仕事の現場から発信[ともに生きるために]株式会社オフィスサンサーラ (vol.31)

 渋谷にあるオフィスサンサーラは、2年ほど前からお歳暮やお中元にネパリ・バザーロのギフトセットを連続して利用してくださっています。どんな会社が、どんな想いでギフトに選んでくださっているのか・・・代表取締役社長の大嶋賢洋さんにお話をお伺いしました。

●もともとネパールに関わりがあったそうですね。
 20代の頃から各国を旅して、ネパールにもたくさんの知り合いがいます。中でも縁があるポカラのために何かをと思ってきました。でもお金や物をあげるだけではダメだ、仕事を作らなければ、とも考え、ポカラでロッジを経営し、その収益でフェアトレードを行うことを考え「ポカラプロジェクト」を立ち上げています。

●ネパリ・バザーロに出会ったきっかけは?
 いったい何ができるのだろう・・・と思っていた時に、書店で見つけたのがベルダのカタログでした。それまで、アジア雑貨店で見ていたネパールの商品は、安価で粗悪なものでしたが、ネパリの商品は、現地の技術と素材を活かしながら、日本で認められる商品を作っていて、これはすごいと感動しました。現地の人がどんなに心を込めて作ったフェアトレード商品だといっても、デザイン、品質が悪ければ理念に賛同して買ってくれるだけで、マーケットは広がりません。「これだ!」と思いました。

●ネパールでの商品開発もなさっていますよね。
 ホテル経営と並行して2009年から、現地の仕事づくりとしてネパリから紹介してもらったマヌシでフェルトのアニマルポーチを商品化しました。売り上げを現地に還元できる価格で売れるよう、パッケージにも手間をかけ、ネパールの手すきロクタ紙に自社でデザインしたプリントを施しました。新国立美術館のミュージアムショップなどで扱ってもらい、たくさんの方に買っていただきました。今年も新しいデザインをマヌシと企画しています。
 ロッジ経営が軌道に乗れば、フェアトレードの販路を広げて行くことを考えていますが、全部日本側でやるのではなく、ネパールの生産者が自立できるよう、ポカラから発信していくことを心がけています。

●お歳暮やお中元にネパリのギフトセットを扱っていただいていますね。
 株式会社なので、株主からは「どうして関連もないネパールで商品を作り、ロッジを建てようとするのか、理解ができない」という声が寄せられていました。自分の想いは言葉ではどうしても説明しきれないので、何かを感じてもらえれば、とネパリのギフトを贈ることにしました。すると、これまで有名店のお中元やお歳暮を贈り続けてもお礼など言われたことなどなかったのに、何人もから「よかった」「おいしかった」という電話が入りました。特に説明書きを入れたわけでもないのに、「オフィスサンサーラがネパールでやりたいのはこういうことなのだとわかった」と言ってもらえ、とても嬉しかったです。30名ほどの方々に、もう4回ほど贈っていますが、皆とても楽しみにしてくれています。ネパリのギフトからは、言葉での説明を越えたネパリの誠実な姿勢やネパールの人たちの想いが伝わるのです。たったひとつのギフトでも、すごい力を持っていると思います。

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株式会社オフィスサンサーラ
1988年設立。雑誌・書籍の企画・編集、WEB企画・制作・システム開発、映像・アニメ制作などを手がける一方、ネパールでの商品開発、リゾートロッジ建設を推進。http://www.sansara.co.jp/

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