感動のネパール訪問:阿字地佳子(フェアトレードの店 アチャ) (vol.32)

2010年4月、「フェアトレードの店アチャ」の阿字地千佳子さんと、お店のサポーター3名をご案内し、生産者を訪問しました。帰国直後、お一人ずつが想いを込めた訪問記を書いて送ってくださいました。ほんの一部ではありますが、紹介させて頂きます。

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フェアトレードの店 アチャ
代表:阿字地 千佳子
〒530-0041大阪府大阪市北区天神橋3-2-20
Tel&Fax:06-6357-7739
Open:10:00~19:00(定休日:月曜)
HP:http://www.accha.jp/
Mail:info@accha.jp
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 私の店はオープンから5年目を迎えます。「5周年には商品を作って下さる生産者訪問をしたい」と抱いていた夢が、しかもサポーターを含めて4人で実現できたことは最高の幸せです。そして、訪問の先々で涙するほど、言葉では表現できないたくさんの感動と元気をいただいたのです!
 生産者団体を中心に15ヶ所ほどの訪問をしました。どの生産者団体や工房も、働くみなさんから、ほとばしる明るさを感じます。
 私がさらに深く深く感動したのは、ウシャさんをはじめコットンクラフトのサラダさん、マヌシのパドマサナさん、SHSのシターラさん、ノットクラフトのシャムバダンさんなど、生産者団体を代表される女性のみなさんの生き方です。どなたもすごい能力と私財を、ネパールの女性の自立・地位向上に捧げておられます。ネパールの女性の自立・地位向上の歴史を、自らの手で作られていると言っても過言ではありません。そして、何よりもいち早くその代表のみなさんに手を差し伸べ、信頼し合い、共に苦労を担われているネパリ・バザーロ、土屋春代さんの生き方に大きな感動とエールを、です。「縫い子をつくらず(部分的な作業)、ここをやめた時にも自分の家で一着が縫え、仕事ができることを考えている。自立が基本だから」と、モノ作りに徹する春代さんのすばらしい考え方に、今日の日本が忘れかけようとしているモノ作りの原点を感じるのです。そしてこれこそ本当のフェアトレード、パートナー団体との在り方であると確信しました。
 ネパールへの熱き思いを胸に、笑顔で働く仲間のみなさんを思い出し、私も店主としての役割を果たしていこうと決意を新たにしている日々です。


マヌシで働くカンチさんのお宅を訪問しました。長い急坂をどんどん登ってようやく到着です。当然それが彼女の通勤経路。家の出入り口にヤギがいてびっくり。来る前に女性の大変さを小冊子で読み、とても悲しい気持ちになったのを思い出しました。輪をかけてカンチさんのお話で暗くなってしまいましたが、思いがけず「今は楽しい」という結論になり、ほっとしました。とても美味しいお食事でした。いまごろですが、「あんなに食べちゃって大丈夫だったかしら?」と心配になっています。彼女の明るい笑顔はとても素敵でした。
 自分だけでは体験できない多くの機会を頂き、本当のフェア(パートナーシップ)トレードとは、と考える機会を頂いたこと、一つひとつの商品に人のつながりや心や笑顔があることを深く教えて頂いたことに、言葉では表せられないくらい感謝しています。(野中美穂子)

子どもを産んでも安心して働ける職場!! このネパールにありました。マハグティでは隣に託児所があり、2ヶ月の子どもから預かってもらえます。マハグティでは、聴覚障害のある人も積極的に雇い、雇用側も自ら手話を学び、安心して働きやすい職場作りをしています。また、ネパールで女性が男性と一緒に働くことの困難さも聞きました。セクハラ、レイプ、その他の嫌がらせもたくさんあるそうです。家族からの協力や理解が得られないため、女性が外に出て働くことが難しく社会進出が進まないということも聞きました。
 日本で商品(作品!)を手に取った時、作っていた皆の顔が思い出されて、自然と笑顔になっていきます。私も日本で頑張ろう! とパワーがあふれてきます。大好きな人に「大好き!」と言ってもらえたような、いい訪問になりました。(院田瞳)

日本でぼけっと生きている私に衝撃的な言葉をくれたのは紙布を作っているヤングワオ代表のウシャさんです。「私たちにできないものはない、政治が邪魔をしなければ何だってできるのだ」と。ネパールのストライキも水不足も停電も全て政治がうまくいっていないからです。それでは、政治に支障のない私は「何にでもトライし、かつ成功させてみせる!」と断言することができるでしょうか。
 ネパールの女たちの自立への「戦」、日本の消費者に向けてのマーケティング戦略の「戦」、そして何があっても成功させるというチャレンジへの「戦」…日本やネパールでの「戦」が合わさって柔らかくしなやかな商品が創られている、そんなネパリ・マジックを体感しました。そしてこれから転職する私は、自分なりにこのパワーを応用し、いつか、ウシャさんが断言したことを言えるような人間に成長していきたいと思います。(上村めぐみ)

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