第3号


もくじ

3号の発行に向けてナマステ
「ホームの子どもたち」は元気です!
「魚谷早苗」のネパール訪問印象記#3
私のネパール訪問印象記
ネパール駐在報告
ネパリ・バザーロからのお便り
ご寄付名簿
新運営メンバー:久田智子さんのご紹介
編集後記

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◆3号の発行に向けてナマステ
    皆様の暖かい激励に支えられて、この会報も3号を出す運びとなりました。ゆっくりではありますが、着実に前進しています。その活動の状況をここに少しでも紹介したいと思います。
 会費制度を持たないこの活動の資金源は、暖かいご寄付と、仕事の提供と我々自身の自立を願って設立したネパリ・バザーロの力を借りたバザー活動が基本になっています。今後も継続してゆく所存でおり、皆様と共に前進できたら光栄に存じます。そして、ネパールの生の姿が、たとえ一部であったとしても、ご紹介できたらと願っています。
 通信のタイトルは、「緑の学校」というエスペラント(語)を使っています。以前に、ネパールに寺子屋でも良いから作ろうと計画し、その当時の名前に由来しています。年に、3〜4回の発行を目標に進めてまいります。  
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◆「ホームの子どもたち」は元気です!
 私達の会が支援をさせていただいているホームから、子どもたちを紹介するお手紙が届きました。このMorning Star Children's Homeは、親のない子どもたちを引き取って家族の一員として育てています。子どもたちの数は現在男女合わせて18名、そしてホームを運営している御夫婦の娘さんが一人。子どもたちの紹介の中程に同じように娘さんも紹介されているのが、分け隔てのなさを物語っていました。
 子どもたちの年齢は4歳から15歳。ほとんどが両親のいない子どもたちですが親が病気だったり非常に貧しかったりして引き取られた子もいます。本を読んだり、絵を描いたり、ゲームをしたりするのが皆大好きです。お手伝いや社会活動が好きな子もいます。将来なりたいのは運転手、看護婦さん、お医者さん、ソーシャルワーカー。一番人気があるのは学校の先生だそうです。
 子どもたちのプロフィールを眺めていたら、彼らにまた会える日がますます楽しみになりました。  
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◆「魚谷早苗」のネパール訪問印象記#3
* Women's Skill Development Project (WSDP)を訪ねて
 ネパリ・バザーロが商品を仕入れている取引先のひとつにSANA HASTAKALAという店があります。ユニセフの援助を受け1989年に開店したこの店は、女性によって女性のために運営され、カーペット・手織り布・手漉きの紙・ニット・木彫り・木製スタンプなどをネパール各地の工場、作業所、協同組合、一般家庭から取り寄せて販売しています。輸送の困難なネパールでは、商品はラバやヤクや人の背に乗せて運ばれることもあり、膨大な時間を消費してしまいます。SANAはそうした遠隔地で生産される高品質の商品を市場に乗せ、伝統的工芸技術を復興し保護していくと共に、新しい技術とアイデアを取り入れてネパール各地の家庭の現金収入を確保することに貢献しています。
 さて、そのSANAに商品を卸している作業所のひとつにWOMEN'S Skill Development Projectがあります。昨年の9月、ここを見学させてもらうことができました。作業所はSANAから歩いて数分の所にあるレンガ造りの2階建ての建物です。前の芝生にはプロックプリントを施された美しい布地が広げて乾かされていました。屋内はいくつもの小部屋に仕切られ、それぞれの部屋では色とりどりの材料が積み上げられて女性達が熱心に作業に取り組んでいました。ネパール独特の手漉きの紙に美しい表紙をつけてノートが作られていたり、足踏みミシンを何台も並べた部屋でプロックプリントの布地から現代的なデザインの洋服が縫われていたり・・・。
 1973年に設立されたこのプロジェクトは、衣類・室内装飾品・ブロックプリントなどの手工芸技術の習得を目的としていますが、その対象となるのは貧困・身体障害・聾唖など社会的にハンディを背負った女性達です。仕事内容は各人の能力や状況に応じて工夫されていて、体の弱い人は体力的に楽な仕事に就いていますし、事務用品の管理をしているのは耳の不自由な女性でした。訓練を終えた女性達はプロジェクト内で雇用されたり家庭でできる職に就いたりしています。就職そのものが厳しいネパールで、就業が不利になりがちな状況の女性達にこうした場を提供していくのは大変なことと思いますが、初期には受けていた資金援助も現在は断り、経済的に独立して運営されているそうです。  このプロジェクトを運営しているSHANTIさんにお会いして、お話を伺うこともできました。彼女はこれだけの規模のプロジェクトを管理運営しているだけに非常に力強い堂々とした女性です。女性の自立、地位向上には大変熱心な方で、ネパールに女性の首相がまだいないことがとても残念だそうです。バングラディッシュでも女性が首相になることができたのに、どうして先進国といわれる日本でできないのか、と私たちに痛い一言をいただきました。
   4月に会の春代さんがネパリ・バザーロの仕入れのためにネパールを訪れた際、SHANTIさんにお会いし近況を聞いてきました。WSDPの仕事を離れ、新たに独自の工場を設立したということです。WSDPでは様々な妨害を受け、マネージメントの仕事ができなくなってしまったそうです。女性がトップに立って思い通りに活躍することは、摩擦も多く、なかなか大変なようです。新スタートを切ったSHANTIさんがメッセージを送ってくれましたので皆さんにご紹介します。

Dear
As the saying goes,"all good things must come to an end" I think the time has come for me to leave Women's Skill Development Project. I have to say with much sorrow that circumstance in WSDP gave deteriorated extensively after the intervention of bureaucracy in the project. What was once a project dedicated to the women in Nepal, a struggle to gain economic independence for the socially insecure women, has now become a centre for politics and unrest driven through forces beyond my comprehension.
Despite a struggle in keeping the project going through various agitations and strikes,I have learnt that perhaps it is a futile race.
I have decided to leave the project and details of the happenings here, you will find in the attached newsclip. I would also like to thank you from the heart for your concern and cooperation during my work tenure. I will henceforth not be responsible for any orders received by the project.
The days ahead are certainly going to see me working in a similar field perhaps by myself and I do hope to receive your continued support even then. Thanking you once again.
With best regards,
Shanti Chadha
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◆私のネパール訪問印象記
              土屋裕美(現小5)
初めてネパールを見たときは、子どもが道路に寝ていたり、牛が道に寝ていたり、足や手がない人やげっそりやせた人たちがお皿を置いて「お金をください」などと言っていたりして、とてもショックでした。もう、外に出るのがいやで、ホテルの中で遊んでいたいと思いました。
 でも、それは始めのほうのことでした。始めの方に目に入るのは、ネパールの悪いところばかりでした。でも、そのうちに、ネパールの良いところも目に入ってきて、道はきたないけれど、いろいろな物を見るのが楽しくなってきました。象に乗ったり、三つ目の神様の建物を見たり。それから、心に残ったことは、鳥が出てきて、パッと手紙を引くんですけど、それが可愛くて(占いの紙を選ぶオウムのことです)。本当だったら、一人で読みたかったけど、字が読めない(ネパール語)のでしょうがなかったです。死ぬ日まで出ていたりして、ちょっとショックなこともありました。でも、自分の将来なりたいものがあって、その将来の職業にピッタシと言われて、、すごく嬉しくて、「やるぞ!」という気持ちがわいてきました。
   私は、(あたらないだろうな)と始め思っていたけど、すごく当たってしまいました。ショックだったところは、自分の力で変えようと思いました。
 ネパールのいい所も、私がしっている所では、ほんの少しだと思うけど、だから、これからももっと知りたいです。 
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◆ ネパール駐在報告
・・・を書いてくれている和美さんが、出産のため日本(山陰の鳥取)に帰ってきています。会にメッセージを送ってくれましたのでご紹介します。
         -kazumi A. Sharma-
 皆様いかがお過ごしですか。私は出産のため3月11日に帰国しました。実家のあるここ鳥取では3月下旬まで雪がちらつくなど思ったより寒くてびっくりしています。何しろネパールでは日中気温は22度前後といったポカポカ陽気、花々は咲き、鳥たちも元気にさえずっていました。私はTシャツ1枚で過ごしていたので日本の寒さは身に染みました。そのためか帰国後よりお腹を壊すなど体調を崩し現在入院中です。毎日安静と筋肉注射を強いられ頑張っています私は看護婦だったので妙に看護婦さんたちの声、言葉遣い、足音などが気になっています。患者さんの気持ちが良くわかるというもので、これも良い勉強の機会だと思っています。
 ネパールで病気などすると、すぐ「ヘルナアエコ(見に来た)」と言ってドヤドヤ知らない人までもが見舞いにきます。そして頼みもしないのに台所をかき乱したり(本人は手伝っているつもり)1時間も2時間もおしゃべりをして帰ります。こちらは疲れるので、あ〜あ、早く帰ってくれないかなと思っても、なにしろ向こうは親切のつもりですから、そう短時間でおいとまというわけにはいきません。さらに風邪などで熱が出ているときは、寝ていてはよけい熱がこもるからダメという人や、ミカンやヨーグルトは食べてはいけないと言う人もいます。私から言わせればミカンはビタミンCがあってとても良いと思うのですが・・・。文化、習慣の違いでしょうか。
 しかし、今回日本に帰ってきて忙しい日本人に接し、「見に来た」といって見舞いに来る人もいないし、私自身も日本人的な思いやりとか遠慮などが出てきてネパールのようにずーずーしさも出せずなんだか変な気分におそわれています。こう毎日一人でボーッとしていると「ヘルナアエコ」と言って突然笑顔でやってきたネパールの人々がなつかしく思い出されます。
 今ラジオに耳を傾けていたら、粗大ゴミの話題に聞き入ってしまいました。日本ではまだまだ使えそうなソファーや冷蔵庫、タンスを平気で捨ててしまうという事でした。いらなくなったらポイと捨ててまた買えばいいといった安易な発想や、家が狭いのでやむなくといった色々な理由からでしたが、森林破壊や環境汚染が問題となっているのにと想像しながら私はもったいない、ほしいなと思いました。
 ネパールではポロポロになるまで使います。車にしても日本では廃車同然のものを平気で運転しています。ある時タクシーに乗っていたら途中でエンコし、なぜか私はこのタクシーを押すハメになりましたが・・・。
 私のネパールでの生活は洗濯は手洗い、冷蔵庫なし、食事は1回1回作る、掃除はほうき、といった具合です。当然のことだったんですが、日本に帰ってみると洗濯機はある、冷蔵庫はある、食事もレンジがあるため簡単。ネパールでは1日かかって家事をしていたためとても暇で暇でしょうがありませんでした。まあ、その分日本は他のことで忙しいから仕方がないのでしょうけど。
 ネパールと日本、どちらも良いところ悪いところがあります。これからもいろいろと勉強してお互い学びあって、よりよい環境、地球作りができたらなと考えています。
 とにかく今は無事出産を願っています。皆様も応援してください。予定日は6月17日です。では次回は我が子のことが載せられますように。    
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◆ネパリ・バザーロからのお便り
            土屋春代
 皆様こんにちは。ご協力、いつもありがとうございます。お陰様で、今年の1月の訪ネに続き、この4月にも訪ネし、現地の方々とも信頼関係が少しずつですが出来てきました。
 今回は、3週間の滞在で、極力、コミュニケーションを取ることに重点を置いて活動するつもりでしたが、限られた時間の制約でなかなか思うようになりません。特に、建設の会の方までは手が回らず、子どもたちの顔を見てきたくらいで残念です。こちらの方は、また、この9月に運営メンバーが現地へ行きますので、期待しています。
 現地では、風邪を引き、また水があわずに体調を崩し苦労しましたが、仕事先、ホテルの方々が気を使ってくださり、すばらしい収穫であったと思います。製品の品質も、そのお願いする場所の得意とするものがわかるに従い、向上しています。
 ネパールの伝統工芸と日本での市場に見合う製品とのバランスには常に気を使います。その結果生まれた製品を数点、ここで紹介させていただきます。
 大変にソフトで軽く、カード、パスポートも入る大変実用的な革パース、オシャレで、色合いもよく、好評です。また、シルク・サリーの生地を使ったジャケット、但し、このジャケットは、製品化までが難しいので、今回は協力頂いているパタンナーの青木いみこさんに製作をお願い致しました。冷房の効いた真夏の車内など、大変に便利で、またオシャレ着として、いかがでしょうか。  クッション類は、「女性の技術開発センター」をディレクトしてこられたシャンティさんが別プロジェクトを開始し、現地NGOの紹介、並びに本人からの主旨説明と依頼がありましたので、そのプロジェクト成果を待っています。皆様もぜひ、その成果をご覧になってください。
 この秋のセーターの準備も始めました。なかなかシャレタものを計画していますが、これは、秋までのお楽しみに。このセーターを通して、母子家庭の経済的自立に寄与できるように、継続的オーダーも計画しています。このプランには、オランダ女性の協力も頂いて実行に着手した段階です。  ともかく、製品を見てくださいネ!
 ネパールは、東西の接点、西洋を想像させるものから、東洋、それも純日本的感覚を思わせるものまで色々あります。観光では探せないグッズの紹介と開発をこれからもしていきたいと思います。   
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◆ご寄付名簿
 前回以降、寄付を頂いた方、以下、ご紹介させていただきます。ありがとうございます。
 大槻克美(ご一家)様、広田様&ご友人、磯部様、岸様、関様、浜田様、平塚福音キリスト教会様、自然食品た・ま様、ヤキソバ屋磯村清治様、愛子様、ネパリ・バザーロのお客様、山口由美子様、魚谷早苗、土屋春代、土屋完二   
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◆新運営メンバー:久田智子さんのご紹介
初めまして。この度、新しくメンバーとして、活動に参加させていただくことになりました、久田智子(ひさだ ともこ)です。現在、都内の大学病院で看護婦として働いております。
 この会に参加するきっかけとなったのは、ネパールへ嫁がれた現地スタッフの秋山和美さんを通して、土屋さん御夫婦よりお誘いを受けたことです。和美さんとは、以前勤務していた病院で知り合い、5年前にはネパールを訪れる機会も得、彼女のひたむきなボランティア活動の現場を実際に見せていただくことができ、経済的・社会的な貧しさを痛感した反面、ヒマラヤの麓に広がる神秘的な大自然に心を打たれる思いがしたものでした。
 以後、機会があれば力になりたいと思っておりましたので、この会を紹介された時、ただお金や物を提供するだけの一方的な協力ではないこと、またゆっくりペースというところに共感できたので、メンバーに加えていただきました。気負わず、自分のできる範囲で頑張りたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願いいたします。   
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◆編集後記
   この通信に対するご感想、ご意見があれば、どうぞ事務局宛お便りをお願いいたします。
 ここ暫くは、現地スタッフ不在になりますので、手紙での現地との情報交換がメインになります。なかなか現地に行けないので、ネパリ・バザーロの忙しい仕事の合間にお願いしています。
 この9月には、運営メンバーが現地へ行きます。ブワン君、ミラちゃん、そして、ホームの子どもたちとの交流がメインですが、ネパリ・バザーロの仕事先との挨拶、交流もしたいと思っています。  今月から、子どもたちへのお誕生カードを出す活動を開始しました。どんな反応があるのでしょうか。楽しみです。
                        (早苗・智子・完二)  
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