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ネパリ・バザーロ 活動紹介~早川幸子さん (vol.36)

早川幸子(はやかわゆきこ)
1968年、千葉県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、1999年からフリーライターに。社会保障や医療、身の回りのお金に関する記事を週刊誌、月刊誌などに寄稿している。2008年から「日本の医療を守る市民の会」を共同主宰。2009年から「チョコ大使」に就任し、バレンタインにフェアトレードのチョコレートを広めている。ネパリ・バザーロとは5年前に出会って以来、洋服やスパイスを愛用するとともに活動に参加している。

「笑顔の裏にある被災者の悲しみに心を寄り添わせ、痛みを分かち合う」 
文:早川幸子(フリーライター)

 5月28日。ネパリ・バザーロのボランティアに参加した私は、東日本大震災で被害を受けた宮城県・石巻の沿岸部を車で走っていました。私の目に飛び込んできたのは、柱と屋根だけがかろうじて残った家、ぺしゃんこに潰れた車。そして地震が起きた2時46分を指したまま止まった小学校の時計。そこで暮らしていた人たちの大切なものをさらっていった津波のあとに、わずかに残されたものでした。生涯、私はあの光景を忘れることはできないと思います。

誰でも笑顔にしてしまう ネパリ・バザーロの魔法
 ネパリ・バザーロの大ファンになって5年目。今回の地震を受けてネパリが被災地支援を始めたことを知り、わずかですが支援金集めのお手伝いや東鳴子温泉ツアーの調理ボランティアをさせていただいています。温泉ツアーでは被災者の方に東鳴子温泉の湯めぐりを楽しんでいただき、手作りの昼食でおもてなしをします。第3回目となった8月21日は、スイカ割りやビンゴゲームもあって大盛り上がり。帰りのバスに乗り込む頃には、被災者の皆さんもすっかりリラックスした表情になって石巻に戻っていかれました。出会った人を誰でも笑顔にしてしまうのは、ネパリの魔法なのかもしれません。
 一緒に食事をした被災者の女性も、私たちが作ったお料理を「おいしがったぁ」と褒めてくれて、「温泉さ来るの楽しみにしていたんだよぉ」と、とても喜んでくれました。でも、よくよくお話を聞いてみると、今回の津波でご主人を亡くされ、家も流され、今はアパートでひとり暮らしをされているとか。被災者の方は笑顔の裏にどれだけの悲しみをかかえて暮らしているのと思うと胸が締め付けられる思いがします。

まだまだ求められる ニーズに沿った被災地支援
 今回の震災は福島第一原子力発電所の事故の影響もあってか、被災された東北の人たちが忘れられた存在になっているようで心配になります。たしかに震災直後の「水もない、食べ物もない」といった極限状態からは脱したでしょう。でも、7月末に春代さんに同行した陸前高田の町は、ようやく仮設スーパーができたばかりでした。障がい者施設「すずらんとかたつむり」の武田景子さんが「ホチキスひとつ手に入れるにも、どこに行けばいいのか分からなくて途方にくれる」というように、まだまだ足りないものだらけというのが実情だと思います。
 国や行政の支援はすべての人に公平であろうとするあまり、目の前で困っている人に救いの手を差し伸べられないことがあります。「ボランティアは足りている」「物資は余っている」という報道もありますが、行政ができない隙間を埋めるネパリのきめ細かい支援は、今後ますます必要になると思います。
 津波で愛する人や思い出の詰まった家を失ったた人にはどんな言葉も慰めにはならないかもしれません。でも、その痛みを想像し、少しでも分かちあうために、これからもネパリのボランティアに参加したいと思っています。

全国のお店紹介:ネパリ・バザーロの商品が買える店紹介 (vol.32)

北海道
みんたる
北海道札幌市北区北14条西3-1-1 TEL : 011-756-3600
Earth Cover
北海道札幌市北区北24条西6-2-2チサンビル1階
TEL : 011-707-5622
これからや
北海道札幌市白石区菊水3条1丁目6-12
TEL : 011-812-4915
はこだて工芸舎
北海道函館市元町32-5
TEL : 0138-22-7706
ほしのおくりもの
北海道室蘭市東町2丁目27-4 2階
TEL : 0143-45-1690
福家cafe
北海道岩見沢市北村中小屋4341 TEL : 0126-36-3611
みらい
北海道滝川市明神町2-2-30
TEL : 0125-22-1211
無垢屋
北海道旭川市豊岡十三条5-1-4 TEL : 0166-34-5573
りべるら
北海道河西郡芽室町東十条9丁目4-9 TEL : 0155-62-1662
ムーミン牧場
北海道上川群清水町字旭山南8線54番地
TEL : 0156-63-2572

東北

岩手県盛岡市松園1-28-15
TEL : 019-661-8996
CAFE HARADA
岩手県盛岡市本宮字稲荷31-1
TEL : 019-636-3361
おいものせなか
岩手県花巻市上小舟渡166-2
TEL : 0198-22-7291
さくらの樹
青森県八戸市大久保字西ノ平25-313
TEL : 017-838-5330
風のひろば 青森県十和田市稲生町15-16
中央ビル1F-1号
TEL : 0176-25-0185
あんぜんなたべものや 福島県福島市仲間町4-3
TEL : 024-523-2237
TRUE GREEN SHOP 福島県郡山市字賀庄11-1
TEL : 024-945-9090
沼尻高原ロッジ
福島県耶麻郡猪苗代町沼尻温泉 TEL : 0242-64-3722
Tumugi 宮城県仙台市青葉区上杉1丁目7-30エグゼクティブ上杉509号
TEL : 090-8424-2207
ゆめの森
宮城県仙台市青葉区中央1丁目1-1㈱仙台ターミナルビルSPAL内3F TEL : 022-267-4607
たんぽぽ
宮城県仙台市泉区将監10-8-10 TEL : 022-373-2225
カントリーストア
宮城県栗原市築館荒田沢41-93 TEL : 0228-22-6661

関東
GAIAお茶の水店

東京都千代田区神田駿河台3-3-13 TEL : 03-3219-4865
ナチュラルカフェコンポステラ東京都足立区綾瀬5-7-2第91新井ビル1F
TEL : 03-3628-5366
DECOYa
東京都葛飾区新小岩2-5-2大塚ビル1 TEL : 03-5607-8639
白い牛
東京都葛飾区青戸1-5-12-101
TEL : 03-3694-5468
パッチワーク
東京都渋谷区神宮前5-53-67東京ウィメンズプラザ1F
TEL : 03-5469-1612
ぐらするーつ
東京都渋谷区宇田川町4-10ゴールデンビル1F
TEL : 03-5458-1746
Notre
東京都世田谷区梅丘1-24-2佐野ビル1階
TEL : 03-5477-8600
ふろむあーす
東京都世田谷区三軒茶屋2-13-11 TEL : 03-3414-3545
ふろむあーす カフェ・オハナ
東京都世田谷区三軒茶屋1-32-6 TEL : 03-5433-8787
ぽけっと
東京都世田谷区砧1-17-20レナードビル1階
TEL : 03-3749-3112
椿屋
東京都新宿区神楽坂3-6
TEL : 03-5261-0019
Lampada 東京都中野区新井2-12-9
TEL : 03-5343-5051
グルッペ
東京都杉並区荻窪5-27-5
TEL : 03-3398-7427
サイマーケット
東京都板橋区小茂根1-9-5
TEL : 03-5995-2702
るま・ばぐーす
東京都三鷹市下連雀4-17-6ミタカサンライズマンション101
TEL : 0422-41-4666
はちのこいこっと
東京都三鷹市野崎3-22-16
TEL : 0422-32-1803
ろばや
東京都小金井市前原町3-40-8
TEL : 042-388-5441
Earth Juice
東京都国分寺市本町4-13-12-1F TEL : 042-321-3214
レイコ企画
東京都西多摩郡日の出町
平井2196-28
TEL : 042-597-6406
小麦の家
東京都町田市原町田5-4-19コメット会館
TEL : 042-727-7305
明日葉
東京都町田市玉川学園2-1-32
TEL : 042-729-5015
わらべのうた
東京都町田市常磐町3213-6
TEL : 042-851-9677
あしたや
東京都多摩市諏訪5-6-2-102
TEL : 042-376-1465
スペース緑の風
神奈川県川崎市高津区久本2-5-3 TEL : 044-866-7912
楓杏
神奈川県川崎市多摩区菅2-2-1コンフォール・K1F
TEL : 044-944-7502
NATTUE
神奈川県川崎市麻生区上麻生1-6-3マプレ内
TEL : 044-966-4813
WEショップかながわ反町店
神奈川県横浜市神奈川区松本町2-18-12
TEL : 045-412-6757
キラテラ
神奈川県横浜市都筑区中川中央1-25 NORTH PORT MALL B2
TEL : 045-914-7545
チャンプール
神奈川県相模原市東林間5-12-7 TEL : 042-747-2858
グリーンバザール
神奈川県横浜市南区六ッ川1-82-1 TEL : 045-712-8076
夢の子ども 神奈川県大和市下和田789-11
TEL : 046-269-0162
晴れ屋
神奈川県厚木市中町2-8-6 2F
TEL : 046-295-1161
WEショップ厚木1号店
神奈川県厚木市中町3-18-5二見ビル1F
TEL : 046-296-2555 
かまくら富士商会
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-8-32
TEL : 0467-22-6340 
COBAKABA
神奈川県鎌倉市小町1-13-15
TEL : 0467-22-6131
★ネパリ・バザーロ直営店「ベルダ」★
神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1地球市民かながわプラザ2階
TEL : 045-890-1447

神奈川県鎌倉市扇が谷1-7-7
TEL : 0467-22-0802
オーガニックマートよこい
神奈川県鎌倉市手広2丁目25番8号TEL : 0467-38-1337
あぱあぱ 
神奈川県茅ヶ崎市旭が丘6-30
TEL : 0467-85-9808
ちえのわハウス
神奈川県小田原市国府津3-14-3 TEL : 0465-49-6045
心もちや 
千葉県千葉市中央区弁天2-3-16 TEL : 043-255-5505
アーシアンショップ柏店
千葉県柏市松葉町3-15-1ウェルシティ2F
TEL : 04-7133-3930
ルバーブ 千葉県東金市東金1407-4
TEL : 0475-53-2323
田中惣一商店
千葉県館山市湊417-5
TEL : 0470-22-2088
フレンズ
茨城県つくば市天久保1-6-1ヤマキビル2F
TEL : 029-852-1700
かぎろひ
埼玉県さいま市見沼区東大宮5-33-6 TEL : 048-686-8838
艸(そう)
埼玉県川越市連雀町16-8
TEL : 049-225-5358
ほっとスペース包
埼玉県新座市石神2-4-8石神マーケット1F
TEL : 048-483-2280
おばあちゃんの店
埼玉県志木市幸町3-23-10
TEL : 048-476-4855

甲信越
ウォールデン
長野県小県郡長和町姫木平3518-2664
TEL : 0268-69-2659
ながせ
長野県諏訪市諏訪1-6-16
TEL : 0266-58-4300
つきのいえ    
長野県飯田市上郷飯沼2234-5 TEL : 0265-52-2666
シャロム 長野県安曇野市穂高有明7958
TEL : 0263-83-3838
びーはっぴい
山梨県北杜市高根町東井出1340-6
TEL : 0551-47-5139
森のカフェレストラン灯鳥(ぽとり)
山梨県北杜市白州町白須8056尾白の森名水公園べるが内
TEL : 0551-35-3146
エコ・リカーショップ
山梨県中央市若宮29-1ショイフルプラザI-E
TEL : 055-274-7766
ら・なぷう
新潟県長岡市東坂之上町3-1-10 TEL : 0258-32-4711
わらべ村
新潟県十日町市千歳町1-2沖ハイデンス2A
TEL : 025-752-7842
ナルニア
新潟県新潟市中央区沼垂東4-7-5 TEL : 025-248-5664
麗愛
新潟県新潟市中央区紫竹山6-3-12
TEL : 025-247-1969
みずすまし
新潟県三条市桜木町1-26
TEL : 0256-33-7793
Noah House
新潟県三条市南新保6-52
TEL : 0256-34-0384
からころ屋
新潟県新発田市大栄町1-2-1
TEL : 0254-26-2051
ギャラリー栞
新潟県新発田市真中1916
TEL : 0254-41-4832

アジール
石川県金沢市無量寺3-80
TEL : 076-268-0528
al
石川県石川郡野々市町本町2-1-24自然食品店「のっぽくん」内2F TEL : 076-246-0617
チャレンジドショップ
富山県富山市総曲輪3-8-6
総曲輪フォリオ1階
TEL : 076-413-2207
まるまん酒自然食品店
富山県高岡市中央町103番地
TEL : 0766-22-0627
グレーパリィ
富山県砺波市池原781
TEL : 0763-37-1636

SWEET ALMOND 
静岡県賀茂郡松崎町那賀320-7 TEL : 0558-43-1121
オーガニックコットン 
静岡県駿東郡清水町堂庭113-15 TEL : 055-991-1071
VIVO 
静岡県駿東郡清水町卸団地207 TEL : 055-973-2233
ロロ・シトア 
静岡県伊東市大室高原1-466
TEL : 0557-51-5227
かげんどら 
静岡県静岡市駿河区中田1-15-22 TEL : 054-289-1134
一粒の麦 
静岡県静岡市清水区有東坂1-238-3 TEL : 0543-48-3385
ア・テ・スエ! 
静岡県藤枝市志太1-2-10
TEL : 054-646-2606
South Wind 
静岡県浜松市中区板屋町622
TEL : 053-456-3151
Spice Cafe Bija 
静岡県浜松市中区富塚町449-1
TEL : 053-474-0330
晃ハンドベルカル 
静岡県浜松市浜北区宮口3530-2 TEL : 053-582-3668
Village 
静岡県掛川市下垂303-1
TEL : 0537-22-3799
フェアリンク 
愛知県豊川市上野1-25ポカラ内 TEL : 0533-85-8517
One Love 
愛知県蒲郡市豊岡町下前田37-1 TEL : 0533-67-4422
CHOCOLIT 
愛知県額田郡幸田町大草字大正25
TEL : 090-3384-2554
ぎたんじゃり 
愛知県安城市今池町2-1-26
TEL : 0566-98-2699
フェアビーンズ 
愛知県名古屋市中村区平池町4-60-7 JICA中部1階
TEL : 052-583-6480
ドリーム 
愛知県名古屋市中区千代田5-11-33クマザキビル6A
TEL : 052-262-0358
風”s 
愛知県名古屋市東区上竪杉町1ウィルあいち
TEL : 052-962-5557
オゾン 
愛知県名古屋市東区東大曽根町40-6
TEL : 052-935-8738
kogomi 
愛知県名古屋市天白区原2-3501おがわビル1F
TEL : 052-808-9810
ファミリエ 
愛知県東海市富木島町前田面26-4
TEL : 052-603-8818
茶房じゅん 
愛知県東海市大田町寺下53
TEL : 0562-32-1826
まなかまな 
愛知県春日井市岩成台9-2-20
TEL : 0568-95-1284
銀の森 
岐阜県可児郡御嵩町伏見1437
TEL : 0574-67-0538
力車イン 
岐阜県高山市末広町54
TEL : 0577-32-2890
リトルベア・カフェ&ショップ
岐阜県高山市西之一色町3-829-4 TEL : 0577-37-2527
kochi 
岐阜県高山市西之一色町2-84
TEL : 0577-35-5176
ギフトショップ゚・タニモト
岐阜県下呂市森801-18
TEL : 0576-25-5220
cocoro cafe 
三重県三重郡菰野町菰野8522-6 TEL : 059-392-3239
Knotty house Living
三重県亀山市加太中在家8032-1
TEL : 0595-98-0678
accha 
大阪府大阪市北区天神橋3-2-20 TEL : 06-6357-7739
あいね・谷町九丁目店
大阪府大阪市中央区上汐2-5-25
TEL : 06-6767-0002
ヌチグスイ 
大阪府大阪市中央区難波千日前3-12平和薬局内
TEL : 06-6631-7281
Potager 
大阪府八尾市山本町南6-8-23
TEL : 072-933-8820
あひおひ 
大阪府高石市羽衣3-1-1
TEL : 072-263-2700 
京都シネマ 
京都府京都市下京区鳥丸通四条下る西側COCON鳥丸3F
TEL : 075-353-4723
楽天堂 
京都府京都市上京区下立売通七本松西入西東町364-14
TEL : 075-811-4890
ドゥ・アームエスト 
京都府京都市中京区
三条通烏丸東入梅忠町28
TEL : 075-229-7900
尾長猫 
京都府宇治市宇治蓮華34
TEL : 0774-21-2176
めぐみホーム 
京都府京都市伏見区銀座町1-360 TEL : 075-612-0364
まぃまぃ堂 
京都府福知山市下新26
TEL : 0773-22-4686
葉音(ぱおん) 
奈良県奈良市後藤町12-2
TEL : 0742-27-5972
Cante del Sol 
和歌山県和歌山市毛見996-2
TEL : 073-444-2239
ホルティ 
兵庫県神戸市灘区
六甲山町五介山1877-9
TEL : 078-894-2251
ストラッセ 
兵庫県西宮市松生町18-21
TEL : 0798-72-4413 
Tonerico 
兵庫県丹波市柏原町柏原766-1
アビタすぎはら2A号室
TEL : 090-1134-4996

コットン古都夢
岡山県岡山市北区出石町1-8-6 TEL : 086-225-4663
妙好庵 
山口県岩国市横山2-4-17
TEL : 0827-43-3369
うたちゃんの店 
山口県柳井市柳井3867-2
TEL : 0820-23-7242

器心家 
香川県丸亀市津森町231-5
TEL : 0877-23-0653
天月 
愛媛県上浮穴郡久万高原町
二名乙787-13
TEL : 0892-21-8076
ノイエ 
愛媛県大洲市大洲660-1
TEL : 0893-24-0212
    
ちえの木の実 
福岡県福岡市中央区薬院3-16-31NⅡビル1F
TEL : 092-526-7557
ポチとミミ 
福岡県福岡市東区箱崎1-31-8
TEL : 092-631-1233
ルシーラ 
福岡県福岡市早良区有田 7-21-21
TEL : 092-851-7589
クリキンディ 
福岡県田川郡赤村大字赤5251-3 TEL : 0947-88-2893
氣楽家 
長崎県長崎市東古川町4-15
TEL : 095-826-0625
ナチュラル&ハーモニック
ピュアリィ
熊本県熊本市中唐人町15番地 TEL : 096-323-1551
ラブランドエンジェル
熊本県熊本市新屋敷1-9-7
TEL : 096-362-4130
あい・むっから
大分県大分市三ヶ田町4組
TEL : 097-546-0600
ふゅーちゃー
大分県別府市秋葉町7-9
メゾンシラハマ1F-B
TEL : 0977-21-1888
ひむか村の宝箱
宮崎県宮崎市下北方町越ヶ迫6146平和台公園内
TEL : 0985-31-1244
縫工房 FUU
宮崎県宮崎市清武町船引1509-29 TEL : 090-7476-5966
りんく
鹿児島県鹿児島市東千石町20-18松尾BLD.
TEL : 099-225-1330
花舞
鹿児島県南九州市知覧町郡6293-1
TEL : 0993-83-3401

風の里
沖縄県南城市佐敷字新里129
TEL : 098-947-1237
沖縄ぎのわんセミナーハウス
沖縄県宜野湾市志真志4-24-7
TEL : 098-898-4361
えころん
沖縄県那覇市首里石嶺2-85
TEL : 098-885-5233
NOAH
沖縄県那覇市首里大中町1-9
TEL : 098-885-7217
しゃし☆くま~る
沖縄県名護市源河2523-5
TEL : 0980-55-8360

ベルダショップ・レポート

2010 年10 月に引き続き、2011 年4月16・17日、東京都世田谷区にある「アトリエS」にて2日間限定ショップ第2弾を開催しました。

次回は1 0 月9 日(日)、1 0 日(祝月)にO P E Nします。
※詳細はP98 をご覧ください。

閑静な住宅街にあるアトリエSは、カタログverdaの撮影に使われています。庭には芝が青々と茂り、記念写真を撮られる方も多数いらっしゃいました。1階には、1点ものも含め豊富なカラーバリエーションの春夏の服をご用意し、2階では、紙布や食品・雑貨をご紹介するとともに、カフェではネパリのコーヒー、紅茶とお菓子を無料でお楽しみいただきました。カタログで撮影を担当している土屋ひろによる撮影も前回同様好評でした。さらに今回は、『ファッショントーク』でパタンナーの青木いみ子が着心地の良さの秘密を、カフェでは、副代表の丑久保完二がネパールの村の様子を、そしてla MOMO の日下部信嘉がコーヒーの美味しい入れ方をご紹介し、たくさんの方に聞いていただきました。また、ご愛用いただいているネパリの服を染め替えてさらに永く楽しんでいただこうという限定企画も試みました。お預かりした服は後日事務所で丁寧に染め、繕い、お客様にお戻しした際にはとても喜んでいただけました。甚大な被害をもたらした東日本大震災からまだ1ヶ月ほどしか過ぎておらず、たくさんのイベントが中止や延期になる中、開催をどうすべきか悩みもありましたが、むしろこういう時だからこそ、いつも応援してくださる方々と直接お会いし、想いを共有したいと考え、予定通りの開催を決めました。少ない人数でもお越しいただければと準備を重ねましたが、当日は200名近いお客様がお越しくださり、楽しく穏やかな、心温まる交流の場を持つことができ、スタッフ一同も大変励まされました。本当にありがとうございました。ネパリ・バザーロが行っている東日本の被災地の方々への支援についてもご報告し、現地でお渡ししている「お菓子セット」に同封するメッセージカードの一言をお客様にもご協力をお願いしたところ、たくさんの方が想いをこめて書いてくださいました。2日後に代表・副代表が石巻・栗原・釜石に伺った際に、支援物資と共にお届けしてまいりました。

サヌ・バイさんのアクセサリー

あたたかな質感が人気の洋銀チャーム。新しいデザインが、サヌ・バイさんの工房から届きました。
「ハイヒール」と「ウサギ」と「お花」は、秋のおしゃれ心をくすぐるデザインです。
装いに合わせて、ネックレスの素材を変えたり、チャームを2つつけたり、
ヘアゴムやヘアピンにつけたり…あれこれ組み合わせてみるのも愉しいひととき。

お父さんも、そのまたお父さんも鋳物職人で、15歳の時から仕事を学び始め、もう40年以上になるサヌ・バイさん。一つひとつ型取りをし、手作業で丁寧に磨いていく作業はとても難しく、一人前になるにはとても時間がかかります。今は息子のゴパールさんが工房を取り仕切っていますが、最後の磨く工程は、必ずサヌ・
バイさんが行います。工房を訪ねると、サヌ・バイさんはいつも窓際の席に座り、一生懸命磨いています。

コロンとした丸みのあるモチーフがかわいいチャーム。洋銀のあたたかい色合いとやわらかな質感をコーディネートのポイントに。

福祉プログラムレポート

サポート会員の方々の会費を中心に、応援してくださる方からの寄付などを加えて、ネパリ・バザーロは子どもたちの教育支援、女性たちの自立支援を行ってきました。ホームの子どもたちへの支援は20 年、セービングファンドも開始から4年が経ちました。継続的に行っている支援についてご紹介します。
文:土屋春代(ネパリ・バザーロ代表)

~ヘムさんが農園で働いています。

専門教育支援を開始した2年目の奨学生はヘム・プラサドさん(22歳)とシタ・バスコタさん(20歳)の2人でした。理系を専攻し、皆に追いつくために一日中勉強をしていた真面目なシタさんに比べると、ヘムさんは飄々として、勉強もどこま
で熱心なのか、つかみどころのない印象でした。将来何になりたいの? と聞くと「偉い人」と、ニヤッとして言い、上の資格を取るためにさらに学校に行きたい? と聞くと「早く月給とりになりたい」とブスッと答えると云う調子でした。
 2010年の6月頃、卒業試験合格が分かり、希望通りKTE(カンチャンジャンガ紅茶農園)で働き始めたと聞き、その様子を見たくてたまりませんでしたが、9月、11月と2回の訪問とも、都合が合わず、会うことができませんでした。
 2011年3月、やっとメインガーデンで働くヘムさんと会うことができました。KTE
はメインガーデンを5つの地域に分け、それぞれの地域に責任者をおいていますが、その第一地域の責任者がヘムさんです。卒業したばかりでまだ1年間の
研修中というのに、もう責任者として広い地域を任され、ワーカーの方たちに指示をしている彼の姿は、気のせいか以前よりはるかに大人びて貫禄さえ感じました。 「仕事楽しい?」と聞くと、ニヤッとして「うん、まあまあ」と答えるところはあまり変わっていないなと思いましたが、「毎朝6時からカレッジで教育学を学んでいます」と少しテレながら下を向いて言うのを聞いて(あれ~、勉強熱心なん
だ)と感心し、「上の資格を取るために2年くらい働いたらまた農業専門学校に行きます」と聞いて(なんという頑張り屋さん)と感動して、目に汗が出てきました。この時、待っていてくれて、一緒に農園を歩いたシタさん、ゴビンダさん(22歳)
たちも、次の目標に向かって真剣に取り組んでいました。成長している若者たちの様子に心和むひと時でした。

東日本大震災の支援

2011年3月11日14時46分頃発生した、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0
という大地震と、その後に襲来した千年に一度といわれる巨大津波は東日本の太平洋側、約500キロに及ぶ沿岸地域の多くの尊い命を奪い、家屋や工場、船などの財産を瓦礫に変え、未曾有の傷跡を残しました。被災地域が広域なので、家族、親戚、友人知人がその地に住むという方も多いと思います。私たちの食生活を支える農産物や海産物、企業の生産活動に必要な部品やプラスチック容器、紙製品などしばらく手に入りづらかったものもたくさんあり、東北の果たしてきた役割の大きさを思い知らされました。さらに起きた福島原発の大事故。収束の目途が立たない現実は、これまでの安全神話を崩し、謳歌していた便利で豊かな生活がどれほど危うい土台の上に築かれていたのかを教えてくれました。 日本に住む全ての人が何を心の拠りどころにしたらよいのか途方にくれているように感じます。
 “国民の生命と財産を守ってくれる国”、“迅速に対応できるシステムの整った国”だと少しは信じていたものが、政府は機能せず、集まった多額の義援金も遅々として届きません。そんな中、あまりに凄惨な現場、甚大な被害に時としてひるみながらも、震災直後から多くのボランティア組織や個人が危険も厭わず、身銭を切って精一杯活動を続けています。金銭の多寡ではなく、強い想いに駆られたそれらの活動に触れた被災地の人々は、立ち上がろう、前進しようと誓い、笑顔を向けてくれます。

ネパリ・バザーロの取り組み

■炊き出しと物資支援(3 月27日6ヶ所)
■プロジェクト支援 
  1)古民家再生プロジェクト  
  2)お花畑プロジェクト…仮設住宅に花を植えるためプランターセット200 セット支援。
 釜石支援
■生活基本セット支援…生活セット237 セット、組布団206 組、衛生セット120 セット
■日帰り温泉ご招待(5 月29 日、7月3日、8月21 日)
■学校支援…北上町の小学校に体操服上下&ジャージ上下20 人分、
 赤白帽180 個、普段着80 着支援
■文具支援…市役所に各種手続きや相談に来られる被災者の方たちへ文具提供
 石巻支援
 陸前高田支援
■在住外国人旅費支援…フィリピン女性2 人、子ども3 人、
 中国人女性1 人の一時帰国費用支援。
■プロジェクト支援…仮設住宅の野菜栽培支援。野菜用プランター78 個等支援。
■介護予防のための様々な体力測定器具支援 
■今後の支援予定…障がい者施設のデイサービス再開支援。
■老人介護NPO 法人再開支援…システムキッチン2 式、大型冷凍冷蔵庫3台、
 洗濯機2 台、電子レンジ3台等電気製品、ベッド7 台、組布団7 組支援。
 東松島支援
詳しくはホームページをご覧ください。

特集:地域開発「偏見と差別との戦い」

コーヒーなどの嗜好品や食品原材料は、値上がりが激しく、売値に転化できない洋菓子店、喫茶店など小さな店は閉店に追い込まれているところもあります。小売価格を据え置いたまま利益を出そうと、原材料の質を落としたり、原産地を偽ったりする企業もあります。日本の社会に多大な影響を与えているこれら一連の動きがある一方で、市場が不足している生産者が多くいるのも事実です。つまり、供給不足でもないのに高騰しているのです。これは、生産者にとっても、消費者にとっても喜ばしい状況ではありません。明らかに、投機の対象として高騰していると読むことができ、私たちの生活を脅かしています。
 お取引先から、「ネパリ・バザーロ(以下ネパリ)も原料の高騰で大変でしょう?」と聞かれることがあります。こと、コーヒーに関しては全く動ぜず、生産者の方々とより良き道を求めて進んでいるといえます。フェアトレードの仕組みなくしてはできないことです。安心して暮らせる住みやすい社会を私たちの手で創る手段がここにあります。 
 2010年秋号では、コーヒー生産者、シリンゲの人々の置かれた状況、貧しいが故に、周囲から無視され、排除され続けた人々とともに偏見や差別と戦い、自立に向けて努力している過程をご紹介しました。今号では、その後の状況を、厳しい生活の実体も含めながらお伝えします。

・自然農法で育てたネパールコーヒー

 ネパールコーヒーは、浅煎りから深煎りまでのローストが可能な豆で、とりわけ深煎りは、甘みも出てとても美味しいコーヒーです。シリンゲはコーヒーの生産地域の一つ。ラリトプール郡の最南端に位置します。起伏が激しいカブレ、マクワンプルに接し、行き来の難しい所です。カトマンズからバスを乗り継いでほぼ1日掛かり、そこから徒歩で険しい山道を数時間歩くとシリンゲに辿り着きます。
 ネパリの「シリンゲ村物語」のコーヒーは大自然の中で、昔からの自然に沿った農法で大切に育まれています。そして、村での栽培、加工、選別から、カトマンズでの再選別や厳しい品質チェックまで、一貫した工程管理により、質が良く安全で、安心して飲んでいただけるコーヒーです。ここでは、村の様子をご紹介します。

・コーヒーの生産地シリンゲ村の動き

 2011年2月25日、昨年5月の訪問に続く5度目の訪問になりました。前回より道路が延び、ナムンダラから歩いていた頃に比べると4時間の短縮です。
 2010年12月末、念願の国際標準の有機証明を取得しました。今回はそれに伴う内部監査に立ち会い、問題がないかどうかをチェックし、もし問題があればその改善をすることが主な目的でした。又、協同組合の事務所設立のための用地探しと購入、緊急支援ファンドをスタートさせるためでもありました。私たちの訪問に合わせ、協同組合の年次総会も開かれました。ネパール国花ラリグラスが綺麗に咲き、周囲を華やかに彩っている季節でした。
 昨年までの度重なる妨害との必死の戦いがまるで嘘のように、協同組合代表のバドリさんは、〝コーヒー叔父さん〟として地域で一目おかれる存在になっていました。皮むき機も、ネパリが4台支援、協同組合も自力で1台調達し、木製の古い物から水力を利用する新しい物に一新、効率も一段と良くなりました。状況の改善を象徴するかのように、赤いラリグラスがそこここに咲き誇るシリンゲは
輝いて見えました。

・農民の生活と苦悩

 ネパールは農業国で、国民の約8割が農業に従事しています。農民の暮らしは、天候に大きく左右されるため収入が不安定です。そして、医療が発達した現在では、病人がでれば、高額な手術代、薬代など現金が必要となり、農民にとっては大変な困難を招くことになります。又、教育の必要性の認識も高まり、ここでも現金を必要とするようになりました。しかも、村には専門的な教育を受けられる学校がなく、高学年になれば都市部で下宿するなどして勉強せざるを得ないため多額の費用がかかります。ある程度の安定した現金収入がなければ高等教育は夢のまた夢となります。
 ネパールは1950年まで、約1世紀を支配したラナ政権(*)の愚民政策(国民を支配しやすくするため教育を受けさせなかった)の負の遺産で、識字率は今日に至っても低く、暗い影を落としています。シリンゲの人々は、その影響を色濃く受けた人々、ということができます。組合員のなかにも読み書きできない方が多くいます。そのことから、土地をだまし取られた話は沢山あり、組合理事の一人、インドラマニさんも、所有する土地26ロプニ(1ロプニは約160坪)の内、10ロプニを失っています。
 収入を得る手段の少ない厳しい状況から、大家族で生活する傾向にありますが、どこの家族にも病人が一人は居る、と言っても過言ではありません。慢性化した病であれば、薬代が家計に重くのしかかっています。
 有機証明の内部監査員でもあるユブラジさんは村で高校卒業資格をパスした若者世代の筆頭です。お姉さんたちはみな結婚し、両親との3人暮らしです。彼の家を訪問する度に気づいたことがありました。屋根の茅葺が傷む一方で手入れがされていないのです。どちらかと言えばおっとりとしている彼ですが、地図を器用に描いたり、色々と先のことを考えたり、仕事振りも真面目です。その彼が何故?答えは簡単でした。61歳のお母さんが心臓を患っていたのです。7年前に医者にみてもらった時、手術を薦められたそうですが、お金がなく断念。以来、薬をのみ続けています。それが、家計を圧迫していたのです。お父さんも、ネパール特有の座る姿勢から腸が下がり、普通に座ることができません。協同組合は新しくできたばかりで組合としての収入がほとんどないため、その仕事は、全てボランティアで引き受けなければなりません。このような話は、ユブラジさんのご家庭に限らず散見されることです。
 農産物故の厳しい状況もあります。昨年は、ホワイトボーダーという虫によりたくさんのコーヒーの木が被害を受けました。この病気にかかると、木を伐り燃やす以外に有効な方法はありません。遅れると被害は広がり、更にダメージが大きくなります。
 ケダールさん、イッチャさん(10項写真左)は、村でも上位のコーヒー生産量を誇っていましたが、今では、ほとんどの木を失いました。イッチャさんご夫婦は高齢で、頼りにしていたたった一人の娘さんは駆け落ちして突然出て行ってしまったそうです。これから、どうやって生きていこうかと途方にくれていました。

・組合との協働と挑戦

 昨年末の数年がかりだった有機証明の取得はとても嬉しいできごとでした。シ
リンゲの農民の方々の喜びは、それは、それは大きなものでした。協力してくれ
た輸出代行事務所の代表ディリーさんやラクシミさんたちスタッフ全員も興奮し
喜び合いました。勿論、私たちも。
 コーヒー生産に関連する設備の増強も実施し、新しく作る事務所と倉庫の土地
も購入、登記も終わりました。昨年、豪雨で半壊した協同組合長、バドリさんの
家のようなケースを支援する仕組み、「緊急支援ファンド」も作り、運用していま
す。私たちとしては課題山積の中、全力を挙げてシリンゲの人々をバックアップ
し、福祉面の充実にも努めてきた結果がここに出ています。しかし、それはゴー
ルではなく、やっとスタートラインに着いたのだと分かりました。共に脅威にさらされながら偏見や差別と闘う中で、個々の家庭が抱える問題もよく見えてきて、その根深さ、大きさが分かってきたのです。
 これから目指すことは、先のユブラジさんのような人々に、協同組合のためにがんばった分、給与が出せるようにしていくこと(それにより薬代も賄える)、家庭の生活状況により、東ネパールで展開しているような高等教育への奨学金を出していくこと(現在は、ケサブさんを支援し、農業専門家になるべく勉強をしてもらっています)など、次世代を育てながら、収入向上を通じ様々な課題をシリンゲの人々自らが改善していけるような力をつけることです。そのために更なる収入向上の手段として、スパイスを栽培する計画もしています。
 世界的な投機に左右されず、安全で安心な食作りを通じ、「共に生きる」道を
模索し、シリンゲの人々とこれからも挑戦して参りたいと思います。

【コラム】ケサブさんの頑張り

シリンゲの期待の星、ケサブさん( 21歳)はすごく負けず嫌いの頑張り屋です。彼には農業の専門家になりたいという夢がありましたが、親に財産や安定した収入がなく、叶わぬ夢と諦めていたそうです。
 ネパリがバドリさんたちに協力してシリンゲ協同組合を設立し、有機証明取得
に向けて動き出した時、将来を考え誰かに専門知識を学んで欲しいと思い、中心
になって活躍していたケサブさんに打診しました。ケサブさんは夢が叶うかもし
れないと分かった時、天にも昇るほどうれしかったそうです。その時、きらきら
と強い光を放ち、輝いた彼の瞳が忘れられません。
 ところが、実際に学校に入ってみると、授業に追いつくのがものすごく大変だっ
たそうです。ケサブさんは、どこかの会社の経理に雇ってもらえるようにと、S
LC(*1)合格後、商業コースを選択したので、全国に3ヵ所しかない難関の
国立農業大学に合格しても、科学コースから進級した他の学生に比べて大きく遅れをとっていたのです。2年間の内容をわずか1年で学び、早く追いつこうと必
死で勉強しています。でも、子どもの時に心臓の大手術をし、それ以後も薬を飲
み続けている彼にとって、暑いチトワン(*2)での勉学は重く大きい負担です。倒れて病院に運ばれたこともあると聞いては心配で溜まりません。しかも、組合のことで、有能な彼がどうしても必要となり、長距離バスに乗って時々シリンゲに戻ってきています。
 「辛くない?続けるの、大変だよね」と心配すると、「ずっと夢見ていたことが実現したのだから、必ずやり遂げます。それに、組合も僕にとっては命と同じくらい大事だから、する仕事があれば、どんなに無理をしても戻ってきます。この出会いだって組合のおかげです。組合がなかったら僕の今はないのですから」と、言いました。その強い意思を包む身体がもっと丈夫だったら、この人はどれほどの仕事をやり遂げられるのだろうと思いました。しかし同時に、小さい頃から身体が弱く、両親の不仲など家庭環境も大変だったことが、今のケサブさんの優しさ、強さを養ったのだとも思います。
 ケサブさん、あなたの夢はあなただけの夢ではありません。身体に気をつけて、少しだけ、ビスターレ(ネパール語で“ゆっくり”の意)、ビスターレ。

*1…10
年間の基礎教育を修了したことを証明する国家試験。
*2:ネパール南部、インドとの国境に位置する亜熱帯のタライ平原にある町。1984年には世界遺産にも登録された、野性動物の宝庫として知られるチトワン国立公園がある。

ベルダショップ・レポート (vol.34)

Verdaの誌面がそのままお店になりました。


東京・尾山台の隠れ家で、2日間限定のベルダショップをオープンしました。

 2010年10月10日、11日の2日間、東京都世田谷区にある「アトリエS」に、たくさんのネパリ・バザーロの商品をご用意し、いつも応援してくださっているお客様をお招きしました。自由ヶ丘に近い住宅街にある「アトリエS」はLa MOMOの写真スタジオで、カタログVerdaの撮影に使われています。
 前日からの激しい雨は当日になっても降り続き心配しましたが、開店の頃には不思議と止んで、お客様をお迎えすることができました。緑の芝の庭には雑貨やニット小物、そして、天井の高い1階のホールには秋冬物を中心に布やニットの服を色系別にディスプレイしました。らせん階段を上った2階には紙布の部屋。ネパリのコーヒー、紅茶とお菓子で一休みできるカフェと、カタログの雰囲気そのままにプロのカメラマンが撮影をする企画も大好評でした。
 お友達やご家族と連れ立っておいで下さった方も多く、2日間で252名のご来場となりました。レジやカフェが混雑してご迷惑をおかけしてしまった時間帯もありましたが、たくさんの方に楽しんでいただき、これまでお手紙だけのやりとりだった通販のお客様とも初めてお会いでき、スタッフにとっても嬉しいひとときでした。

フェアトレードのお店紹介 (vol.34)

●埼玉県

草木からの無限の贈り物一枚の布を染め上げる
工房艸(そう)

古き良き大正時代を思わせる大正浪漫通りを歩いていると、風になびいている、自然のやさしい色合いのスカーフが目に入ります。「工房艸」の店主の原澤博子さんが自宅で育てた藍の生葉で染めた淡い水色に、さらに柿渋を何度も染め重ねた美しい色合いのスカーフが、お日様の光と共に少しずつ、少しずつ、色を深めています。
 店内は、心の琴線に触れる素晴らしい色の宝庫。惚れ込んだ作家の服や自身で染めたスカーフ、ネパリの衣類やアイピローが並んでいます。「これは5年もの。これは8年ものよ」と、原澤さんが、一つひとつ我が子のように手にとって教えてくれます。染めては寝かし、染めては寝かし、何年もかけて少しずつ色を重ねていくのだそうです。ネパリの服にも柿渋を染め重ねたり、挿し色のストールをセットにしたりして紹介しています。一枚の服を大切に、長く楽しんで着て頂きたいので、染め替えもしています。ネパリも染め替えやリメイクをしているので、その物作りの姿勢に共感しています。以前70代の方が、「レース織ハイウエストギャザーブラウス・青緑」を購入され、1年目はそのまま着て、2年目は茜と柿渋でまだらに染め重ね、3年目は無地にしてとリクエストをされたそうです。一枚の服が、「工房艸」を通して、お客様や原澤さんと共に生きています。「自然の力はすごいと気付かされます。手間はかかりますが、モノが使い手と共に変化し、素敵な物語を作っていきます。最近は安い商品が溢れていますが、モノの後ろにあるストーリー『タグエピソード』を大切にして、伝えていきたいです」と語る原澤さんは、毎朝5時から、冬でも7時から、自宅で染めの仕事をスタートします。その後、店に出て接客をしながら布を織っています。長年幼稚園の先生として働いていましたが、定年を目前に退職後、チャレンジドショップへの応募をきっかけに、お店を開くことになりました。フェアトレードのことは以前から知っていて、行商のように商品をバザーなどで販売していました。何か突き動かされる想いがあり、日本全国、海外からも旅行者が訪れる川越で、7年前に草木染めのお店を始めるときも、ぜひフェアトレードのことを多くの人に伝えたいという想いで商品を置くことにしました。
 「布を草木で染め、身につけること。そこには先人の知恵に依る深い意味がありました」と原澤さんは穏やかに語ります。店内は自然の美しい色に囲まれて、とても温かい空間です。
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店主:原澤博子
〒350-0006 埼玉県川越市連雀町16-8
Tel&Fax:049-225-5358
Open:11:00~18:00(定休日:月・金曜)
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●埼玉県
時おり不思議空間に変貌する喫茶店
ほっとスペース包(ぱお)

「ほっとスペース包」は、新座市の住宅街で運営しているコミュニティスペースです。取材に訪れた日、店内はネパリのコーヒーを淹れる柔らかな香りに満ち、たくさんの人で賑わっていました。
 代表の泉山由紀さんは以前、近くの堀ノ内病院で16年間に渡って、障がいのある人と健常者が一緒に働く売店を共同運営していました。病院の事情でその売店を閉めることになったとき、そうした障がいのある人と健常者が共に関わる場を地域に作ろうと、有志20名ほどで約一年半の準備期間を経てオープンさせました。泉山さんは新座を「自分と周囲のつながりが見えている地域」だと言います。それを活かして新座市に住む様々な人々が集い楽しい時間を共有することのできる場作りをしています。
 「名前は代表ですけど、みんなのお店ですし、みんなの場所なんです」オープンから約5年間、30人近い登録メンバーがボランティアで維持してきました。笑い声が溢れる店内に集う方々はほとんどが顔見知り。障がいの有無に関わらず、地域の人たちにも参加してもらおうとアイディアを出し合い企画しています。
 「フェアトレード製品を置くことで、地域に住む健常者と障がい者という枠を越えて、世界の誰かとつながれるように感じています」と話す泉山さん。「ネパリの商品は、フェアトレード製品を扱おうと考えたときに真っ先に思いつきました。自分がネパリの商品をプレゼントでもらったときの温もりがとても心に残っていたんです。リスのキャンドルと手編みのミトン。贈ってくれた友人の気持ちがそのまま形になっていたようでした」自由に活動できるように補助金や助成金には頼らず、ネパリを始めとしたフェアトレード商品や、地域の方々の手作り品を販売して得た収益がスペースの運営に充てられています。「ほっとスペース包」は、新座に住む人が繋がり、助け合う、自立したコミュニティ作りを目指しています。
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代表:泉山由紀
〒352-0033 埼玉県新座市石神2-4-8石神マーケット1F
Tel&Fax:048-483-2280
Open:10:30~17:00(定休日:日曜、祝日)
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●茨城県
人ともの、人と人とのつながりが楽しみ
フレンズ

東京・秋葉原から「つくばエクスプレス」でわずか45分。筑波大学キャンパスから約5分のところに「フレンズ」はあります。緑が多く、静かで気持ちのよい街並みです。
 「ゆっくり、ゆっくり」という気持ちを込めた、かたつむりの看板が入り口の目印。階段を上がると、衣類、雑貨、アクセサリー、食品、生活雑貨、ベビー用品などたくさんの商品が並ぶ店内が目に入り、心が躍ります。焦る気持ちを抑えつつ、靴を脱いで上がると、そこはまるで宝探しのような素敵な空間です。ショートヘアに大振りのアクセサリーとラップパンツがよくお似合いの店主、関口友美さんとお客様の楽しそうな会話にも耳を奪われます。商品を手にして、友美さんから溢れるように言葉が出てきます。使い方、着こなし方、作っている人のこと…聞いていると、モノがより一層キラキラと輝いて見えてきます。
 友美さんがお店を始められたのは5年前。それまで飲食店を営んでいたのですが、ある時ふと思い立ち、約2ヶ月で開店に至りました。「今が一番幸せ!ネパリの商品は、箱を開けるのが楽しくって!手書きのメッセージと共に届く商品たちは、一つひとつ大切に扱われていることが伝わってきます」と楽しそうに語ります。筑波大学の環境サークル「エコレンジャー」で活動し、卒業後もお店に来ている市橋あいさん、加倉井佑一さん、山浦愛さんをはじめ、想いある若者がお店に集います。「ここに来ると誰かに会えたり、話ができて楽しいです」と語るあいさん。買い物を楽しむだけでなく、お客様に商品の説明をしたり、友美さんとの会話に励まされたりと、生き方を模索する学生たちにとっても大切な場になっているようです。
 「これからの未来を担っていく学生たちに、フェアトレードを『広めること』が友美さんの使命」と、夫のひろしさん(紙布の服を愛用しています)はいつも応援してくれています。昨今の「フェアトレード」の広まり方に疑問を感じることもある中で、ネパリの「最後の一枚まで大切に売り切る」という姿勢は、友美さんの心の支えになっているそうです。
 商品を通して、私たち一人ひとりがつながること。そこから全てが始まると感じるお店です。
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店主:関口友美
〒305-0005 茨城県つくば市天久保1-6-1ヤマキビル2階(松見公園前)
Tel&Fax:029-852-1700
Open:12:00~17:00(定休日:日・月曜、祝日)
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●埼玉県
人の手が作りだすぬくもりを伝えるお店
おばあちゃんの店

東武東上線柳瀬川駅から徒歩10分。静かな住宅街に佇む「おばあちゃんの店」に足を踏み入れると、明るい笑顔が印象的な店主の田中香代子さんが出迎えてくれます。
 田中さんは20代の頃、青年海外協力隊員としてセネガルに二年ほど赴任。多額の予算が注ぎ込まれるプロジェクトは数多く立案されるものの、成果が見えない現地の状況に矛盾を感じ、もっと着実な方法で社会に貢献できないかと考えるようになりました。帰国後、西アフリカ諸国の貧困と家族の病気の経験から、「食べること」「自分たちで作ること」の大切さを実感し、身近な生活を少しずつ変えていくことから始めようと2003年「おばあちゃんの店」をオープン。ユニークな店名は祖母が以前営んでいた駄菓子屋のような、地域に密着した店にしたいと考えたからだそうです。店内には新鮮な有機野菜が並び、加工食品、発酵食品などの自然食品や、地球と人に優しい洗剤や天然原料の化粧品などの生活用品、天然素材のフェアトレード商品を多数取り扱っています。
 きちんとしたものを食べるということは、食べる人の身体だけでなく、心も育むとても大切なこと。様々な物が溢れる世の中で「せめてこのお店の物はお客様の心身の健康にとって自信をもって良いといえるものを置いておきたい」と考える田中さん。
 そんな思いのこもったこだわりの商品の中にネパリ・バザーロの食品や衣類も置かれています。「ネパリの商品には手仕事の良さを感じて仕入れています。手仕事が社会や生活から失われている今、多くの人の手を経て作られた洋服の着心地の良さをとおしてその大切さを知って欲しい」ネパリの柿渋の洋服を何度も染めて着てもらおうと柿渋の染料も揃えています。
 住宅街を歩いているとふらりと立ち寄りたくなるような明るい佇まいの「おばあちゃんの店」そこに置いてある商品の良さを通して、心と身体に何が大切かを体感できるはずです。
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店主:田中香代子 〒353-0005 埼玉県志木市幸町3-23-10
Tel&Fax:048-476-4855
Open:10:00〜18:00(定休日:土曜)
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●埼玉県
天然素材&フェアトレードの雑貨・衣料
to-9(トーク)

 JR武蔵野線南越谷駅または東武伊勢崎線新越谷駅から徒歩3分。大型スーパーに近い商店街に「to-9」があります。通りの可愛い看板にひかれて階段を上ると、佐藤奈穂子さん手作りのアクセサリーやフェルト小物がお出迎え。大きな窓から柔らかな日が差し込む一角には、佐藤耕輔さんお気に入りの多肉植物の可愛い鉢植えが並びます。ゆったりとしたスペースの真ん中に置かれた水槽では、大きな金魚がゆらゆらと泳ぎ、取り囲むように衣類、雑貨、食品が並んでいます。
 奈穂子さん、耕輔さんご夫妻は、2005年にそれぞれ仕事を退職して1年間のアジアの旅に出ました。出会った人たちから「日本人でラッキーだ。自分たちには外国の旅なんてできない」と屈託のない笑顔で言われ、「日本人であること」を意識させられました。旅が終わりに近づき、これからもアジアとつながり、少しでも役に立ちたいと考えた末、アジアの雑貨を販売しようと、帰国後準備を重ね、2008年5月に店をオープンしました。
 フェアトレード商品との出会いは、ネパリが最初でした。ネパールを旅した時に土産物屋で見た雑貨をそのままで日本で販売することは難しいと感じましたが、ネパリは、ネパールと日本それぞれの良さを引き出していると感じています。ずっとネパリの紅茶を愛飲していますが、時々他の紅茶を飲むと「やっぱりネパリの紅茶がおいしい」と再認識するそうです。お店では、クッキーやサヌ・バイさんのスプーンも人気です。
 仕入れる商品は、できるだけフェアトレードのものをと心がけています。「この店がなくなったら生産者の仕事が減ってしまう。自分たちの店がネパリや生産者と直接つながっているのだと思うと、やる気が湧いてきます(奈穂子さん)」「より安いものを選ぶ時代ですが、想いを共感できる人はまだまだ増えていくと思います(耕輔さん)」フェアトレード商品を置くようになって、お客様との輪が広がりリピーターも増え、お二人の想いはさらに強くなりました。
 お友達へのプレゼント、自分へのご褒美を探しに、ぜひお店を訪ねてみてください。
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店主:佐藤耕輔、佐藤奈穂子
埼玉県越谷市南越谷1-13-8 大菊ビル2階
Tel&Fax:048-986-7990 Open:11:00~19:30(定休:水曜)
http://to-9.ocnk.net
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●埼玉県
昔ながらの食材とフェアトレードのお店
かぎろひ

JR宇都宮線東大宮駅近くにある「かぎろひ」はこだわりの食材を中心に、フェアトレードの雑貨などが並ぶぬくもりのあるお店です。店主の萩原和人さんは、もともとはコックをしていました。自然食品店で働く妻のやす子さんから話を聞き、自分たちの食卓に並ぶようになると、自分が仕事で使っている化学調味料や着色料の入った食材が気になり始めました。知ってしまったからには、自分にも、周りの人にも嘘をつきたくない、と思っていた矢先、その自然食品店からお声がかかり、妻にも勧められて転職しました。
その店で、一緒に働くスタッフからフェアトレードの話を聞きました。当たり前のことなのに、世の中では違う考え方の方が主流であることに気づき、もっと広めたいとフェアトレード商品を扱うことにしました。
ほどなくして働いていたお店が閉じられることになり、次の仕事をどうしようかと考えていたときに、お客様から「閉められては困る。あなたがやって」と請われ、すぐ近くの今の店舗で独立して「かぎろひ」を開店しました。
自分のお店になり、以前から気になっていたネパリの商品も置けるようになりました。ネパリは、ネパールに限定してこれだけ品質の良い商品をそろえ、素晴らしいカタログを出していて驚かされます。
国対国でなくても、国内にもアンフェアはあります。生鮮品や小物はできるだけ直接仕入れるように心がけています。農家さんから話を聞くと、大手企業との付き合いの大変さが伝わってきます。国外、国内に関係なく、当たり前のことが当たり前に通る世の中になって欲しいと願っています。
「フェアトレードや農業の実情を知ること、学ぶことも大切ですが、買うより前に、まず自分で作ってみることを勧めています。体験してみれば実感として理解ができます。自分で苦労して作ったものは納得のいく対価が欲しいし、どうして店でこんなに安く売っているのかと疑問に感じ、搾取する気にはなれないはずです」と語る萩原さんは、野菜の種を販売したり、空いている畑があると紹介もしているそうです。
毎年夏には、「ジリミリ」というイベントを開催しています。自分が知り合った同じ想いを共有するお店や農家さんが一つの輪になって地域を盛り上げています。
イベントの開催や近隣のすてきなお店の情報も満載で、地域のつながりを感じるすてきなお店です。
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店主:萩原和人
〒337-0051埼玉県さいたま市見沼区東大宮5-33-6
TEL/FAX:048-686-8838 Open:10:00〜19:00 
(定休:月曜 ※お盆・正月・GWにも定休日有り)
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