第8号

もくじ

◆会の名称が変わりました
◆ネパールからのお便り
◆ヒンズー教の生活
◆ネパールの女性売買(本のご紹介)
◆ネパリ・バザーロからのお便り
◆ご寄付ありがとうございました
◆編集後記


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◆会の名称が変わりました
1991年の春から「ネパールに学校を建設する会(女性の自立と子供の育成基金)」の名称で活動してきましたが、4年あまりが過ぎ、様々な人に出会う中で多くのことを学び、活動の内容も少しずつ変わってきました。そして、名称とのずれも生じてきたため、現在の活動内容に合った名称に変えることになりました。新しい名前は「VERDA LERNEJO/ ネパールの女性の自立と子どもの育成支援の会」です。VERDA LERNEJOは、エスペラント語で「緑の学校」を意味し、これからも私たちやネパールの人々がこの会を通して多くを学んでいけるようにとの思いを込めて使用していきたいと思います。
 会の発足は、学校数が不足して学校に行けない子どもたちのために小さくても学校作りに協力しようとしたのが始まりです。しかし、現在のネパールでは教育の重要性を政府も認識し、山村でも学校建設プロジェクトが進められ、数もかなり増えてきました。これからは設備や教師の能力といった教育の質が問われる時期に入っています。また、就学率の低さは学校の数だけの問題ではなく、ストリートチルドレンの増加 家庭の貧困、女児の教育に対する差別など、学校があっても通うことができない社会的な問題が大きいこともわかってきました。現在の私たちの会の活動は、
 @30人のストリートチルドレンを引き取って家族同様に育てているビシュヌさんのホーム(モーニングスター・チルドレンズ・ホーム)に生活費や教育費の資金援助をすると共に、手紙の交換や訪問により交流を深める。
 A2人の小学生に学費と寄宿舎での生活費を援助すると共に、2人の通うモデルスクールとも連絡を取り合い情報交換をする。
 B密接な活動関係にあるネパリ・バザーロを補完し、女性の社会問題や村の問題に取り組んでいく。
などが主なものです。
 ネパリ・バザーロは、貿易を通して自立を応援する活動です。ネパールの物品を輸入販売することにより、村の生活条件の向上、就職に不利な女性たちの仕事の場の提供と社会的地位の向上、児童労働の状況緩和、そして市場を広げていくための技術の向上などに寄与できるよう日々努力しています。様々な社会的問題は、経済的な問題と深く関わっていて、寄付金に頼るだけでは解決しない難問です。NGOが進める現金収入プログラムへの協力においても貿易が有効です。家庭に安定した収入のあることが、子どもの就学を後押しするのも事実です。
 こうして私たちの活動は、学校という建物の建設自体は前提としないものになってきましたが、名称が「学校建設」のままでしたので応援していただいている皆様には正しい活動内容が伝わらず誤解を招いてしまったこともあったと思います。新しい名称となり、私たちも心機一転、女性の自立と子どもたちの健全な育成を目指して一歩一歩前進していきたいと思っています。
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◆ネパールからのお便り            
                  1995年5月 秋山和美
 皆様いかがお過ごしでしょうか。
こちらは雨期間近となり蒸し暑くなってきました。朝の9時10時からすでに暑くお日様は真上近くに来ています。正午にはもうほとんど外に立っていられないくらい日差しが強くなります。そんな中でネパールの人々は帽子もなくほとんど裸の状態でよく畑仕事や大工仕事をしています(そのためか能率は非常に悪いですが)。
  
 カトマンズのあちこちではジャカランダという紫の花をたくさんつけた木が目につくようになり心を和ませてくれています。またこの時期にはマンゴーが出回るようになり今から私は楽しみです。こちらはマンゴーは1キロ(4つくらい)が30ルピー(約60円)です。日本では1個300円くらいはしますよね。マンゴーを食べると急に豊かな気持ちになれ、まさに果物の女王と言いたいところでしょうか。娘の愛ちゃんもスプーンを使って上手に食べています。雨季の楽しみと言えばマンゴーを食べることくらいでそのほかは大変です。気温、湿度の上昇にともなって食物が腐敗しやすくなり伝染病(赤痢・コレラなど)が発生しやすくなります。また大雨により道が川となります。今私たちが住んでいるところは低地なため上流から流れてきた水が加速しドドーーーッと押し寄せて家の中にまで入ってきます。その都度私は床掃除をしなければならず困ったものです。さらにいろいろな虫やら動物やらもお目見えします。今までに家の中に入ってきたものは、ネズミ・ムカデ・カエル・ミミズ・クモ・蚊・蠅・蜂・・・です。  虫は仕方がないにしろ、どうしてカエルやミミズが突然足元を這っているのか不思議でしようがありません。やはり隙間だらけのネパールの家では虫さんたちも雨から逃れたくて、どんどん家の中に入ってくるのでしょうか。ネズミは日本のようなかわいいものではありません。何しろこの家に住んでいるネズミは体調が20cm(1kg)もあるドブネズミ。ヒェーーーッといった感じです。そのネズミが私たちの食事中目の前を図々しく歩いているのです。退治しようと追いかけ回り、挙げ句の果て私は転んでしまうありさまです。カエルさんとも時々格闘になります。カエルは日本と同じサイズですが、これも寝室や台所をピョコピョコ跳び回り安眠妨害をするのです。ムカデはとても恐怖です。(昨年は寝ていた私の足を刺しリンパ節まで腫れる大事となりました)先日夜2時、愛ちゃんがおしっこするというもので二人でトイレに行き愛ちゃんを床に立たせたとき足元にニョロニョロ這っていたのです。1cmずれていたら完全に愛ちゃんの足は噛まれていたと思うとゾッとしました。これからはまた蛇も出やすくなります。そんなことを考えると9月まで憂鬱になります。・・・が楽しみは、マンゴー、マンゴー・・・がんばります。
  
  私たちは4月より家を建てています。年10%以上の物価上昇、給料より高い家賃ではとうてい今後生活していけなくなるので思い切って決心しました。セメントなどは3年前の2倍、レンガも3倍近くに値上がってビックリです。予定していた予算より遥かに上回りそうです。すべて人力、人力、人力。また、自然に左右される。土砂・レンガを運ぶのも人、ドッコという日本のおいこのようなものを頭にひっかけて山あり谷ありの道をただ黙々と運びます。穴掘りも人、シャベル一つで何日もかけて深く掘っていきます。日本のように機械など文明の利器があればなにもこんな炎天下の中で苦労しなくてもよいのになー、帽子もかぶらず軍手もなし、そして裸足・・・。おまけに食事はダル(豆)バート(ご飯)タルカリ(野菜)だけ。力仕事をする食事とはほど遠い・・・。それなのに人夫賃は1人1日で80ルピー(160円)位。私なら耐えられないと思いつつ時々肉やジュースの差し入れをしつつ、適当におだててがんばってもらっています。
  では今回はこの辺で。次回はまた家造りの様子などお知らせできると思います。完成は11月頃。さて、いかになりますことやら・・・。    
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