第2号

もくじ

2号の発行に向けてナマステ
祝:おめでた!ホームも18人に
「魚谷早苗」のネパール訪問印象記#2
◆ネパール駐在報告
ネパリ・バザーロからのお便り
バザーの日程
ご寄付名簿
編集後記

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◆2号の発行に向けてナマステ
 皆様の暖かい激励に支えられて、この会報も2号を出す運びとなりました。会費制度を持たないこの活動の資金源は、暖かいご寄付と、仕事の提供と我々自身の自立を願って設立したネパリ・バザーロの力を借りたバザー活動が基本になっています。今後も継続してゆく所存でおり、皆様と共に前進できたら光栄に存じます。そして、ネパールの生の姿が、たとえ一部であったとしても、ご紹介できたらと願っています。
 通信のタイトルは、「緑の学校」というエスペラント(語)を使っています。以前に、ネパールに寺子屋でも良いから作ろうと計画し、その当時の名前に由来しています。年に、3〜4回の発行を目標に進めてまいります。将来は英語版も発行したいと思います。
活動の中心は、二人の寄宿舎生活の子どもたちと、親のない子どもたちを、親子として面倒を見ている方のホーム支援です。一度始めた支援は、長期にわたって行う必要があるので、このぐらいに限定して、慎重に対応して行くつもりです。
 また、子どもが学校へ行けるためには、親の経済状態が課題で、特に、そのしわ寄せを受ける女性に着目し、お互いの経済活動を通して、お互いが自立する道を目指す活動をネパリ・バザーロが行っていきます。イギリスのOXFAMを始め、ヨーロッパでは、この面の活動が盛んですが、日本は、活動のための資金基盤が脆弱です。力をつけて、村への活動ができるようになりたいと思っていますが、だいぶ先になると思います。   
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◆祝:おめでた!ホームも18人に
 昨年の秋に、メンバーの秋山和美(元ネパールの医療ボランティア・ワーカー)がネパールの牧師さんと結婚しましたが、この度、おめでたとの一報を頂きました。牧師婦人として、忙しい毎日を、慣れない生活環境の中で過ごされています。詳細、現地レポートを参照ください。  この冬は、ネパリ・バザーロのメンバーが、仕入れ、製品チェック、新製品開発などで訪ネしました。ネパール在住の友人、宮坂洋子さんには、パートナーのサロジュさんを含め、大変お世話になりました。その際、ホームに寄りましたが、なんと子供が増えていました。9月の時には、15人でしたが。詳細は、レポートをご覧ください。  この通信は一般向けに、楽しく現地の紹介、そして会員の方々の架け橋にもなるようにしたいと思います。また、ネパリ・バザーロのグッズも紹介していきます。  ご期待ください。   
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◆「魚谷早苗」のネパール訪問印象記#2
 9月のネパール旅行でお会いした、デブロイさんから伺ったお話をご紹介させていただきます。
 デブロイさんは22年間教育文化省に勤め、現在は、SLC(高等卒業資格全国統一試験 School Licencing Certificate:高校卒業時に受ける全国共通のテストで、これにパスすると大学へ進学できる)のコントローラをしていらっしゃいます。そして、教育問題に大変熱心な方です。また、デブロイさんの奥様(アンビガさん)はブワン君とミラちゃんが通うバルナムーナ小学校の校長で、学校の2階がお住まいになっています。9月15日の夕刻、そのお宅にお邪魔して約1時間にわたって次のようなお話を伺ってきました。
 ネパールは、タライ平原など一部を除き山が多く、また、経済的に貧困で穀物も十分ではありません。カトマンズのような都市部はほんの一部分にすぎず、ネパールの暮らしの多くは、村や山にあります。ネパールの全人口の96%が村や山に住み、都市部に住む人口は4%にすぎません。カトマンズのような町中では子どもはともかく学校には行くことができます。カトマンズ盆地には1000校の学校があり、貧しくてもそれなりに学校へ行かせることが可能になっています。一方、山に住む人々は貧しく、取れる作物も不十分で、子どもたちは学校に行く余裕がありません。近くに学校がなかったり、川や林、谷などの地形に阻まれて通うことができなかったり、幼い子供の世話をする必要があるからです。学校も教師も教材も不十分です。土地に根ざし農業を継承していっているので、学校へ行って人生を変えるというチャンスもありません。読み書きができない子どもたちを含めると、34%の子どもたちが学校へ行けないでいます。
 老人は、83%が教育を受けていません。また、山岳地帯からは大勢の人たちが都市部に流入し、カーペットなどの工場で低賃金で働かされています。カトマンズ・パタン・バクタプルを合わせたカトマンズ盆地の人口110万人のうち、村からやってきた者は50万人にもなります。一緒に連れてこられた子どもたちもわずかなお金を稼ぐために働いています。子どもたちの賃金は1日60セント(1月に15ドル)の低賃金です。カーペット1枚で30ルピー(1ドル)になるので、お金がほしければ1日中働くことになります。
 さて、こうした山岳部の子どもたちの中にも才能のある子どもたちは数多くいて、その子たちにどんな教育が望まれるのか考えていかなければいけません。
 ネパールは農業国ですので、教育は、まず農業に根ざしたものであるべきです。村で生きていくためにはまず正しい農業知識が必要です。土地が少ない日本は、原料を輸入して工業製品を生産する工業立国であるために、教育もテクノロジーに根ざしています。ネパールは農業国ですから教育も農業に根ざすべきです。一方、優秀な子どもにはテクノロジーの教育を与えたいと考えます。どんな子どもがどちらに進むかはケース・バイ・ケースですが、農業教育とテクノロジー教育と並列して伸ばす必要があります。文学・芸術などの教育は、今のネパールには重要ではありません。第1は農業教育です。これは、技術教育を軽視するという意味ではありません。第2は、技術分野の課題です。農業生産性に技術を無視することはできません。しかし、ネパールではカトマンズさえ教師が不足しています。良い教育にはよい教師が必要ですが、例えばコンピューターを教えられる教師はまったくいません。コンピューターだけでなくどんなテクノロジーも教師不足です。
 また、いい教育を子どもに与えたくても親にはお金がありません。月500ルピー(10ドル)あれば良い教育を受けることができます。あなたの1日1杯のお茶代で月30ドル、3人の子どもが教育を受けられます。学校のない村からカトマンズに子どもを呼んで教育の機会を与え、SLCにパスして村へ戻れば、村でいい教師になれ、教育が広がっていきます。また、先進国が発展途上国を助けるためにネパールの子どもを日本に招待してほしいと思います。日本人はネパールでホテルになど泊まらず、ネパール人の家に泊まり、そこのネパールの子を日本に招いて、日本を見せ、ネパールを外から見て考える機会を与えてほしいと思います。  
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