紅茶の時間 (vol.33)

テトラバッグの紅茶が新発売。

オフィスでも、忙しい朝も、ほっと一息。
ネパールのカンチャンジャンガ紅茶農園から今年もおいしいお茶が届いています。
愛情のいっぱいこもった茶葉を、そのままおいしく、しかも手軽に飲んでいただきたくてテトラバッグの紅茶を作りました。

エベレスト、K2に次ぐ世界第3位の標高8586mのカンチャンジャンガ。そのふもと1050~1900mの高地にKTEの茶園があり、製茶工場も1600mの高地にあります。インドのダージリンに程近く、香り高い高品質な紅茶を作るために最適な環境です。ネパリ・バザーロの紅茶は、5月末頃から収穫されるセカンドフラッシュと、9月末頃から収穫されるオータムナルをお届けしています。
 テトラタイプのティーバッグには、SFTGFOP(スペシャル・ファイン・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)の最高級の茶葉を詰めています。金色をした上質の新芽「ゴールデンチップ」をたくさん含んだ一芯二葉のフルリーフの紅茶の上級グレードです。新芽とその下の2枚の淡い緑の若葉のみを摘みとる「一芯二葉」は、硬くなってきた濃い緑色のペコースーチョンを含める「一芯三葉」に比べて収穫量は激減しますが、良いお茶をつくる理想的な摘み方です。
 水と緑の豊かなヒマラヤ山脈のふもとで、自然農法で育てられ、額から籠を担いだ村の人たちによって、ひと摘みひと摘み丁寧に手摘みされた紅茶です。3分半から5分、ポットの中で茶葉が開いて、成分がしっかり抽出されるのを待ってから、お召し上がり下さい。テトラタイプのティーバッグですので、茶葉が踊り、お茶の美味しさが十二分に引き出されます。

コーヒー日和

自然農法で育て、一粒一粒手で収穫したおいしいコーヒーを是非お試しください。

農薬や化学肥料を一切使わず、自然農法で育てられたネパールコーヒー。このコーヒーは、ネパールの首都カトマンズから、バスを乗り継いでほぼ一日、そこから徒歩で8時間以上歩くと、ようやく辿り着く「シリンゲ」から届いています。急斜面の険しい山道を、農民たちはコーヒーを背負って歩きます。豊かな自然に育まれ、空気がとてもおいしい地域で栽培された、てまをかけた逸品です。

 シリンゲコーヒー協同組合のメンバーたちは、教育をほとんど受けていないことやあまりにも貧しいことを理由に、地域のなかで見下され差別されてきました。協同組合を設立し、代表となったバドリさんは、そうした偏見や差別には屈せず、コーヒーの市場を16年間細々と守ってきました。そんな彼を、カトマンズで輸出入代行会社を経営しているディリーさんとネパリ・バザーロが長年支え続けてきました。また、組合員の農民たちの団結とバドリさんに寄せる強い信頼、そして片腕となって皆をリードするケサブさんも大きな支えとなりました。見下してきた人々は、シリンゲの自立を阻もうと様々な妨害を行ってきましたが、私たちは粘り強く挑戦を続け、日本からも現地とやりとりしながら膨大な資料を作成し、ついに2010年12月に有機証明取得にこぎつけました。
 私たちの有機証明へのこだわりは、単に商品に表示することが目的ではなく、食の安全確保を目指し有機農業を推進する世界の流れを示し「良いものを作れば市場も開ける」という農民への動機づけが一番の目的です。それによって作る人、頂く人双方の安全も守られます。

こだわりの焼き菓子

ネパールでとれたコーヒー、紅茶、スパイスなどのこだわりの食材を使ったとっておきの焼菓子です。

ケーキを作っているのは障がい者地域作業所「まどか工房」のみなさんです。最後に手にするお客様に満足してもらえるようにと責任を持ってしっかりと働くことを大事にしています。オーガニックで栽培されたネパールのコーヒー、オレンジピール、紅茶、スパイスの新鮮な風味を活かすよう、国産の材料も厳選された安全な材料を使っています。愛知県にある有機農場「とりのさと農園」の、餌にもこだわって育てた鶏の元気な平飼い卵、南部地粉、洗双糖、無添加の菜種油を使用しています。
 大人気のクッキーシリーズは、障がい者地域作業所「かたくりの里」のみなさんが、ネパールのオーガニックで栽培された紅茶やコーヒー、オレンジの皮、こだわりの国産材料で作っています。年々順調にクッキーの販売数が増え、忙しくなってきました。やればやっただけ得るものがあり、それがまた次のオーダーへとつながるので皆がんばっています。2008年春号から加わり大好評のシナモンクッキー、2010年春号新登場のジンジャークッキーは、「まどか工房」で作っています。
 真面目に製品を作るとコストばかりかかってしまい、とても一般には市場が開けないことも多い時代にあって、このケーキとクッキーは、こだわりの材料とこだわりの理念を持って、事業として十分成り立ち、作る人のやる気にもつながっています。そしてそれは、ネパールのコーヒー、紅茶生産者へもつながっていくのです。

自然農法のスパイス

自然に沿った方法で作られた安心なスパイスやハーブは、いつもの料理に加えるだけでぐっと本格的な味わいに。

ネパリ・バザーロのスパイスは、街から遠くて生活が厳しい、しかし自然が豊かな地域で栽培されています。コーヒー、紅茶で身につけた技術を柱に、私たちと現地の協同組合が協力し、農家を一軒一軒歩き回り、少量ずつ集めています。スパイスは非木材の再生産植物の一種で、環境にやさしい植物です。荒地でも栽培でき、成長も早いため、わずかな土地しか持たない生産者にとって、スパイスは貴重な収入源になっています。また、私たち消費者にとっても、生産者の顔が見えているので、安心して口にすることができます。
 村で収穫されたスパイスをパッキングしているのは、首都カトマンズにあるSHS(スパイシー・ホーム・スパイシーズ)という工房です。代表のシターラ・ラジバンダリさんのもと、厳しい経済状態にある女性たちがスパイスを粉末にし、新鮮なうちに一つひとつ個袋にパッキングをして、日本に出荷しています。2007年よりネパリ・バザーロと協力し、働くワーカーたちに対して、セービング・ファンド(将来に備えて積み立てる資金)を始めました。ネパールでは、働く女性たちが、給料を自分のために使うことはほとんどありません。その上失業保険、健康保険、年金などの社会保障もない国で、将来まとまったお金を必要とする時に、きっと役立つと思います。

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