商品開発物語:こぶたとねずみのリストピロー (vol.34)

キーボードを打つ時に手首を置くだけでなく、疲れた肩にのせたりも。中に入っている天然素材、亜麻の種のちょうどいい重みで、疲れがじわーっと和らぎ、癖になる気持ちよさ。表情も一つひとつ違います。

マハグティを訪れる各国のバイヤーから注目され、今やネパールから世界に羽ばたいている大人気のアイピロー、ポチとタマ(84頁)。ネパリ・バザーロが開発したデザインが気に入られ、欧米からは、ドアストッパーとして巨大サイズの発注も来ているほどです。抱き枕かと思うようなポチとタマを、数人がかりで作っています。昨今の経済不況の中でも、マハグティが何とか仕事を確保し、工房を続けられているのも、アイピローのおかげだそうです。
 マハグティのスタッフも頑張っています。「私たち自身で新商品を開発しましょう!」新しいことをしていれば、きっと結果はついてくるはず。取り組むスタッフも、モチベーションが高まります。
 それから、訪ねる度にポチとタマからヒントを得た新しい商品を見せてくれました。カエルやくまのアイピロー、うさぎやカバのマスコット…そんな中、パッと目に飛び込んできたのが、『こぶたとねずみのリストピロー』。愛嬌のある顔つき、手の平サイズの心地よい重み、保多織りのシャリシャリッとした肌触り。手の平の上で、今にもモソモソと動き出しそうです。
 「これはかわいい!これでいきましょう!」
商品化することを決めると、マハグティのスタッフも嬉しそう。サイズなど、仕様の微調整を伝えて、その都度サンプルを作ってもらいました。このようなやりとりを何回か経て、ようやく完成しました。
 カタログ掲載後、お客様からも、「こういう商品を待っていました」と嬉しいお声を頂きました。ネパリ・バザーロの事務所から、お客様の元へ次々と旅立っていきます。マハグティのスタッフと共に、これからも大事に商品を育てていきたいと思います。

1.「もったいない」から生まれた
服を作る過程で、どうしても出てしまう「はぎれ」。ネパールの方々が糸を紡ぎ、手織りし、手染めした布は、もったいなくて捨てられません。ネパリ・バザーロは、はぎれを活かした商品開発を大切にしています。このリストピローもはぎれを使っています。同じ布で服を作っているので、リストピローとお揃いになることも!そんな日は、デスクの上のリストピローと共に、一日嬉しい気持ちで過ごせます。

2.欧米にも人気の保多織り
リストピローに使っているのは「保多織り」という手織り綿です。2004年、2005年と日本の染織作家の方をネパールにお連れして、技術指導をして頂いた時に生まれた布です。「多年を保つ」ことに由来する名前の通り、いつまでも丈夫で長持ちすることが特長です。吸湿性と保温性に優れていて、凹凸のあるシャリ感が心地よい布地です。この布地も欧米に大人気で、各国から注文が入り、マハグティの財産となっているようです。

3.新しい挑戦
マハグティはマスコットなどの商品デザインだけでなく、新素材の開発にも積極的です。今回新登場の「竹布」(P14、42)もその一つです。この竹布は、シルクのようなサラッとした肌触りが気持ちよく、マハグティのスタッフにも大人気でした。

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