で言葉をはっきり発することができない。7年前に薪を売る店に勤めていた聾唖の夫が亡くなってからカーペット工場で働いていたがひと月に800ルピーにしかならず息子、娘の3人暮しでも一日一食がやっとだった。5年前からウールンガーデンで働くようになり収入は数倍になった。 一日でも収入が無いと困るチョリさんにマティナさんたちはその日からできる仕上げ・検品作業を依頼した。チョリさんは朝8時から工場に来ると夜遅くまで働く。昨年ネパリ・バザーロのセーターの検品のピーク時は朝6時から夜12時まで働いたという。事情を知るマティナさん達は食事も出し応援した。現在、14才の長男はチョリさんの弟の店に住み込んで手伝いをしながら学校に行き12才の娘さんと二人暮しだ。チョリさんは仕事がたくさんあると張りきるという働き者だ。一緒に工場で仕事をする人達の冗談に耳を傾けながら楽しそうに働いている。

   
セーターを検品するチョリ・マヤさん。



娘さんと共に自宅でセーターを編むチャンドラさん(右側)。

チャンドラ・クマリさん(58才)

ウールンガーデンの編み手の中で最年長がチャンドラさん。マティナさんと講習を受けて以来一緒に仕事をしている最も古いメンバーでもある。
9年前夫を亡くし息子2人娘3人を育て、現在は長男家族と共に住む。7人家族で生活が厳しく朝4時頃から編み始める時もあるという。起きるなり針を持ち夜寝るまで編むよ、と笑う。独身の長女ニルマラさん(26才)と一日中せっせと編み針を動かしている。
2人で一月に30枚ぐらい編み、平均月収1万ルピーぐらいだという。直接の報酬だけでなく長男が学校へ行っていた一番苦しい時マティナさんの兄でウールンガーデンを取り仕切っているバスカルさんが学資を9年間支援したという。チャンドラさんは大きな家族と言われるウールンガーデンの中で守られ敬愛されている。



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