愛媛・香川県のお店紹介 (vol.31)

いのちあふれる森の中へ・・・
染織工房天月

 久万高原の山道を深く入った由良野の森にある「染織工房天月」は、鷲野陽子さん、宏さんご夫妻が運営している工房兼ショップです。携帯電話の電波も届きませんが、近くに四国八十八カ所の寺があり、特に春や秋には大勢のお遍路さんが通ります。もともとは養蚕のために切り開いた場所でしたが、競売にかけられた際に、自然と人が共生できる里山づくりをしようとした医師がこの森を買い取りました。住み込んで山を管理してくれる人が必要で、阪神大震災のボランティアで知っていた宏さんに声をかけました。
 陽子さんは神戸出身の看護師で、オーストラリアのホスピスで働いていました。見学に来た日本人医師に、日本にホスピスを整える力になってほしいといわれたことをきっかけに帰国。高知のホスピス立ち上げに関わりました。やがて軌道に乗った頃、休日に訪れた四万十川でカヌーガイドをしていた宏さんと出会いました。長男が1歳の時に移住した西表島で陽子さんは染織を習い、宏さんも木工や大工の仕事を習い覚えました。4年ほど経った頃に里山管理の声がかかり、仲間と「ゆらの」という会を立ち上げました。
 引き受けて久万高原に来たお二人は、森の管理をしながら、自分たちの住む家を建て、養蚕倉庫を木工加工場に改築し、蚕を育て染織ができる工房を作りました。理由がないとなかなか家を空けられない近隣の女性たちと、野菜や加工品を通信販売し、交流の場にもなっています。子ども向け、大人向けのワークショップも開き、たくさんの人が集まります。持っているゲームを自慢していた町の子が、ここでは何の価値もないことを感じ、次第に他の子と一緒にたくましく野で遊ぶようになっていくそうです。
 ネパリを知ったのは、沖縄の素材展(2005年)でした。友人から聞いたネパールの話を思い出しカタログを持ち帰って購入したところ、コーヒーを宏さんが気に入り、息子は紅茶のファンに。寒い季節には家族4人分のフェルトブーツが可愛く並びます。「ゆらの」の会員からも買いたいという声が多く、商品として仕入れることにしました。マサラ、インセンスも好評です。2009年12月には、工房を改装して、商品を常時おけるスペースとカフェスペースを作りました。カフェはこの春から地域の人たちが交代で運営しています。
 お話していてとても気持ちのよい陽子さん、宏さんと子どもたち。ぜひ足を延ばして訪れてみてください。
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代表:鷲野陽子
〒791-1223 愛媛県上浮穴郡久万高原町二名乙787-13
Tel&Fax:0892-21-8076
Open:9:00~17:00(不定休)
http://www.tentsuki.asia/
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くつろげる大人の空間で心と体に癒しを・・・
カフェ・ノイエ

 伊予の小京都といわれる観光地大洲の「町の駅あさもや」のすぐ向かいにある「カフェ・ノイエ」。2008年4月にオープンした、「カラダ」と「ココロ」にいい、料理や雑貨が楽しめるくつろぎの空間です。
ドイツに暮らし、海外のいろいろな国を訪れた経験のある岡部千代子さんは、初めは各地で買い集めた、自分の好きなものを紹介するギャラリーのイメージで店を開こうとしていました。しかし、ただ自分が好きなものではなく、お客さまにとって良いもの、役に立つものをと考え、方向転換をしました。「地産地消」と「体に良い食べ物」をお店の道しるべとして、地元の「浜地鶏」や野菜を使った軽食やスイーツ、自然派化粧品や良質の雑貨などを扱っています。手作りジンジャーシロップのドリンクは、体がぽかぽか温まります。ネパリとの出会いもオープン2ヶ月前。カフェではネパリのうさぎのティースプーンで、ネパリの紅茶が楽しめます。
 スタッフの福田宣子さんは、店で働き始めてフェアトレードを知りました。お客様と商品について話す中で学ぶことも多く、店を通して社会に貢献できていると実感するそうです。ネパリの商品は特にフェルトやスプーン、キャンドルが人気です。楽しんで見ていただけるよう、毎日、店内やショーウィンドウのディスプレーを変え、商品の物語が伝わるよう、ポップも手作りしています。レイアウトを工夫して、もっといろいろな商品を紹介していきたいと思っています。
 町並みに溶け込むくつろぎの空間で、穏やかな時間をお楽しみください。
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代表:岡部千代子
〒795-0012 愛媛県大洲市大洲660-1
Tel:0893-24-0212 Fax:0893-24-0212
Open 10:00~18:00 定休日:木曜
http://www.cafe-neue.com/
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こうひぃとうつわ
器心家 ~きごこちや~

 うどんがおいしくて、うちわとお城のある丸亀市で「器心家」を営む近藤廣文さんと美恵さんご夫妻。ご両親が戦後すぐから続けてきた陶器店の倉庫を改装し2004年にオープンしました。入口を入ると、左側が明るいカフェ、右側は以前の倉庫の雰囲気を残し、木の梁が落ち着けるギャラリーとなっています。
 オーガニックな材料を中心としたカフェでは、ネパリのマサラティーの他に、抹茶やホットチョコレート、トーストなどの軽食も楽しめます。訪問した日には、国産小麦と地元の山下さんの卵を使用した手作りのシフォンケーキが用意されていました。
 ギャラリーには、全国各地の陶器と、お二人が価値を認めた各地の漆や織物、紙布の布巾、地元伝統の水引のアクセサリーなどが並べられ、ついついじっくり見入って時間を忘れていまいそうです。ネパールから届いたネパリの商品も、日本の陶器や漆とマッチしてさらに魅力を引き出してもらっているようです。お気に入りの陶器や漆は、カフェで実際に使用されていて、手作り品への愛情あふれる説明を伺うと、さらにその良さが伝わってきます。
 フェアトレードのことは、カフェを開く前に新聞で知り、カタログを取り寄せて購入をしていました。養鶏場の飼料の怖さや、オーガニックの重要性も耳にしていたので、店を改装する際にはオーガニックで、さらに趣旨にも賛同しているフェアトレード品も扱うことに決めました。ネパリの商品では紅茶が特に気に入っています。服も年々素敵になってきているので、楽しみにしていて、カタログも商品の背景にあるストーリーや写真が好きで、バックナンバーも捨てずに何度も読み返しています。
「お客様にフェアトレードのことを説明していると、つい力が入ってしまいます。コツコツとお話をしていく中で伝えていきたい。いつか、ネパリの服を紹介するファッションショーも開いてみたい・・・」と、にこやかに笑う近藤さん。
 おいしいカフェと気持ちのよい空間を楽しみにぜひお立ち寄りください。
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代表:近藤廣文
〒763-0052 香川県丸亀市津森町231-5
Tel:0877-23-0653 Fax:0887-23-0669
Open:9:30~19:00 定休日:水曜、月1回連休あり
http://kigokochiya.fc2web.com/
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