福祉プログラムレポート

サポート会員の方々の会費を中心に、応援してくださる方からの寄付などを加えて、ネパリ・バザーロは子どもたちの教育支援、女性たちの自立支援を行ってきました。ホームの子どもたちへの支援は20 年、セービングファンドも開始から4年が経ちました。継続的に行っている支援についてご紹介します。
文:土屋春代(ネパリ・バザーロ代表)

~ヘムさんが農園で働いています。

専門教育支援を開始した2年目の奨学生はヘム・プラサドさん(22歳)とシタ・バスコタさん(20歳)の2人でした。理系を専攻し、皆に追いつくために一日中勉強をしていた真面目なシタさんに比べると、ヘムさんは飄々として、勉強もどこま
で熱心なのか、つかみどころのない印象でした。将来何になりたいの? と聞くと「偉い人」と、ニヤッとして言い、上の資格を取るためにさらに学校に行きたい? と聞くと「早く月給とりになりたい」とブスッと答えると云う調子でした。
 2010年の6月頃、卒業試験合格が分かり、希望通りKTE(カンチャンジャンガ紅茶農園)で働き始めたと聞き、その様子を見たくてたまりませんでしたが、9月、11月と2回の訪問とも、都合が合わず、会うことができませんでした。
 2011年3月、やっとメインガーデンで働くヘムさんと会うことができました。KTE
はメインガーデンを5つの地域に分け、それぞれの地域に責任者をおいていますが、その第一地域の責任者がヘムさんです。卒業したばかりでまだ1年間の
研修中というのに、もう責任者として広い地域を任され、ワーカーの方たちに指示をしている彼の姿は、気のせいか以前よりはるかに大人びて貫禄さえ感じました。 「仕事楽しい?」と聞くと、ニヤッとして「うん、まあまあ」と答えるところはあまり変わっていないなと思いましたが、「毎朝6時からカレッジで教育学を学んでいます」と少しテレながら下を向いて言うのを聞いて(あれ~、勉強熱心なん
だ)と感心し、「上の資格を取るために2年くらい働いたらまた農業専門学校に行きます」と聞いて(なんという頑張り屋さん)と感動して、目に汗が出てきました。この時、待っていてくれて、一緒に農園を歩いたシタさん、ゴビンダさん(22歳)
たちも、次の目標に向かって真剣に取り組んでいました。成長している若者たちの様子に心和むひと時でした。

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